【人外に育てられました】
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♂1:♀1:不問0
少女 ♀ セリフ数:10
首無し人外 ♂ セリフ数:10
[あらすじ]《2分半程度》
死にかけの赤子が森で拾われました。誰にって? 首のない、多分男の人です。その人に新鮮な魚をもらって赤子はすくすく育ちましたとさ―――?
【少女】
パパ? これはなあに?
【首無し人外】
それは村の人間が仕掛けた罠だよ。踏むと足が無くなるから気を付けて。
【少女】
パパの首が無いのは、罠に掛かったからなの?
【首無し人外】
僕の首は無いんじゃなくて、見えないだけだよ。
【少女】
パパはいつもそう言うけど、見えたことないから「無い」って言うのよ。
【首無し人外】
それでも僕の首は「有る」から、「無い」訳じゃないよ。それより見えた?
【少女】
うん、バッチリ。パパは見えた?
【首無し人外】
パパは元から見えてるよ。
【少女】
人数は…三人ね。武器を持ってるわ。この前のせいね、ワタシの頬に傷がついただけで、パパがあの人達の仲間を殺しちゃったアレ。
【首無し人外】
殺すつもりはなかったんだけどね。
【少女】
パパが持ってた『まんが』に同じ事が書いてあるわ。それより、準備はいい?
【首無し人外】
お前の準備が出来るのを待ってたんだよ。
【少女】
じゃあ、やるわね。
(遠くに居る“彼ら”に聞こえるように)
やあ、やあ! 我は森を守りし精霊なり! 其方等は何者かッ! もしや森を侵し、蹂躙しようとした者達の末裔かッ!
(間を空けて)
・・・・・・・・・どう?
【首無し人外】
逃げて行ったよ。『其方等は何者か』の辺りからね。
【少女】
え、……ええ〜〜〜…!!
せっかく、ワタシ…科白を覚えたのに…。せめて最後まで聞いていって欲しかったわ…。
【首無し人外】
お前も好きだね。森にやってくる人間なんて、さっさと殺してしまえばいいのに。
わざわざ精霊を騙って追い払うなんて。
偽善深くて、愚かな娘だ。
【少女】
やだ、パパったら。またそれ?
慈悲深くて、清廉な娘って言ってちょうだい。
【首無し人外】
お前が死んでも言わないよ。
それより、ほら。仕掛け場に居た人間はお前が追い払ったんだから。
今日はイイ魚が掛かっているといいね
【少女】
えぇ、そうだわね。
パパ、大きな魚が居たら捌くのを手伝ってね。
【首無し人外】
(呆れながら)
・・・分かったよ。
STORY END.




