【大人になる為の】
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♂1:♀1:不問0
リリーエ ♀ セリフ数:21
〈16歳。森の奥のお屋敷に住むお嬢様。早く大人になりたいと思っている〉
バジェン ♂ セリフ数:23
〈年齢不詳。リリーエの事は大事に思っている。仕事は完璧〉
[あらすじ]《3分程度》
街の人も滅多に寄り付かない深い深い森の奥。そこにあるお屋敷には少し天然なお嬢様とそんなお嬢様第一の執事が住んでいる―――。
【バジェン】
おはようございます、リリーエお嬢様。入室許可を。
【リリーエ】
(少し寝起きの声で)
…許可するわ。
【バジェン】
失礼致します。こちら本日の予定表でございます。
【リリーエ】
悪いんだけれど、読み上げてちょうだい。
【バジェン】
畏まりました。
まず、本日“も”来客のご予定はございませんので気を楽にしてお過ごし下さい。
昨夜、ダーシェン公爵夫人から来月開かれるお茶会の招待状が届きましたがどうされますか?
【リリーエ】
断っておいて。シュガーの代わりに虫のフンを入れるような変わった趣味の方々と付き合う義務は私には無いもの。
【バジェン】
……、畏まりました。
それと、
【リリーエ】
お母様でしょう? 分かってるわ。
でも私帰るつもりないの。連絡は無視でいいわ。
【バジェン】
ですが、お嬢様。奥様もお嬢様に謝りたいようですよ。この屋敷へ“家出”をしに来て、もう二ヶ月になりますし。
【リリーエ】
バジェン。
【バジェン】
はい。
【リリーエ】
貴方のご主人はだあれ?
【バジェン】
リリーエお嬢様でございます。
【リリーエ】
そう。なら朝からそんな話は聞きたくないわ。今すぐ口を閉じるか、お喋りは控えて。
【バジェン】
(苦笑いをして)
……、畏まりました、お嬢様。
【リリーエ】
…。それで、バジェン。
【バジェン】
はい、お嬢様。
【リリーエ】
これは何?
【バジェン】
目覚めの紅茶でございます。
ミルクとシュガーは如何致しますか?
【リリーエ】
違うでしょう、バジェン。
私はこの屋敷に来た時から言っているわよね? 目覚めの飲み物はコーヒーでって。
【バジェン】
ですが、お嬢様。
【リリーエ】
淹れ直してらっしゃい。
(拗ねたように)
………ちゃんと飲めるから…。
【バジェン】
(微笑ましくして)
…畏まりました、お嬢様。
□■□■□■□
【バジェン】
お嬢様、コーヒーにシュガーやミルクはどうされますか?
【リリーエ】
要らないわ。
【バジェン】
畏まりました。
【リリーエ】
ねえ、バジェン。
私がもっと大人だったならば、…なにか違っていたかしら。
【バジェン】
お嬢様は今のままで、充分素敵ですよ。
【リリーエ】
ありがとう。…でも悔しいのよ。
【バジェン】
…えぇ。ワタクシも悔しく思います。
【リリーエ】
清楚で大人しいなんてイメージがついているから、何をやっても仕返しなんて出来ないと思われてるのね。
【バジェン】
……………。
【リリーエ】
お茶会で嫌がらせをされても、拒否できないと思われてるの。
弟が花瓶を割れば、妹がメイドを引っ掻けば、ぜーんぶお姉ちゃんである私が構ってあげないから悪いんですって。
【バジェン】
お嬢様は何も悪くありませんよ。
【リリーエ】
……そうね、そうだわね。
(コーヒーを少し飲んで悶える)
ん…。っっ〜〜〜〜〜!!
【バジェン】
あー…、お嬢様…。
【リリーエ】
っ大丈夫! 飲めるわっ。
それに、コーヒーくらい飲めなきゃ。大人の女性にはなれないわ。
(また一口飲んで悶えて)
っ〜〜〜〜〜〜…!
【バジェン】
リリーエお嬢様。…飲み物は優雅に飲むのが大人の女性でございますよ。…ご自身の飲みやすい方法で。
【リリーエ】
(消え入りそうな声で)
…………………バ…バジェン…。
【バジェン】
はい、お嬢様。
【リリーエ】
(苦さに口を絞めながら)
ミルクとシュガーを。…たっぷりお願いするわ…。
【バジェン】
紅茶を淹れてくる事も出来ますが。
【リリーエ】
いいえ。コーヒーのままでいいわ。
今後もこれでお願いね…。
【バジェン】
…、ふふ。畏まりました、お嬢様。
STORY END.




