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二人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
54/84

【大人になる為の】

台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂1:♀1:不問0


 リリーエ ♀ セリフ数:21

〈16歳。森の奥のお屋敷(やしき)に住むお嬢様。早く大人になりたいと思っている〉


 バジェン ♂ セリフ数:23

年齢(ねんれい)不詳(ふしょう)。リリーエの事は大事に思っている。仕事は完璧〉


[あらすじ]《3分程度》

 街の人も滅多(めった)に寄り付かない深い深い森の奥。そこにあるお屋敷(やしき)には少し天然なお嬢様とそんなお嬢様第一の執事(しつじ)が住んでいる―――。










【バジェン】

 おはようございます、リリーエお嬢様。入室許可を。


【リリーエ】

(少し寝起きの声で)

 …許可するわ。


【バジェン】

 失礼致します。こちら本日の予定表でございます。


【リリーエ】

 悪いんだけれど、読み上げてちょうだい。


【バジェン】

 (かしこ)まりました。

 まず、本日“も”来客のご予定はございませんので気を楽にしてお過ごし下さい。

 昨夜、ダーシェン公爵(こうしゃく)夫人(ふじん)から来月開かれるお茶会の招待(しょうたい)(じょう)が届きましたがどうされますか?


【リリーエ】

 断っておいて。シュガーの代わりに虫のフンを入れるような変わった趣味(しゅみ)の方々と付き合う義務は私には無いもの。


【バジェン】

 ……、畏まりました。

 それと、


【リリーエ】

 お母様でしょう? 分かってるわ。

 でも私帰るつもりないの。連絡は無視でいいわ。


【バジェン】

 ですが、お嬢様。奥様もお嬢様に謝りたいようですよ。この屋敷(やしき)へ“家出(いえで)”をしに来て、もう二ヶ月になりますし。


【リリーエ】

 バジェン。


【バジェン】

 はい。


【リリーエ】

 貴方のご主人はだあれ?


【バジェン】

 リリーエお嬢様でございます。


【リリーエ】

 そう。なら朝からそんな話は聞きたくないわ。今すぐ口を閉じるか、お(しゃべ)りは(ひか)えて。


【バジェン】

(苦笑いをして)

 ……、畏まりました、お嬢様。


【リリーエ】

 …。それで、バジェン。


【バジェン】

 はい、お嬢様。


【リリーエ】

 これは何?


【バジェン】

 目覚めの紅茶でございます。

 ミルクとシュガーは如何(いかが)致しますか?


【リリーエ】

 違うでしょう、バジェン。

 私はこの屋敷に来た時から言っているわよね? 目覚めの飲み物はコーヒーでって。


【バジェン】

 ですが、お嬢様。


【リリーエ】

 ()れ直してらっしゃい。


()ねたように)

 ………ちゃんと飲めるから…。


【バジェン】

微笑(ほほえ)ましくして)

 …畏まりました、お嬢様。



□■□■□■□



【バジェン】

 お嬢様、コーヒーにシュガーやミルクはどうされますか?


【リリーエ】

 ()らないわ。


【バジェン】

 畏まりました。


【リリーエ】

 ねえ、バジェン。

 私がもっと大人だったならば、…なにか違っていたかしら。


【バジェン】

 お嬢様は今のままで、充分(じゅうぶん)素敵ですよ。


【リリーエ】

 ありがとう。…でも(くや)しいのよ。


【バジェン】

 …えぇ。ワタクシも悔しく思います。


【リリーエ】

 清楚(せいそ)で大人しいなんてイメージがついているから、何をやっても仕返(しかえ)しなんて出来ないと思われてるのね。


【バジェン】

 ……………。


【リリーエ】

 お茶会で嫌がらせをされても、拒否できないと思われてるの。


 弟が花瓶(かびん)を割れば、妹がメイドを引っ()けば、ぜーんぶお姉ちゃんである私が構ってあげないから悪いんですって。


【バジェン】

 お嬢様は何も悪くありませんよ。


【リリーエ】

 ……そうね、そうだわね。


(コーヒーを少し飲んで(もだ)える)

 ん…。っっ〜〜〜〜〜!!


【バジェン】

 あー…、お嬢様…。


【リリーエ】

 っ大丈夫! 飲めるわっ。

 それに、コーヒーくらい飲めなきゃ。大人の女性にはなれないわ。


(また一口飲んで悶えて)

 っ〜〜〜〜〜〜…!


【バジェン】

 リリーエお嬢様。…飲み物は優雅(ゆうが)に飲むのが大人の女性でございますよ。…ご自身の飲みやすい方法で。


【リリーエ】

(消え入りそうな声で)


 …………………バ…バジェン…。


【バジェン】

 はい、お嬢様。


【リリーエ】

(苦さに口を(しぼ)めながら)

 ミルクとシュガーを。…たっぷりお願いするわ…。


【バジェン】

 紅茶を淹れてくる事も出来ますが。


【リリーエ】

 いいえ。コーヒーのままでいいわ。

 今後もこれでお願いね…。


【バジェン】

 …、ふふ。畏まりました、お嬢様。










STORY END.

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