【春でもない日】
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♂1:♀1:不問0
夏子 ♀ セリフ数:26
〈19歳の大学生。父子家庭で育っており、真っ直ぐでちょっとアホな子。従兄弟の晴音をせーちゃんと呼んでいる〉
晴音 ♂ セリフ数:27
〈25歳の社会人。顔が良いのでよくモテるが、告白されても受けない事が多いクール男子。従姉妹の夏子を妹のように思っている〉
[あらすじ]《5分程度》
「じゃあアタシなんて居なくていいんじゃんか!」家中に響くその声は従姉妹のものだった。曾祖母の七回忌。親戚が集まってワイワイと盛り上がる中、仲良し親子で有名のあの二人は喧嘩してしまったらしい―――。
【晴音】
…夏子。
【夏子】
(三角座りで顔を埋めて)
……謝んないもん…。
【晴音】
…お前が悪いとは言ってないだろ。
……叔父さん泣いてたぞ。
【夏子】
(思わず顔を上げて)
え、嘘っ!?
【晴音】
嘘。
【夏子】
(睨んで)
……。
…はぁーあ。あんな事言うつもり無かったのにな…。
【晴音】
オレは安心したけどな。
【夏子】
は〜? こんなに可愛い従姉妹が父と喧嘩して落ち込んでるのに安心とか人の心無いの?
【晴音】
可愛いかどうかはさておき。
叔父さんとお前も喧嘩したりするんだなと思って。
【夏子】
ここまでのは初めて。
喧嘩とか、は…スゴく不安になるからしたくないもん。
【晴音】
……………。
で? 何が原因なんだ?
【夏子】
この前の入院騒ぎ。せーちゃんが救急車呼んでくれたでしょ?
【晴音】
ああ、叔父さんが倒れかけたアレか。
……倒れるくらいなら働かなくて良いとか言ったのか。
【夏子】
そっ……こまでは言ってないけど。
でも無理しなくていいよって。
大学行っていいって言ってくれたのはスゴく嬉しかったけど、倒れちゃうまで無理させるのは違うでしょ。
…アタシの為って言って無理するのはアタシのせいでもあるんじゃん…やだ、そんなの。
【晴音】
誰もお前を責めてないぞ。叔父さんですら。
【夏子】
それが嫌なんじゃんッ!!
……誰も責めないのなんて分かってるよ…お父さんも…絶対に…“責めてくれない”もん…。それが、スゴく嫌だ…。
【晴音】
……、お前は、…お前が悪いって言って欲しいのか。
【夏子】
そうじゃない…。
そうじゃないけど、……あーもー! 分かんないよッ! 分かんないけど、お父さんが今のままだったらアタシも大学通いづらいって話ッ!
【晴音】
そんな事であそこまでの喧嘩になる訳ないだろ。お前と叔父さんだぞ。
【夏子】
アタシとお父さんに絶大な信頼を置きすぎじゃないかな。
………。
千夏はさ、生きてたら高校生だよねって話をしたの。
【晴音】
……………。
そうか、お前がもう大学生だからな。
【夏子】
………千夏が生きてたら、……良かったのにって…
【晴音】
…夏子、アレはお前の、
【夏子】
“お前のせいじゃない”って…せーちゃんまでそんな事言うの…!?
【晴音】
……、仕方なかったろ。過去に戻ったとしてお前がアレをどうにか出来たか。
【夏子】
一緒に居てあげれば良かったじゃん…! 一緒に、遊んであげれば…!! 拗ねて一人で帰ってなきゃ…!
千夏が海に流される事なんて無かったんじゃん…!!
【晴音】
………………。
【夏子】
そしたら……、そしたら、お母さんも出て行かなかったかもしれないじゃん…。
【晴音】
あの人が出てったのはあの人の浮気だろ。自業自得だ。千夏が生きてても変わらないさ。
【夏子】
でも、もしかしたら違ったかもじゃん……。お母さんがアタシにああ言ったのは、間違ってないよ…。
【晴音】
…間違ってる。千夏が死んだのは、お前のせいなんかじゃない。
【夏子】
………っ、………っっ、だって、…じゃあ何で…!!
【晴音】
何がだ。
【夏子】
全部…!! 今までの事…、っ、全部…! 千夏が居たら変わってたかもしんないじゃん! アタシが、あの時、傍に居てあげたら全部良い方向にいってたかもしれないじゃんか!!
……っ、千夏が生きてたら良かった…! アタシが、居なくなった方がずっと、
【晴音】
夏子。
【夏子】
………っ
【晴音】
それは、言ってはいけない。
【夏子】
……ふ、ぅ…っ…ぅぅ……
【晴音】
一人で居ると悪い方に考えてしまうのはお前の治すべきクセだ。
オレでもオレの母さんにでもいい。
叔父さんでもいい、婆ちゃんでもいい。
そんな風に思ってた事を。
あの日、あの人に言われた言葉がずっと錨のように沈んでた事を。
話してくれ。
ちゃんと、正してやれるから。
【夏子】
でも、…ぅぅ……でもさぁ…
【晴音】
…ああ、
【夏子】
言う、つもり…っなかったんだよ…。…っホントだよぉ…っ。
【晴音】
知ってる。勢いで言うつもりもない、思ってもない事を言ってしまうのもお前の悪い所だ。
【夏子】
……ぅぅ、…っせーちゃんの、…いじわるっ……。
【晴音】
叔父さんがお前を甘やかす担当ならオレは意地悪担当で構わないぞ。
で? “謝んない”のか?
【夏子】
うぅ…あ、あやまるぅ…。
【晴音】
そうか、じゃあ頑張れ。
【夏子】
ふぇ…? いっしょに、いってくんないの…?
【晴音】
悪いな、夏子。オレ、婆ちゃんと麻雀やる約束をしていてな。
【夏子】
うっわ! 薄情者! 鬼! 意地悪大魔神!! 信じらんない! 可愛い従姉妹が泣いてるってのに!
【晴音】
可愛いかどうかはさておき。
さっさと謝ってこないと叔父さん本当に泣いちまうぞ。
【夏子】
うっ…
【晴音】
じゃあ、後はご自由にどうぞ。
STORY END.




