★【朽ちを知らぬは月下美人】
声劇タイトルは
【くちをしらぬはげっかびじん】と読みます。
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♂1:♀1:不問0
船良 ♂ セリフ数:16
〈新参の語り部。“人間”になる前の自分は随分と歪だったな、と思っている。…今も充分歪ですよ〉
千輪 ♀ セリフ数:16
〈最も旧い語り部。妖と鬼のような生き物の間の子。名付けた雛鳥には偶に噛み付かれる〉
[あらすじ]《3分程度》
世界各地を語り歩く語り部は巨万と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮の偶然で鉢合わせしてしまった時の物語である―――。
【千輪】
………余が此処に来た理由が分からないとは言わせないぞ。
【船良】
人の背後に立っちゃいけませんって小さい時、教えてもらわなかったんです?
【千輪】
生憎、人と共存する為に生まれた訳ではなくてな。
【船良】
…………。
ここに来たのはあの教祖様の事で?
【千輪】
…確認だけだ。語り追もここに居て構わねえさ。
【船良】
ねえ、千輪。
俺何か悪い事しましたあ?
【千輪】
間違った事はしてないさ。ただ、人として生きるのならば理不尽もある。
声を上げない理不尽もある。黙って見過ごす理不尽もある。
人とはそういうものだ。
お前はその理不尽に声を上げた。間違っちゃいないさ。間違っちゃいないが、声を上げたその先をお前は考えたかい。
【船良】
………いえ、全て壊せば。また始まるから。
【千輪】
人はそう簡単に始まれないのだ。終わるまで。
……知っているだろう?
【船良】
……、人って、面倒ですねえ…。
【千輪】
……………………………………。
(先程の緊迫した空気を一掃して)
で? どうしてお前ともあろう奴が、人なんぞに証拠を掴まれた?
【船良】
それが不思議なんですよねえ。
周辺の記憶は消したんですけど…うーん、おかしいですよねえ。
【千輪】
(小声で)
……。
船良、こちらへ。
【船良】
あえ?
【千輪】
…お前、あんなに語り追居たかい。
【船良】
ああ、なーる。
特に何にも警戒してませんでした。
【千輪】
あれほど傍に置く人間には気を付けろと。
【船良】
直接攻撃出来ないような寄生虫を、気にする必要ありますかあ?
【千輪】
余に迷惑がかかっておるだろう。
【船良】
・・・・・・・・???
【千輪】
本気で分からないという顔をするんじゃない!
【船良】
まあ、良いじゃないですか。
知らぬ仲じゃないんですし。…ね?
【千輪】
…はあ。…で、件の語り追はどうする?
【船良】
とりあえず囮でも。
【千輪】
・・・余は忙しい。麒麟にでも頼め。
【船良】
え、説教だけしに来たんですか?
天下の女狐の名が廃れますよお?
【千輪】
天下を取った記憶は無いぞ。
馬鹿言ってないで、語り部の端くれなら自分の不始末は自分でケリを付けな。
【船良】
ほ〜い…。…あーあ、面倒臭いなぁ。
【千輪】
『人間』だからな。
【船良】
・・・そうですねえ。
わざわざ有難う御座います。このお礼はまた何れ。
【千輪】
どうせ碌でもないもん寄越すんだ、要らないよっ
【船良】
バレてたか、ざ〜んねんっ
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部千輪〜惚れ薬編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/29/
語り部船良〜使い魔編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/45/




