【微笑みの太陽】
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♂0︰♀1︰不問1
白百合の老美人 ♀ セリフ数:7
天才画家 不問 セリフ数:8
[あらすじ]《2分程度》
天才画家のアトリエは静かな森の奥に。白百合を胸ポケットに飾った老美人は老後の楽しみとして自画像を画家に依頼する。画家は静かに笑ってイーゼルを立て掛けた――。
【天才画家】
私はね、貴方の生きた道を笑うように出来てやいませんよ。
【白百合の老美人】
あら、そう?
【天才画家】
私に出来るのは夢物語を筆に乗せる事だけ。
貴方の後ろに見える大海の波を描くだけですよ。
【白百合の老美人】
ここは貴方のアトリエ。海なんか一つもなくてよ?
【天才画家】
私にゃあ見えるんですよ。
貴方が白色の素敵なワンピースを着てね、麦わら帽子を被っている。その後ろにはキラキラと白い波を泡立たせて行ったり来たりする海がある。
・・・こりゃあ良い絵が描けそうだ。
【白百合の老美人】
貴方の世界、見てみたいわ。
きっと私が見てきた世界よりずっと綺麗で儚いのね。
【天才画家】
だからですね、私は貴方の生きた道を笑うようには出来てやいません。私に出来るのは、貴方の生きた道を描く事です。
嗚呼、白スーツのよく似合う男性が隣に居る。貴方に白い百合の花を渡している。嗚呼、だから今日は白百合の花を胸ポケットに。
【白百合の老美人】
本当に貴方の世界は綺麗なのね。
【天才画家】
私にゃあ、見えるんです。
幸せそうに海で笑う新婚夫婦の姿が――。
【白百合の老美人】
・・・ねえ、太陽は出ているかしら
【天才画家】
丁度雲に隠れちまってますねえ。
【白百合の老美人】
太陽を描いてちょうだい
【天才画家】
良いので? この男性、日傘を持ってらっしゃる。日差しは身体に悪いのでは?
【白百合の老美人】
絵の中でくらい・・・たくさん陽の光を浴びさせてあげて下さい。
【天才画家】
了解致しやした。
STORY END.