表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
39/84

★【雛芥子包む棘の箱】

声劇タイトルは

【ひなげしつつむとげのはこ】と読みます。



台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂2:♀0:不問0


 亀八郎(きはちろう) ♂ セリフ数:10

中堅ちゅうけんの語り部。仮名かめいすがらなくとも良くなっても、なぜだかその名を離したくはなかった〉


 将戡(しょうちん) ♂ セリフ数:10

古参こさんの語り部。身体の弱いつま要望ようぼうで共に語り部をしていた。妻が亡くなってからも、語りを続けている〉


[あらすじ]《2分半程度》

 世界各地を語り歩く(かた)()巨万(ごまん)と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮(ふりょ)の偶然で鉢合(はちあ)わせしてしまった時の物語である―――。









【亀八郎】

 ・・・・ぅゎっ・・・・・。


【将戡】

 おやまぁ、そんな顔しなくてもいいじゃあないか。


【亀八郎】

 ・・・出来れば、会いたくなかったでやす。


【将戡】

 恋仲(こいなか)よりかい?


【亀八郎】

 アレを恋仲なんぞ呼ぶんなら、あっしは年甲斐(としがい)もなく泣きやすよ。


【将戡】

 そうか。それは悪いねえ。


 ・・・元気かね。


【亀八郎】

 変わりなく。・・・そっちは。


【将戡】

 こちらも変わりなく。元気とまではいかないけれどまだまだ語り歩けるねえ。


【亀八郎】

 その分じゃ、百まで(くたば)りやせんね。あっしより頼りになりそうだ。


【将戡】

 買い(かぶ)り過ぎだねえ、嫌んなる。

 それよか、仮名(かりめい)だとか何とか言っていた気がするけれど、ソレ。随分(ずいぶん)気に入ってるみたいだねえ。


【亀八郎】

 ・・・・・・っ。


【将戡】

 無名(むめい)(ころ)に比べて……うん、随分(ずいぶん)上手くなった。名だけで売れた語り部は、咲鳥(さとり)とお前さんくらいだねえ。


 難しい事をやってのけて、名付け親としては嬉しい限りだねえ。


【亀八郎】

 聞きたかなかったでやすが、どうしてあっしをあの時選んだんでやすか。


【将戡】

 何となく、と言ったら怒るかね。

 でも小生(しょうせい)目利(めき)きの才なんぞ無いからね。


 ・・・何となく、ね。目に()まって「ああ、良いな」と思ったのがお前さんだっただけだ。


【亀八郎】

 ・・・あっしを鶴比佐(つるひさ)と重ねやしたか。


【将戡】

(心底驚いたように)

 まさか! 鶴比佐(つるひさ)も良い子だったけれどソレはソレ。コレはコレだ。


【亀八郎】

 ・・・別に。気に入った訳じゃあないでやす。他に馴染(なじ)む音が無かっただけでやす。


【将戡】

 そうかい、そうかい。

 そりゃ結構だねえ。


 おや、そろそろ一雨(ひとあめ)来そうだねえ。雨宿(あまやど)りしてくかい?


【亀八郎】

 ・・・遠慮(えんりょ)するでやす。


 出来れば会いたくないでやすが、またどこかで。


【将戡】

 素直じゃないねえ。

 ・・・どこかでまた、会えるといいね。










STORY END.

一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。

それぞれ初登場台本を掲載しておきます。


語り部亀八郎〜生い立ち編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/9/


語り部将戡〜花屋編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/53/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ