【可哀想なピエロ 中編】
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♂1:♀1:不問0
ピエロ ♂ セリフ数:11
カフェの店主 ♀ セリフ数:12
[あらすじ]《3分程度》
久々に店へ来店したピエロはとても疲れているようだった。常連も店員もその様子に驚いた。しかし店主だけは、そんなピエロに笑顔で注文を聞くことにしたのだった―――。
【カフェの店主】
お久しぶりですね、ピエロさん。
随分お疲れのご様子で。
【ピエロ】
この店に来るのもご無沙汰なのに、ボクの事覚えててくれたのかい?
【カフェの店主】
寧ろ、いついらっしゃるのか楽しみにしていましたよ。ご注文はどうされます?
【ピエロ】
アッサムのストレート。・・・それと店主さんを独り占めする事は出来るかな?
【カフェの店主】
ふふ、私もピエロさんと久しぶりにお喋りしたいです。
【ピエロ】
それは良かった。
あ、そうだ。今回の大仕事を終えたらね、休みが貰えるんだ。そうしたらまたここに通えるようになると思うよ。
【カフェの店主】
最近忙しかったのは、その大仕事のお陰ですか? ピエロさんも大変ですね。
はい、どうぞ。アッサムのストレートです。
【ピエロ】
ありがとう。・・・うん、相変わらずイイ香り。
ねえ、この前の質問覚えてる?
【カフェの店主】
この前、ですか? 生憎、以前の事はすっかり・・・。何でしたか?
【ピエロ】
ほら、ボクがピエロじゃなくなっても・・・ってやつ。
【カフェの店主】
ああ・・・。思い出しました。・・・もしかしてとても重要なお話だったりしました?
【ピエロ】
ああ、いや。そういう訳じゃないけど・・・。
(前の質問を思い出させた事を後悔して)
・・・ああ・・・、言わなきゃ良かったかな・・・。
【カフェの店主】
ピエロさん?
【ピエロ】
今のは・・・無し! 無しの方向でお願い・・・します・・・。
【カフェの店主】
うふふっ。分かりました、綺麗さっぱり忘れますっ。
【ピエロ】
本当?
【カフェの店主】
久々に来てくれた常連さんに嘘は吐きません。
【ピエロ】
じゃあ、えっと・・・さっきのは無しで考えて欲しいんだけど・・・。
ボクがもし、とっても悪い人だったら幻滅する?
【カフェの店主】
うーん・・・、難しい質問ですねぇ。
私にとってピエロさんは、ちょっと変わった常連さんですからね。
その時になってみないと幻滅するかどうかは分かりません。それぐらいピエロさんは、私にとって『ピエロさん』なんです。
【ピエロ】
えーっと、つまり・・・?
【カフェの店主】
どんな悪事を働いた人でも味方は居ますよね? それとその悪事を知らない人もたくさん居ます。
どんな事をしてきたのか知って、幻滅する人も居ますし、知っても尚、傍に居ようとする人も居ます。
私はきっと後者です。
どんな悪人でも、私にとってピエロさんは『ピエロさん』なんです。
【ピエロ】
嬉しいなァ、そこまでボクの事を認識してくれるのは。じゃあこれは野暮な質問だったかな?
(店主の答えを聞かずに)
・・・紅茶のお代わりをもらえる?
【カフェの店主】
はい、畏まりました。
STORY END.




