【妻として誇り高く】
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♂1:♀1:不問0
冷淡な皇太子 ♂ セリフ数:8
聡明な皇太子妃 ♀ セリフ数:8
[あらすじ]《4分半程度》
中庭で遊びながら剣を学ぶ子供達を見て彼は『変わったな』と呟いた。それが良い意味だろうと、悪い意味だろうと、彼が何かに対して興味を抱く事に、彼の妻はとても嬉しく思うのだ―――。
【聡明な皇太子妃】
そんなに気になるならば、下に降りて見に行かれてはいかがです。
【冷淡な皇太子】
いいや、ここで構わない。
私が見に行けば、彼らの笑顔すら奪ってしまう。
【聡明な皇太子妃】
ふふ、そんな事ありませんわ。
貴方様の姿は、民達の望む英雄ですわ。
【冷淡な皇太子】
……、私は、英雄などではない。
先の戦争でも、死にたくないと泣き叫ぶ幼子の首を刎ねた。
まだ未来のある者の首を刎ねるなど…誰が英雄と呼べようか。
【聡明な皇太子妃】
優しい貴方様は、敵の首を刎ねる事に心を痛めているのですね。ですが、敵を屠る事で、助かる民が増えるのも事実。
戦えない者が多い国。貴方様や騎士様達に、戦場の苦しみや嘆きが降り掛かるのは、致し方ない事なのです。
【冷淡な皇太子】
……分かっている。……分かっているのだ。ただ、何の悪戯か。私がまだ子供なだけなのか。
時折、無性に。
お前を殺してしまう夢を見るのだ。
眼下の子供達に、手をかける夢を見るのだ。それは夢でなくとも、唐突に瞼の裏に鮮明に焼き付くのだ。振り払っても、振り払っても。
私は夢でもない悪夢に魘されてしまうのだ。私は、まだひどい子供なのだろうか。幻想に怯えるひどい、子供なのだろうか。
【聡明な皇太子妃】
……貴方様が貴方様を、子供だと宣っても私だけは違うと否定し続けましょう。民衆が貴方様を子供だと宣っても私だけは違うと演説しましょう。
私は貴方様の妻です。それは一生涯変わることの無い真実で。私が嫌だと言っても、貴方様が嫌だと仰っても、変わることの無い現実なのです。
だからこそ現実逃避など馬鹿なマネはせず、私は貴方様の妻として、貴方様を肯定し続けましょう。
貴方様自身が貴方様を否定してしまっても。私は貴方様を認め続けましょう。
【冷淡な皇太子】
…………………………。
お前には一生涯、勝てそうもない。
【聡明な皇太子妃】
ふふ、買い被りすぎですわ。
ほら、子供達が手を振っている。……ここからでも交流は取れますわ。ここからなら手をかけるヒマもありませんわ。
【冷淡な皇太子】
…………。
(子供達に手を振りながら)
いつか。いつか私が王になる時。
あの子供達は騎士になるのだろう。
その時、私は。
完璧な王になれているのだろうか。
【聡明な皇太子妃】
『完璧』だなんて欲張りさん。
【冷淡な皇太子】
(皇太子妃の発言を目で咎めて)
…………何?
【聡明な皇太子妃】
ですから、完璧を求めてしまうだなんて欲張りさんだと申したのです。完璧な人間など居りませんわ。
皆、完璧を目指して完璧になれずに死んでゆくのです。
ですが、完璧な人間など。それは最早人間ではありませんわ。
【冷淡な皇太子】
………………。
お前の智見は留まる所を知らないな。さすが私の妃でなければ宰相だと言われていただけある。
【聡明な皇太子妃】
宰相様など烏滸がましい。
夢のまた夢ですわ、ふふふ。
ところで貴方様。
子供達の訓練が終わって、中庭が空いたらランチに致しましょう。
今日は貴方様の休日。料理長が腕によりをかけて作りましたのよ。
【冷淡な皇太子】
……そうだな、楽しみにしよう。
STORY END.




