★【暴れ落ちる蘇芳の実】
声劇タイトルは
【あばれおちるすおうのみ】と読みます。
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♂2:♀0:不問0
麒麟 ♂ セリフ数:16
〈中堅の語り部。大剣を背負う元傭兵。周りの奴らが規格外と思っているが、コイツも充分規格外である〉
船良 ♂ セリフ数:16
〈新参の語り部。魔法使いでもある。×××と言われても、悪魔と言われても、自分は人間であると胸を張って言うのだ〉
[あらすじ]《4分程度》
世界各地を語り歩く語り部は巨万と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮の偶然で鉢合わせしてしまった時の物語である―――。
【船良】
…………あっ
【麒麟】
…………。
【船良】
……最近どうですぅ?
【麒麟】
おい、何当然の様に隣に座ってやがる。
【船良】
イイじゃないですか、偶には。
あの人為的に起こされた魔の氾濫、「終焉の戦渦」で死にかけた仲なんですから。
【麒麟】
……あん時のオレがもう四十路だってのにお前の見た目が全くもって変わんねぇのは、何でだろうなァ?
【船良】
やだなぁ、自分だけ老けてるからって僻まんで下さいよ。
【麒麟】
ぶった斬ってやろうか。
【船良】
物騒過ぎますよ、勘弁して欲しいっすね〜。
【麒麟】
…………つーか、お前。
【船良】
何です?
【麒麟】
北の海で大量に死んでたっつー海の怪物…。一枚噛んでんだろ。
【船良】
海の怪物? あー、美味かったですよ。
【麒麟】
そういう話してねぇんだよ今は。
【船良】
えー? 大事じゃないですか?
討伐したって、食うか売るかなんですから。売れないんなら、食うしかないでしょうが。
【麒麟】
その食い意地張った脳をどうにかしやがれ。
【船良】
魔法って魔力結構使うんですよぉ。だから魔物でも食って、魔力回復してないとやってらんないんですって。
【麒麟】
お前の魔力量で枯渇なんぞ滅多に起こんねぇから、心配するだけ無駄だ。
【船良】
(相手の話を聞かず)
あー、アレ。アレは結構大変でした。厄災の封印。結局、千輪まで呼び寄せたんですけど……確か、二日掛かったんですかね。
千輪ってば、俺のせいで寿命が縮まったとか言うんですよ? 完全に八つ当たりですよねえ。
【麒麟】
あの半妖を呼び捨てしてる時点で、お前の周りの奴らはお前の価値を決めるべきだと思うぞ。
【船良】
いいんですよぉ。俺は語り部としては、まだまだ新参ですから。
ああ、そうだ。語りといえば。
【麒麟】
あ?
【船良】
アンタの締めの科白を真似てる語り部が居るの知ってます? 俺の大事な「友達」なんですけど。
【麒麟】
………………。
【船良】
すっごいですよねぇ。昔見た語り部に憧れて、独学で語りを学んで、集落を飛び出して、今や名の売れた新参。
……すっごいですよねえ。
【麒麟】
………………。はっ、態々会ってやる義理もねェ
【船良】
なぁんだ、知ってたんです? 他人に興味無いアンタの事だから知らないと思ってましたけど。
会ってあげないんですか? あの時の語り部は俺だ〜って。
【麒麟】
ハッ、柄でもねェ。しねぇよ、そんな事。
それよかお前だって教えてやらねェのか。その憧れの語り部は「知り合い」だと。
【船良】
再会の種は自分でばら蒔いて、自分で収穫うものですからねえ。
俺に出来るのは、あの子の旅路に女神ルーゼルッタの加護があらん事を、祈るだけっすよ。
【麒麟】
相変わらず信じてんのか、その女神様とやらを。
【船良】
俺にはもう、この女神を信じる他無いんですよ、知ってんでしょう? それに――
……あーあ。時間切れ。
そろそろ使い魔が起きちゃいます。俺はこの辺で。さよなら〜。
【麒麟】
……チッ、詠唱無しに転移とは。…ほんっと化け物みてぇな魔力だなァ…。…………オレもそろそろ行くかね。
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部麒麟〜遭遇編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/39/
語り部船良〜使い魔編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/45/




