★【眼光鋭く咲く菫】
声劇タイトルは
【がんこうするどくさくすみれ】と読みます。
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♂1:♀1:不問0
千輪 ♀ セリフ数:10
〈最も旧い語り部。見目は若いが、口調は年長のソレ。知り合いが死ぬのは、やはり少し寂しい〉
麒麟 ♂ セリフ数:10
〈中堅の語り部。四大語り部の一人である羽弥芝の愛弟子。粗暴な奴だが、決まり事は守る〉
[あらすじ]《3分程度》
世界各地を語り歩く語り部は巨万と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮の偶然で鉢合わせしてしまった時の物語である―――。
【麒麟】
あ゛っっ
【千輪】
おや。
【麒麟】
アンタが居るとは…。悪ィ、場所変えるわ。
【千輪】
待ちな。語りをしていた訳じゃないのさ。偶には余の話し相手にでもなっておくれよ。
【麒麟】
…………、ンな寂しそうな顔すんな、面倒臭ェ。…、わーったよ。ちっと待ってろ。
【千輪】
ありがとね。……この頃の若いのは余を見ると、鼈の如く逃げちまってねぇ。何も取って食いやしないってのに。
【麒麟】
言動と容姿が合ってねェんだよ。取って食わねェってんならもう少し、そのオーラってのを隠しやがれ。
【千輪】
相も変わらず辛辣じゃないか、麒麟。羽弥芝に似たんじゃないか?
【麒麟】
だ……! っれがあンなバカ師匠に似なきゃなんねェ! あのバカが生きてる内にオレに教えた事なんぞ、一つだって――!
【千輪】
本当だな? あの天真爛漫は、目に映るもの全てが大好きで堪らないと語っていたアレは、お前に何も教えなかったって?
【麒麟】
………………、………………。
アンタにゃ弱い。何であのバカはアンタと「友達」になんてなれてたんだか、な。
【千輪】
そんなもの簡単さね。
羽弥芝は語るのが上手かった。それだけ。
【麒麟】
…………ンなの……、オレだって知ってっよ…。あの人が、オレを手放す事を恐れた五年間、ずっと傍で見て来たんだからよ。……。
っっだぁーーっ! 湿っぽいのは苦手だ! つーか、話し相手なんて誰だって良いだろうが。それこそその辺の若いの捕まえて……!
【千輪】
そう怒鳴っちまったら嫌だねぇ、言ったろう? 余の姿を見るだけで蜘蛛の子を散らすように逃げちまうって。
【麒麟】
さっきは鼈だとか何とか言ってなかったか? オレだって師匠とアンタが「友達」ってだけだ。アンタと話してっとこ見られちまったら、面倒な事ンなる。
【千輪】
あっはっはっはっはっ! その面倒な事とやら、面白そうな匂いがするな。何だ、いっそ隣同士で語りでもしてみるかい?
【麒麟】
最年長が暗黙の了解を破ろうとしてんじゃねェよ。
【千輪】
暗黙の了解っていうんなら、誰もそれを喋んなきゃいい。そうだろう?
【麒麟】
何だその理屈、訳わかんねェ。
悪ィがオレはもう行くぞ。
アンタの道がちっとでも幸運に満ちるよう祈っとくぜ。
【千輪】
ああ、そいじゃあ。またどっかで。
ああ、そう言えば麒麟の締め、別の語り部も使ってたような。……、まぁ思い出した時で良いか。そろそろ余も行くとしよう。
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部千輪〜惚れ薬編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/29/
語り部麒麟〜遭遇編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/39/




