【可哀想なピエロ 前編】
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♂1:♀1:不問0
ピエロ ♂ セリフ数:14
カフェの店主 ♀ セリフ数:15
[あらすじ]《3分程度》
ピエロの面を付けた変わった男はカフェの店主に恋をしている。それを知っているのはカフェの店員や常連達だけ。当人には全く気付いてもらえてない。彼等はピエロを可哀想と思っていて―――。
【カフェの店主】
今日は何かありました? ピエロさん。
【ピエロ】
うぅん、そうかなぁ。
【カフェの店主】
いつもだったらアッサムをストレートで三杯飲み干して終了じゃないですか。なのに今日はアールグレイにミルクと、シュガーが二つ。それも五杯目。
【ピエロ】
よぅく、見てるねぇ。
ちょっとお仕事でねえ。
【カフェの店主】
ピエロさんはちょっと変わった常連さんですからね。お仕事で失敗ですか?
【ピエロ】
ちょっと変わった、ねぇ。
ボクじゃなくてさ、ボクの部下だよ。
【カフェの店主】
新人ピエロさん?
【ピエロ】
あ、あー・・・、あぁ、そう。新人ピエロね。そうそう。そうだよぉ。
【カフェの店主】
ふふ、突然慌てちゃって可愛いですねぇ。あ、紅茶おかわりします?
【ピエロ】
うーん、よろしく・・・。
あ、パンケーキも欲しいな。
【カフェの店主】
今日は本当に珍しい。紅茶はアールグレイですか?
【ピエロ】
いや、アッサムのストレート。
パンケーキはハニーシロップで。
【カフェの店主】
はい、かしこまりましたっ。
レミー君。ハニーシロップのパンケーキを一つお願いしますね。
【ピエロ】
・・・店主さん。
【カフェの店主】
はい、なんです?
【ピエロ】
・・・その、少しだけ変な事を言っても?
【カフェの店主】
今更ピエロさんが変な事を仰っても驚きませんよ。
【ピエロ】
ひどいなァ。・・・あのね、ボクがピエロじゃなくなっても、ボクの事分かってくれるかな。
【カフェの店主】
・・・。それは、お別れのお話ですか?
【ピエロ】
違っ・・・違うんだよ・・・!
その、店主さんにとってボクは『ピエロさん』だから。ピエロの面をとってしまったら『ピエロさん』ではなくなるだろ・・・?
【カフェの店主】
ふふ。
ピエロさんは、お馬鹿さんですね。
【ピエロ】
え、何突然・・・っ
【カフェの店主】
そりゃあ私にとってピエロさんは『ピエロさん』ですけれど、ピエロさんは『お客さん』であって『常連さん』でもあるんです。・・・ちょっと変わった、ね?
【ピエロ】
・・・・・・、君には勝てそうもない。
【カフェの店主】
あら、競ってたんですか?
【ピエロ】
うん。ボクの中では。
今のところ、連敗中だ。
【カフェの店主】
ふふふ、初耳です。
・・・あ。ありがとう、レミー君。
はい、ピエロさん。
ハニーシロップのパンケーキとアッサムのストレートです。
【ピエロ】
うん、ありがとう。美味しそうだねぇ。
【カフェの店主】
うふふ、ごゆっくりどうぞ。
STORY END.




