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二人用声劇台本  作者: SOUYA.(シメジ)
台本一覧
21/84

★【はにかみ老いた芍薬花】

声劇タイトルは

【はにかみおいたしゃくやくばな】と読みます。



台本ご利用前は必ず『利用規約』をお読み下さい。

『利用規約』を読まない/守らない方の台本利用は一切認めません。


※台本の利用規約は1ページ目にありますので、お手数ですが、『目次』をタップ/クリック下さい。

 ♂2:♀0:不問0


 亀八郎(きはちろう) ♂ セリフ数:16

中堅ちゅうけんの語り部。彼の名を聞けば、誰もが手を止めて振り向く。基本的に他人に興味がない〉


 茂木(もぎ) ♂ セリフ数:16

新参しんざんの語り部。亀八郎きはちろうの弟子。文武ぶんぶ両道りょうどうだが、語りの才だけが無い〉


[あらすじ]《3分半程度》

 世界各地を語り歩く(かた)()巨万(ごまん)と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮(ふりょ)の偶然で鉢合(はちあ)わせしてしまった時の物語である―――。








【亀八郎】

 う゛わっ。


【茂木】

 あ、師匠! 偶然ですね、こんな所で!


【亀八郎】

 何が偶然だ。語り部同士の暗黙(あんもく)教えたろい。


【茂木】

 それはそうですけど。師匠だったらいいかなって!


【亀八郎】

 ぶん殴るぞ。


【茂木】

 師匠は本当に語り以外では口が悪いし、愛想も無いですよね。・・・あ、心配しなくとも、他の語り部様がオレの近くに居る時は、オレが離れるようにしてますよ!


【亀八郎】

 それが当たり前なんでぇ。

 全く、最近名を聞くようになったと思えばコレだ。

 ちゃんと語れてるんだろうなぃ。


【茂木】

 そりゃあ勿論(もちろん)ですよ!

 師匠に叩き込まれた語り術は、しっかりこの頭に(きざ)み込まれてますよ!


【亀八郎】

 何と胡散臭(うさんくせ)ぇ。


【茂木】

 ヒドい! ・・・まぁでも、師匠の噂は聞き耳立てなくても聞こえてきますよ。

 この間は良家(りょうけ)の娘さんを横抱きしようとして…断念(だんねん)したとか!


【亀八郎】

 おい何だその不名誉(ふめいよ)(きわ)まりねぇウソは。

 誰に吹き込まれてやがんだ。


【茂木】

 この間は、えっと。

 ああ、サシ(どり)の渡りが見れるっていうんで行ったんですけど、生憎(あいにく)の雨で。

 雨宿りした先で(ひとみ)(やじり)殿がカバンの整理をしていたんです。その時に聞きました。


【亀八郎】

 よりにもよってあの大嘘吐き野郎にか・・・。


【茂木】

 ・・・っああ! そう言えば語り以外は嘘つきでしたね、(ひとみ)(やじり)殿。いやあ、すっかり忘れてましたよ。


【亀八郎】

 お前それ、他所(よそ)に言い触らしてねぇだろうなぃ。


【茂木】

 ちょうど明日の朝、この辺でその語りでもしようと思ってました!


【亀八郎】

 決めた、ぶん殴る。


【茂木】

 うわっ、ちょちょちょっ・・・! あっぶない! 危ないですって、師匠!


【亀八郎】

 ・・・はぁ。・・・ったく、この先に()いしか待ってない師匠に何て仕打(しう)ちだい。


【茂木】

 そんな事言わずに! オレに実力負けする日を楽しみにしてて下さいよ。


【亀八郎】

 そういう所を直せって前々から言ってんだろ!


【茂木】

 いででででっ! すみ、すみません! ごめんなさい、痛い痛い痛ぃいぃぃぃ!


【亀八郎】

 お前は昔から、その(しわ)の少ない脳に何を詰め込んでんのか知らねぇが、覚えの悪いやつだったなぃ。こっちはお前があっちそっちで馬鹿言ってねえかと――


【茂木】

 っ! 心配してくれてたんですか!?


【亀八郎】

 ヒトの話は最後まで聞け!

 はぁ・・・、お前なんぞを弟子にして胃が痛いったらねぇよ。

 ・・・まぁでも、お前はこの亀八郎(きはちろう)の一番弟子なんだから、もっと大袈裟(おおげさ)に生きてもいいんだぃ。

 過去は過去。今は今。未来(あす)未来(あす)

 堅苦しく生きちゃあ勿体(もったい)ねぇ。


【茂木】

 ・・・・・・・・・。


【亀八郎】

 何でい。


【茂木】

 師匠は、・・・その。簡単にオレの悩みを見抜きますよね。

 はっ! それも語り部として必要な事だったりするんですか!? あ、それともソレが年の(こう)ってやつですか!? あとはにかみが格好良いです!


【亀八郎】

 前言撤回(ぜんげんてっかい)

 お前はもう少し(つつ)ましく生きろい。


【茂木】

 え、何でっ!? オレ、何か変な事言いました!? ちょちょちょっ、師匠! 待ってくださいよ!


【亀八郎】

 もう修行も終えて、独り立ちしてる奴を待つ義理は無い。他所(よそ)で語りするからそこを退()け。


【茂木】

 ああぁぁぁ、待ってください師匠〜〜!












STORY END.

一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。

それぞれ初登場台本を掲載しておきます。


語り部亀八郎〜生い立ち編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/9/


語り部茂木〜鉢合わせ編〜

https://ncode.syosetu.com/n0087fo/30/

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