★【はにかみ老いた芍薬花】
声劇タイトルは
【はにかみおいたしゃくやくばな】と読みます。
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♂2:♀0:不問0
亀八郎 ♂ セリフ数:16
〈中堅の語り部。彼の名を聞けば、誰もが手を止めて振り向く。基本的に他人に興味がない〉
茂木 ♂ セリフ数:16
〈新参の語り部。亀八郎の弟子。文武両道だが、語りの才だけが無い〉
[あらすじ]《3分半程度》
世界各地を語り歩く語り部は巨万と居るが、その中でも名が売れているのはほんのひと握り。これはそんな語り部達が不慮の偶然で鉢合わせしてしまった時の物語である―――。
【亀八郎】
う゛わっ。
【茂木】
あ、師匠! 偶然ですね、こんな所で!
【亀八郎】
何が偶然だ。語り部同士の暗黙教えたろい。
【茂木】
それはそうですけど。師匠だったらいいかなって!
【亀八郎】
ぶん殴るぞ。
【茂木】
師匠は本当に語り以外では口が悪いし、愛想も無いですよね。・・・あ、心配しなくとも、他の語り部様がオレの近くに居る時は、オレが離れるようにしてますよ!
【亀八郎】
それが当たり前なんでぇ。
全く、最近名を聞くようになったと思えばコレだ。
ちゃんと語れてるんだろうなぃ。
【茂木】
そりゃあ勿論ですよ!
師匠に叩き込まれた語り術は、しっかりこの頭に刻み込まれてますよ!
【亀八郎】
何と胡散臭ぇ。
【茂木】
ヒドい! ・・・まぁでも、師匠の噂は聞き耳立てなくても聞こえてきますよ。
この間は良家の娘さんを横抱きしようとして…断念したとか!
【亀八郎】
おい何だその不名誉極まりねぇウソは。
誰に吹き込まれてやがんだ。
【茂木】
この間は、えっと。
ああ、サシ鳥の渡りが見れるっていうんで行ったんですけど、生憎の雨で。
雨宿りした先で瞳鏃殿がカバンの整理をしていたんです。その時に聞きました。
【亀八郎】
よりにもよってあの大嘘吐き野郎にか・・・。
【茂木】
・・・っああ! そう言えば語り以外は嘘つきでしたね、瞳鏃殿。いやあ、すっかり忘れてましたよ。
【亀八郎】
お前それ、他所に言い触らしてねぇだろうなぃ。
【茂木】
ちょうど明日の朝、この辺でその語りでもしようと思ってました!
【亀八郎】
決めた、ぶん殴る。
【茂木】
うわっ、ちょちょちょっ・・・! あっぶない! 危ないですって、師匠!
【亀八郎】
・・・はぁ。・・・ったく、この先に老いしか待ってない師匠に何て仕打ちだい。
【茂木】
そんな事言わずに! オレに実力負けする日を楽しみにしてて下さいよ。
【亀八郎】
そういう所を直せって前々から言ってんだろ!
【茂木】
いででででっ! すみ、すみません! ごめんなさい、痛い痛い痛ぃいぃぃぃ!
【亀八郎】
お前は昔から、その皺の少ない脳に何を詰め込んでんのか知らねぇが、覚えの悪いやつだったなぃ。こっちはお前があっちそっちで馬鹿言ってねえかと――
【茂木】
っ! 心配してくれてたんですか!?
【亀八郎】
ヒトの話は最後まで聞け!
はぁ・・・、お前なんぞを弟子にして胃が痛いったらねぇよ。
・・・まぁでも、お前はこの亀八郎の一番弟子なんだから、もっと大袈裟に生きてもいいんだぃ。
過去は過去。今は今。未来は未来。
堅苦しく生きちゃあ勿体ねぇ。
【茂木】
・・・・・・・・・。
【亀八郎】
何でい。
【茂木】
師匠は、・・・その。簡単にオレの悩みを見抜きますよね。
はっ! それも語り部として必要な事だったりするんですか!? あ、それともソレが年の功ってやつですか!? あとはにかみが格好良いです!
【亀八郎】
前言撤回。
お前はもう少し慎ましく生きろい。
【茂木】
え、何でっ!? オレ、何か変な事言いました!? ちょちょちょっ、師匠! 待ってくださいよ!
【亀八郎】
もう修行も終えて、独り立ちしてる奴を待つ義理は無い。他所で語りするからそこを退け。
【茂木】
ああぁぁぁ、待ってください師匠〜〜!
STORY END.
一人用声劇台本ページの語り部シリーズより。
それぞれ初登場台本を掲載しておきます。
語り部亀八郎〜生い立ち編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/9/
語り部茂木〜鉢合わせ編〜
https://ncode.syosetu.com/n0087fo/30/




