【金木犀の香る道】
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♂1:♀1:不問0
盲目の青年 ♂ セリフ数:10
物静かな美女 ♀ セリフ数:9
[あらすじ]《2分半程度》
目が見えない青年は美女に手を引かれながら家を目指して歩いていた。ふと顔を上げた青年に美女はどうかしたのかと聞けば―――?
【盲目の青年】
金木犀の香りがする。
【物静かな美女】
金木犀? この甘い香り? へぇ、金木犀って言うのね。
【盲目の青年】
前に住んでた家の庭に生えてたんだ。金木犀。・・・ちょっと懐かしい香りだ。
【物静かな美女】
貴方には見える情報以外だったら勝てる気がしないわ。
【盲目の青年】
聞いてくれたら答えるよ。何でも聞いて!
【物静かな美女】
ふふ、燥ぐのはいいけど転ばないでね。・・・じゃあ、そうね。
金木犀の花言葉って知ってる?
【盲目の青年】
そりゃモチロン! ・・・えっと、何だったかな。
【物静かな美女】
あら、流石の博識さんもご存知ないかしら?
【盲目の青年】
あっ、からかってるな。声色で分かるよっ?
【物静かな美女】
ふふふ、ごめんなさいね。
ちょっとイジワルしちゃった。・・・今調べてみるから少し待って。
えーっと、きん、もく…せい、はなこと、ば…っと。
【盲目の青年】
おかしいなぁ。昔調べたはずなんだけど…ド忘れしちゃったよ。
【物静かな美女】
またそんな事言って。知らないんだったら知らないでいいのよ。
【盲目の青年】
失礼なっ。本当に調べたんだってば。
【物静かな美女】
はいはい。・・・あ。金木犀の花言葉は…あら、花言葉ってひとつきりじゃないのね。
「謙遜」、「気高い人」、「真実」……何だか少し難しいわね、ふふ。
【盲目の青年】
あれ、そこに『貴方の気を引く』って無い? 昔調べた時そんな言葉があったような気がしたんだけど。
【物静かな美女】
貴方の気を引く、か。……うーん、無さそうよ? あっ、もしかして貴方が言ってるの銀木犀じゃないかしら。同じページにあるわ。金木犀って銀木犀の変種みたいよ。
【盲目の青年】
そっかぁ、もしかしたら昔調べたのは銀木犀だったのかもなぁ。……あ、でも調べたのは本当だったろ?
【物静かな美女】
えぇ、そうね。疑って悪うございました、ふふ。・・・さあ、早く帰りましょう。帰ったら温かいココアでも飲みましょうね。
【盲目の青年】
うん、・・・そうだね。
STORY END.




