【悠久待つ日】
声劇タイトルは
【ゆうきゅうまつひ】と読みます。
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♂0:♀0:不問2
ヒトを待つ妖怪 不問 セリフ数:12
お人好しの陰陽師 不問 セリフ数:13
[あらすじ]《2分半程度》
陰陽師は奇妙な依頼を受けた。どうやら何千年も森の入口で揺らいでいる妖怪に伝えたい事があるらしい。陰陽師は面倒な案件だとため息を吐いたがどうにか重い腰を上げ、現場に向かったのだった―――。
【お人好しの陰陽師】
お前が森の入口で揺蕩うアヤカシか?
【ヒトを待つ妖怪】
・・・多分、そう。
【お人好しの陰陽師】
多分? ココで何をしている? 何か悪さでもしてるのか?
【ヒトを待つ妖怪】
・・・さあ? 知らない。
【お人好しの陰陽師】
ハッキリしない奴だな。
もう一度問うぞ。ココで何をしている。
【ヒトを待つ妖怪】
・・・ヒトを待ってる。
【お人好しの陰陽師】
ヒト? 何千年もか?
【ヒトを待つ妖怪】
ああ、もうそんなに経つの。
・・・言ってくれればいいのにな。
【お人好しの陰陽師】
・・・・・・。
どうして、ここで待っているんだ。
【ヒトを待つ妖怪】
あの子はいつもココで傘を差してボクを待ってた。だから今度はボクがココであの子を待つんだ。
【お人好しの陰陽師】
・・・もう、待つ意味も無いのにか。
【ヒトを待つ妖怪】
有るよ。ボクがココにいる。
あの子は必ず来る。それだけ。
【お人好しの陰陽師】
・・・お前に伝えたい事がある、と依頼があった。ただ悪さをした訳でも無ければ、お前がココに居て困るという訳でも無いらしい。
依頼者は言っていたぞ。
『もう、待ってなくていい』
【ヒトを待つ妖怪】
・・・・・・・・・“ウマレカワリ”ってやつ?
【お人好しの陰陽師】
さぁな。非現実的なモノは慣れる程によく見る私から言わせれば信じる為の不利も有利も無い。
ただ私は依頼を遂行するだけだ。
【ヒトを待つ妖怪】
・・・ヒトって身勝手だなぁ。待っててって言ったのは・・・そっちじゃないの。
【お人好しの陰陽師】
・・・。私は確かに伝えた。
ココから居なくなるのも、待つのも好きにすればいい。
【ヒトを待つ妖怪】
あー・・・、ねぇ、待って。
【お人好しの陰陽師】
何だ?
【ヒトを待つ妖怪】
ボクもキミに“イライ”をしてもいい?
【お人好しの陰陽師】
・・・・・・。
・・・・・・仕方ないな。何だ。
【ヒトを待つ妖怪】
『キミを待ってた間は幸せだったよ』
【お人好しの陰陽師】
・・・確かに、承った。
【ヒトを待つ妖怪】
(泣きそうになって)
・・・じゃあね。
【お人好しの陰陽師】
(妖怪が去って暫く経ってから)
・・・。相容れない関係なんぞ、この世には無いけれど・・、理には従わなければいけないのかもしれないな。
STORY END.




