【自問自答】
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♂2:♀0:不問0
名もなき少年 ♂ セリフ数:11
怪しい男性 ♂ セリフ数:12
[あらすじ]《3分程度》
少年は走っていた。暗くジメジメとした路地をひたすらに。そんな時、一人の男が少年を“見つけた”。男は少年にある事を訊ねる事にした―――。
【怪しい男性】
(場の空気を読まず明るく言って)
やぁ、先急ぐ少年。一つ訊ねてもいいかい?
【名もなき少年】
…………何、
【怪しい男性】
君の名前は、あったかな?
出来ればソレを教えて欲しい。
【名もなき少年】
……。無いよ。無くなった。
そこ、退いてよ。
【怪しい男性】
ああ、うん。……ああ、それは俺が欲しい答えじゃないんだけど。
まぁいいや。退いてと言うけど行く宛はあるのかい?
【名もなき少年】
無いよ。それも、……無くなったよ。
【怪しい男性】
この後君はどうするんだったか……ああ、ごめんね。独り言だよ。
【名もなき少年】
おじさん、誰?
【怪しい男性】
おじ……!? おじさん!? 俺ってばそんな老けて見えちゃうかな!?
一応これでもまだ20代なんだけど…。
【名もなき少年】
質問に答えて欲しいんだけど…。
【怪しい男性】
ああ、ごめんね。俺はね、君の未来を知っている人って所かな。
うん、巫山戯てないしトチ狂ってもいないからその蔑んだ目を止してよ。
【名もなき少年】
アンタは何でこんな所にいるの。
【怪しい男性】
さっきから質問ばかりだね。ああ、いや。それが悪いってわけじゃない。俺に興味を持ってくれてるって解釈するし、問題無いよ。
ああ、何でここにいるかって質問だったね。俺にもちょっと良く分かんなくてさ。俺に名前をくれた人を助けようとしたら目の前が真っ白になってね。気が付いたらここにって感じかな。
うんうん、俄には信じ難いよね、分かる〜。
【名もなき少年】
じゃあ帰れるんじゃない。
【怪しい男性】
……おお?
【名もなき少年】
名前をくれた人がいるって事は…帰る場所があるって事でしょ。
【怪しい男性】
……っ! ……ははっ、ふははっ……! いやいや、馬鹿にしてる訳じゃないよ!? ただね、『そうだったなぁ』って思い出しただけ。
ねぇ、君。改めて一つ訊ねたいんだけど、いい? 答えてくれたらここを退くから。
【名もなき少年】
……好きにすれば?
【怪しい男性】
じゃあお言葉に甘えて。
君に、昔…名を与えてくれた人って居た?
【名もなき少年】
…………昔ね、一人。それが何?
【怪しい男性】
……そっ、かぁ……。ああ、いや。『思い出せないや』って思っただけ。通っていいよ。
【名もなき少年】
待って。俺からも最後に一つ。
アンタって……俺?
【怪しい男性】
…………。さぁね。
その答えは未来に取っておく事にする。
だから、どうか生きてくれよ。少年!
STORY END.




