【ユメ叶えます。】
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♂1:♀1:不問0
胡散臭い青年 ♂ セリフ数:7
老齢の女性 ♀ セリフ数:6
[あらすじ]《3分程度》
紫のワンピースを着た老齢の女性はとある青年の前へ足を踏み出した。彼女の目的はただ一つ。長年の夢だったアレを着る事である―――。
【胡散臭い青年】
やあ、いらっしゃい。
随分張り切ってるんだな。
化粧がしたいだなんて驚いたけれど。
【老齢の女性】
えぇ。だってやっと夢が叶うんですもの。私は平凡な人生歩んできましたけれど最後の最後にこんな素敵な事が出来るなんて思わなかったわ。
【胡散臭い青年】
そこまで喜んで貰えるなら嬉しい限りだよ。さて、それじゃあ始めようか。
目を閉じて。腕は体の横へ。
ああ、そんな強ばらなくて大丈夫。そう、リラックスして……。
3……、2……、1……、
…………………………。
目を開けていいぞ。着心地はどうだい?
【老齢の女性】
……まぁ、驚いた……。
アナタは本当に魔法使いなのね。
【胡散臭い青年】
うーん、男に魔法使いってのはちょっと複雑な気分になるけれど、まぁ。タネも仕掛けもない魔術って感じだな。
気分はどう?
【老齢の女性】
最高よ。とても良いわ。
ありがとう、こんなに素敵な事って無いわ。
【胡散臭い青年】
今まで色んな人間の夢を叶えてきたけれど…君の夢は斬新かつ新鮮で面白いね。
現代の学校制服を着たいだなんて。
確かに昔に比べればずっとデザインが凝ってて綺麗だけれど。
【老齢の女性】
……。私が学生の時はまだ戦争中だったからあまり贅沢出来なくてね。制服も死んだ姉のお古だった…。
ボロボロで所々お母ちゃんが慣れない手で縫ってくれたりしたの。
でもやっぱり可愛いものを着てみたくてね。戦争が終わった後はもっと貧しくなって……気が付けば制服だなんて着れない歳になって…。
(少し涙ぐんで)
だから……っ、とても嬉しいっ……!
【胡散臭い青年】
そう。それは何よりだよ。
さて、そろそろ時間だ。ごめんよ、あまり時間が無くて。
【老齢の女性】
いいえ。化粧をしたいと言ったのも私。制服を着たいと言ったのも私。それを全て叶えてくれた。
もう、何も思い残す事なんて無いわ。
【胡散臭い青年】
そう。じゃあ……。
君が、次の記憶の先でも平凡であるように祈っているよ。
【老齢の女性】
えぇ、ありがとう。魔法使いさん
【胡散臭い青年】
(間を空けて)
さて、次の魂の夢を……叶えようか。
STORY END.




