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第9話 アスラ・インパクト!

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


今回も短いです。

というかストックが無いし、しばらくはちょっとだけ忙しいので、更新出来てもこれくらいの長さが続くと思います。

申し訳ございません。

第9話 アスラ・インパクト!




「うん……あぁ寝てたんだっけ」


 意識が少しずつ覚醒していき、目を覚ます。

 閉じていた瞼を開くと明るい日の光が俺を照らしていた。


「グルゥ」


 傍から鳴き声が聞こえてくる。

 そこで自分がアスラの体に寄り掛かっていたのを思い出した。


「アスラ、おはよう」

「グルゥー」


 アスラは俺の挨拶に優しく答えてくれる。


「よいしょ」


 身体を起こして立ち上がり、身体を伸ばす。


「うーくあー」


 気持ちの良いスッキリとした目覚めだ。

 スリープ機能も中々悪くないな。

 そういえば時間はちゃんと6時なのか?

 俺は時間を確認する。

 時間は……うん、ちゃんと6時だ。


「よしよし」


 えーっと、すぐに山に向かおうかな?

 ……いや、1つやっておきたいことがあった。

 アイテムボックスの拡張だ。

 昨日は技術かMPが不足して失敗してしまったが、時間が経った今ならMPが回復している筈。

 MPは……よし、全回復している。

 なら一度試してみよう。


「アスラ、ちょっと待っててくれ」

「グルゥ」


 アスラにそう言ってからアイテムボックスを拡張する為に集中する。

 そしてイメージ。

 空間が広がるイメージを。

 感覚を研ぎ澄ませ、MPを全力で注ぎ込む。

 ――いくぞ!


「アイテムボックス!」


 昨日と同じように目の前に黒い穴が現れる。

 リストを表示――容量14。

 ……失敗だ。


「駄目か」


 MPを確認する。

 MPは1しか減っていない。

 うーん。

 やっぱり技術不足かなぁ。

 いや、拡張にはもっとMPが必要な可能性もあるし……分からない。


「はぁ」


 続きはまた今度だな。

 山に行くか。


「アスラお待たせ」

「グルゥ」

「シート仕舞っちゃうから退いてくれるか」


 俺の言葉を聞いてアスラは立ち上がってシートの上から退いてくれる。


「ありがとう」


 シートの上のマジックランタンをアイテムボックスに仕舞ってからシートを折り畳んでこれもアイテムボックスに仕舞う。

 すると、俺が片付けるのを待っていたのか、アスラが近付いて来て何時ものように頭を擦り寄せてくる。


「ははは」


 俺はそれに応えるようにアスラの頭を撫でてやる。


「グルゥ」


 アスラは嬉しそうで気持ち良さそうに鳴いた。

 ドラゴンなのに、まるで大きな犬が甘えているように思えてしまったのはアスラには秘密だ。


 しばらく、アスラと朝の触れ合いをして満足した俺とアスラは当初の目的を思い出す。


「山に行くんだったな……」


 時間は7時過ぎ。

 1時間は触れ合っていたのか。


「グルゥ……」


 アスラが申し訳なさそうな顔で申し訳なさそうに鳴いた。


「気にするな。 俺も嬉しくて楽しかったんだからさ」

「グルゥ」

「よし、じゃあ山に行くか」

「グルゥ!」


 俺たちは目的通りに山に向かうことにする。

 脇から道に戻って山に向かって進み始めた。



 2時間程歩き続けていると、とうとう山の麓に辿り着いた。


「やっと着いた」

「グルゥ」


 見た感じこの山は木々が生い茂る自然豊かな山ではなく、山肌が露出した岩山といった感じだ。

 見上げる程高い山。

 ここならドラゴンが居ると言われても納得だな。

 居るとしたらやっぱり山の頂上付近だろう。

 早速、この山を登りたいところだが……。


「うーん」


 実はここまで続いていた道は山の手前で途切れてしまっている。

 一応、グネグネっとした道のようなものが山の上の方まで続いているように見えるが大丈夫かな?

 まぁ迷っていても仕方がないし、とりあえず登ってみるか。


「登るか」

「グルゥ」


 俺とアスラは山に足を踏み入れた。


 山に入って数分で進行方向にモンスターを発見する。

 やっぱり山にはモンスターが出現するんだな。

 ここまでの道のようにはいかないか。

 マーカーは赤。

 つまりアクティブモンスター。

 避けては通れない。

 やるか。


「アスラ、あいつを倒すぞ」

「グルゥ」


 幸いなことにモンスターには気付かれていない。

 このまま近付いて不意打ち出来るかも。

 少しずつアスラと近付いていくとモンスターの正体が分かる。

 岩のような鱗で体を覆われている体長2mくらいのトカゲ――ロックリザードだ。

 冒険者ギルドに教えてもらった情報の中にロックリザードの情報もあった。

 体が硬く、土属性に耐性を持つモンスターで、主な攻撃方法は硬い体を使った打撃攻撃だそうだ。

 体が硬いだけならまだしも土属性に耐性があるのが厄介だな。

 アスラだと近接戦闘で戦うしかないか。

 一応完全に耐性がある訳ではないと思うから多少はアースブレスや土魔法でダメージが入る筈。


「……」


 無言でアスラとロックリザードに近付いていると、そこでロックリザードのHPバーなどが表示される。

 名前はロックリザード。

 ネームドではない。

 おそらくユニークでもないだろう。

 レベルは92。

 アスラが60だから……キツイ。

 俺は多分いけると思うんだけど、どうだろ。


「アスラ、あいつ倒せるか?」


 小声でアスラに聞いてみるとアスラは力強く頷いた。

 よし。


「じゃあ、あいつに不意打ちを決めてやれ」


 アスラは体が大きいのに器用にあまり音を立てずにロックリザードに近付いていく。

 多少の音は出るのだが、ロックリザードは鈍いのか気が付かない。

 そして――


「グルゥ!」


 アスラはロックリザードに右前足を叩き込む!


 ドゴッ!


「キュエエ!」


 ロックリザードはアスラに吹き飛ばされて岩に叩きつけられる。

 流石はアスラだ。

 あの岩の体を持つロックリザードを吹き飛ばすとは。


「っと見てるだけじゃ駄目だよな」


 俺はすぐにアスラの横に走って移動する。

 すると、岩に叩きつけられたロックリザードは既に立ち上がりアスラを睨んでいる。

 ロックリザードのHPは……まだ8割ある。

 今ので2割か。

 ここからどうするか。

 ……今の俺に出来ることは限られている。

 時空間魔法でロックリザードの攻撃の威力を抑えること。

 それと隙をみて奥の手の龍化を使って攻撃することだ。

 結局はアスラに頼るしかないか。

 そう考えているとロックリザードが動き出す。

 意外に素早い速度でアスラに向かってロックリザードが突進してくる。

 それに反応してアスラもロックリザードに突進していく。


「スペースウォール!」


 すぐさま俺はロックリザード前の空間に壁を作る。

 目の前ではなく離れた所に壁を作ったのは初めてだが、何とか成功させる。

 しかし――


 パリィン!


 ロックリザードは俺が作った壁を破壊して突進を続ける。

 くそッ!

 やっぱり今の俺の力じゃロックリザードの攻撃は防げないか。

 そうこうしている間にアスラとロックリザードはお互いの頭でぶつかり合った!


 ドゴォ!


 鈍い音が響き渡る。


「アスラ!」


 あまりにも痛そうな音に俺は心配になってアスラに近付こうとする。


「グルゥ!」


 だが、アスラは俺に来るなと言うように鳴いた。

 思わず立ち止まる。

 そこで気が付く。

 アスラとぶつかり合ったロックリザードが頭から血を流して倒れていた。

 ロックリザードのHPはあと6割。

 もしかして気絶しているのか?


「グルゥ!」


 そしてアスラは両前足を持ち上げ後ろ足で立ち上がり、体重をかけて両前足をロックリザードの頭に叩き込んだ!


 ドカンッ!!


 アスラの容赦ない攻撃がロックリザードの頭を襲い、轟音と共に地面が陥没する。


「凄い……」


 俺がアスラの攻撃に驚いていると、ロックリザードは光になって消えた。

 あとには岩のようなアイテムがドロップしている。

 アスラはそれを咥えて俺の所まで持ってきてくれる。


「ありがとう」


 俺はそれを受け取りマジックバッグに仕舞う。

 アイテムの名前は【ロックリザードの鱗】。

 見た目はただの岩にしか見えなかったのに鱗なのか。

 ……そんなことよりも――


「アスラ凄かったなぁ!」


 俺はアスラの体と頭を撫でて褒めてあげる。


「グルゥ」


 アスラは嬉しそうに鳴くと、何時ものように俺に頭をスリスリする。


「いやぁ最後の攻撃でロックリザードのHPを殆ど削ってたんもなぁ。 今まであんな攻撃してこなかったのに、よく思い付いたな?」


 何たってグリーンウルフじゃアスラのアースブレスか土魔法で倒せてしまうからな。


「これならロックリザードも倒していけそうだな。 いやでも、ロックリザードに隙がないと無理か」

「グルゥ!」


 アスラは大丈夫だというように力強く鳴く。

 まぁアスラがそう言うなら大丈夫だろう。

 そこで、ふと思い付く。


「アスラのあの攻撃に名前を付けるなら【アスラ・インパクト】だな。 どうだ?」

「グルゥ!」


 アスラはその名前が気に入ったのか何度も頭を縦に振った。

 そして何もない所でさっきの攻撃の真似をする。

 もちろん本気でやっている訳ではないので、衝撃は無い。

 少し後ろ足で立ち上がってトンっと地面に前足をつくくらいだ。


「ははは、そんなに気に入ったのか」

「グルゥ!」

「じゃあ次のモンスターにも隙が出来たら決めてやろう!」

「グルゥー」


 俺とアスラはそんなことを話しながら再び山を登り始めた。

お年玉が欲しい。

という訳で感想、評価、ブクマ、レビューが最新話のページ下から出来るので宜しかったらお願いします。

励みになりますし、モチベーション上がります!

もちろんお嫌な方はしなくていいので。

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