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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

怪談シリーズ

屍山

作者: 短編challenger

それは、春の桜が満開の季節だった。

新しい生活に心躍らせる学生で溢れる町。

新年で心を一新し、仕事に励もうと決意する社会人達。

そんな、楽しげな雰囲気が漂うこの季節でも心が沈んでしまっている人はいる。

その中の一人が俺だ。原因ははっきりしている。ちなみに、俺は今年で中学三年生だ。

またこの時、もう俺はもとの自分には戻れないだろうと自分で何となく分かった。

そしてあの最悪の現場を目撃してしまったことを今でも覚えている。


一ヶ月前、急に父親がちょっと海外に旅行に行ってくるわ〜とか言って家を出た。

もともと、適当かつ滅茶苦茶な人ではあったのでいつものことかと何の気にも留めなかった。

俺の母親もいってらっしゃいと送っていた。

俺の家でのいつも通りの光景だった。

そして、俺の最悪かつ気が狂いそうになる一ヶ月、正確には最悪になったのは、二週間前ではあるが、、、それは始まった。


二週間前、俺はいつも通り母親に行ってきますと言い、家を出て学校へ行った。

学校では、新しいクラス編成になり、まだ少し新鮮なクラスの面子と俺もだんだんと仲良くなってきていたため、くだらないことを言い合いながら過ごした。

少しいつもと違ったのは、体調が少し悪くなり、早退した事ぐらいだった。


家に帰ると、何故か俺の家に知らない車がとまっていた。俺は何故か嫌な予感がしたので静かに家の裏に周り、何時も俺が開けている俺の部屋の窓から家に入ることにした。

そして、俺は親の不倫現場を覗きみる事になってしまった。知らない男と性交渉をしている母親を目撃してしまった俺は始めは息もできないぐらいショックを受けていた。しかし、すぐさまここで俺の存在が気づかれては大変な事になると、静かに物音を立てずに部屋から抜け出した。そして、近所に幽霊がでてもおかしく無いと言われている本当に人が一切通らない相当昔に造られたらしいトンネルへ行き、一人微かに嗚咽を漏らしながらすすり泣いた。俺は、辛かった。父親とは違いしっかりしている母親は絶対にこんな事をするような人じゃ無いと思っていたからだ。また、母と父はなんだかんだ言って俺はずっと仲がいいものであると信じていたからだ。


そんな衝撃的な事があった次の日俺は学校を無断で欠席して、ゲーセンへ行った。少しでも昨日の事を頭から消したかったからだ。

その途中、路地の人の目が届かないであろう場所を何気なくみた俺は絶対に今ここにいてはいけないはずの人物を目撃した。

そう、父だ。俺はそれを見た瞬間本当に頭が真っ白になった。俺の父は、女子高生をレイプしていた。嫌がる女子高生を押さえつけ犯していた。俺は物音なんて気にせず、周りの目など気にせず全力でその場から走り逃げ出した。

何だ、今のは何なんだ、、あれは俺の父親がしていたのか、、本当に、嘘じゃ無いのか、誰か嘘って言ってくれ、そんな考えかま頭の中に次々と浮かんできた。そして混乱した。そして俺は、驚きの行動にでた。そうだ、さっき俺が見たのは父親に似た誰かだ。そうに違い無い、そう何故か思い込み。俺はさっきのレイプ現場が見える場所に戻り父親に電話した。そして、そのレイプ中の男は俺が電話した瞬間、携帯を取り出し、''電源を切る動作''をした。そして、俺の携帯からは、現在電話に出る事ができませんという虚しい音声が聞こえた。


それから冒頭までの俺は家でいる事が嫌だったし、もう家にいる事は苦痛以外の何でも無かった。父と母の顔を見るたび(ちなみに父は俺が目撃してしまった三日後に海外から帰ってきた事になっている)吐き気と嫌悪感が出てきて家で心休まるところなど無かった。


そして俺は家出をする事にした。


計画など無い、しかしあの家にいることが気持ち悪すぎていてもたってもいられなかった。


俺は馬鹿だ。例え気持ちが悪くても後一年我慢すれば、バイトでも何でもする事ができ、今ほど家出をしたとしても大変では無い。なのに、気持ち悪い、それだけの理由で家にいる事ができなかった。


俺は、近くの山に籠ろうかと思ったが、それではすぐにバレる為、意味が無いと思い、小遣いを使い電車にのり、かなり遠い、出来るだけ人のいない山にサバイバルナイフと微かな香辛料と乾パンを持ち、山に篭った。もちろん携帯などの電子機器は身元が見つかると思い、家に置いてきた。また、電車に乗る時は、マスクをつけて乗った。


一日目は、ひたすら山の奥に進んだ。この山には猪などの動物がたくさん住んでいるとパンフレットなどで危険区域として載っていたので、注意して進んだ。寝る場所は木の根にした。


二日目、俺はここである失態があることに気がつく。そう、水をもってきていなかったのだ。つまり、水それも飲めそうな奴を見つけないと水分を補給できないのだ。俺はさらに奥に進み、喉がカラカラになり、声を出すのも辛いぐらいになったところで遂に水場を発見した。急いで水を啜った。

三日目、乾パンがそこ尽きた。

四日目、運良く木の実を見つけたので、それを食べた。

五日目、人に襲われる幻覚を見た。また、下痢になった。そして、食欲が段々落ちてきた。

六日目、何と水を啜っていた水場はかなり細いながらも川でしかも魚がいる事が分かった。頑張って一日かけて魚を獲り食った。

七日目、何故か視界が霞んでいる。

八日目、足を滑らせ、転び足の骨に恐らくヒビが入った。

九日目、昨日から何にも食にありつけていない。やむ終えず、ミミズを生で食した。その他に、キノコも食べた。視界が相変わらず霞んでいる。何故だろう、、

十日目、俺は発狂していた。何と父親と母親が何故か俺の近くにいるんだから、、、



行方不明❗️

○□中学三年生 須藤瑛太

四月十五日から行方が分からなくなっています。何か心当たりのある方はご連絡ください。特徴は下記の通りで、、、


可哀想に、もう十二月だ。この子は助かっていないだろうな、、、、


二十年後、ある山から人間の恐らく少年と思われるものの白骨死体が何と相次いで発見され、、、、、また、男女の四十代ぐらいの夫婦と思われる遺体も、、、、、、


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― 新着の感想 ―
[良い点] 鬼気迫るものを感じるスリリングなお話でした。 荒削り感はありますが、青く真っ直ぐな主人公に魅力を感じます! 特に母の浮気のところは冷たい刃物を突き付けられたような鋭さを覚えました。 [気…
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