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Cat's World  作者: りょう
第1部
7/49

第6匹 静かな夜と騒がしい朝

第6匹 静かな夜と騒がしい朝


1

結局その日、チルは夕飯を済ますとすぐに部屋にこもってしまい、例の紙についての話を聞く事ができなかった。

(ったく、何なんだよあいつは…)

それが原因なのか、今晩はやけに静かだった。外の草が揺れる音しか聞こえてこない。

(この世界に来て数日が経つけど、相変わらずここでの生活は慣れねえよな…)

生活の仕方は人間と変わらないとはいえ、体は小さいし眠りづらいし、いい事が一つもあった覚えがない。

(こんなんなら死ななきゃよかった…)

未だに死んだ理由が分からないが、やっぱり実感が湧いてこない。だって、今俺はこの世界で生きているのだから。

(寝るか…)

今日も特にこれと言った事件も起きず(起きなくていいんだが)一日が終わろうとしている。こんな生活大丈夫なのだろうか。

(って考えても無駄だよな)

こうして今日も何もない一日が終わった…。

2

翌朝。

空から猫が降ってきました。

……。

「は?」

うん、まず状況を整理しよう。

普通に朝起きて、今日も一日が始まろうとしていた。その時、突然天井を突き破って何かが落ちてきたのだ。で、それが…。

「猫?てか何で羽が生えてるんだ?」

何故か背中に羽が生えた猫だったという訳だが、

「うぅ、痛った。あれ? ここは?」

謎の翼を生やした猫は起き上がるなり、辺りを眺め俺をみつける。

「あなた誰?」

「いやいや、お前こそ何者だよ。いきなり空から降ってくるし、翼は生えてるし、天井壊すし、猫だし」

「いや、あなたも猫でしょ?」

それはそうだが。

「てか、天井どうしてくれるんだよ。ここ俺の家じゃねえから。」

「え? あなたの家じゃないの?」

「そうだよ! こんな時にチルが来たら…」

ガチャ

「なんかすごい音したけど大丈…」

ああ、最悪だ。

3

説教タイム

「あんたどうしてくれるのよ? この家作るのに苦労したのよ」

「すいません。私飛んでいる途中で急に眩暈がして」

「眩暈がしたからって家に落ちないでよ。てか、飛んでいる途中?」

「はい。私羽がついていて飛べるんですよ」

「飛べるって…というか、それ羽なの?」

今更気がついたのかこいつ。

「す、すごい!何それ初めて見た!」

説教タイム終了

「どういう原理なの、これ?」

「それが私にも分からないんですよね。この世界に生まれた時から羽が生えていたので…」

「へぇ」

羽トークで盛り上がる二人。それは構わないんだけどさ…。

「あのさ、天井どうするんだ?」

「あ」

天井に穴が空いてるのを忘れないでもらいたい。

第7匹 二匹の居候猫 へ続く

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