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Cat's World  作者: りょう
第1部
5/49

第4匹 王と王女

第4匹 王と王女


1

「王様王様、大変ですぅ」

ここはにゃんた王国の王室。国王であるリックの目の前に、ドタバタ走りながらやって来るメイドのココア。

「うるさいぞココア。少しは静かにできんか」

「落ち着いている場合じゃないんですよ。大変なんですって」

「話は聞くから、とりあえず落ち着け」

「は、はいぃ」

とは言っておきながら落ち着けずにいる彼女に、リックはため息をつく。それに対して、王女であるリーシャは落ち着いた口調で彼女に尋ねた。

「そんなに慌てるって事は、余程大きな事が起こったのですか?ココア」

「は、はい。実は…」

ココアは少し落ち着いたあと、何があったのか全て話した。

「何!またあの光が現れただと」

「はい」

「その光はどこへ行った?」

「王都から少し離れた所に草原がありますよね。そちらの方面に…」

「王都から少し離れた草原…」

近頃この世界では、時々空中を浮遊する謎の光の物体が発見されている。何度か使いを出し探させているのだが、一度もそれを捕らえた事がなく、未だにその物体の正体は解明されていない。

「あなた、そちらの方面は…」

「ああ、分かっている。もしかしたら何か関係あるのかもしれんな…」

光の物体が向かった方面、そこには…。

2

「じゃあ私は買い物を済ませてくるから、適当にふらついていて」

「おいおい、人に散々早く飯を食えと言っておきながら、放置するのかよ」

「放置じゃないわ。あなたはこの後荷物持ちという重要な仕事があるのよ」

「荷物持ちかよ!」

朝食で散々な目に合わされた後、俺はチルに連れられて王都へ来ていた。買い物の用事があるらしいが、俺はただの荷物持ちらしい。

(はぁ…)

広場にある芝生に座りながら、思わすため息をついてしまう。ったく、本当扱いが酷いよなあいつ…。

(それにしても、王都だからってのは分かるんだけど…広すぎねえか)

今おれが居るのは王都の端。まだまだ城は先に見える。ざっと、ドーム一個分だろうか。

(ここで買い物って、どんだけ時間かかるんだよ‥)

ここで昼寝でもしようかと思ったが、眠れそうにないので、少し王都を回ってみる事にする。

(ふわぁ、今日は暖かいなぁ‥)

今日は暑くもなく寒くもない丁度いい気温なので、思わずあくびが出る。さて、どこから見るか‥。

「あわわ、そこの猫さんどいてくださぁい」

「へ?」

ボーッとしていると、少し向こうから声が聞こえる。そちらを向くと、何故かすごいスピードで転がりながら、こちらにやって来る猫が…。

「ちょっ…」

俺はそれに巻き込まれ、一緒に転がる羽目に…。

「「うわぁぁ」」

つくづく俺は、運が悪い猫だ。

第5匹 慌てん坊猫 へ続く

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