After World ②
part2
その後ムムとクポも帰宅し、三年振りに五匹が同じ場所に揃った。
「で、お前らはとりあえず反省しようか」
『すいません、つい』
「ついじゃねえよ」
『はい…』
「ったく…」
例の如くユキはまた色々な事をされて気絶。俺はすっかりそういうのに慣れたので、軽い怪我程度で済んだが、こいつらは少しやり過ぎてる点がある。
「まあ、とりあえず全員揃ったんだからいいじゃない」
「そうだけどさ…」
ユキはどうするんだよ、ユキは!
「その内目を覚ましますよ」
「気絶させた本人が言えないよな」
「すいません」
まあ、ムムが言う通りその内目を覚ますだろう。とりあえずこうして再会できたし、記念で何かやりたいな。
「それならやっぱり忘年会でしょ。年末なわけだし」
「忘年会ってお前、よくそんな言葉を知ってるな」
「毎年やってるもん」
「猫のくせに?」
「猫でもやるのよ」
「意外だな」
「意外で悪かったわね」
という訳でユキが目を覚まし次第、猫だけの忘年会をする事に。
「じゃあ、準備もできたし」
「乾杯!」
『乾杯~」
「って俺のセリフを奪うなよ」
ユキも目を覚まし沢山の食事を準備し、いよいよ忘年会が始まった。
「え? 二人とも結婚したの?」
「羨ましいです」
「ミケお兄ちゃん、ユキお姉ちゃんおめでとう」
「ありがとう皆」
「さ、サンキュー」
「で子供は?」
「まだに決まってるだろ」
「まだっていう事は、予定はあるのね」
「っつ! ば、馬鹿そんな訳じゃ」
「え? そんな言い方しなくても…」
「ゆ、ユキ、冗談だよ」
「じゃあ、本当なんだね」
「ひ、否定はしないけどよ…」
何これ、イジメなの? 俺だけものすごくこの場に居たくないんだけど。すげえ帰りたい気分なんだけど。
「あれミケ、どこに行こうとしているのかな?」
「ちょ、ちょっと外の空気を吸いに行ってくる」
「あ、逃げる気ですねミケさん」
「ば、馬鹿そんな訳ねえだろ」
図星だった。
「じゃあ私も行きますよ」
「え? ムムが?」
「話したい事沢山ありますから。それに」
「それに?」
「しっかり監視しないといけませんから」
「逃げないっての」
まあ一人じゃあ何か心細いから、別に構わないけど。
「じゃあ行くか?」
「はい」
忘年会が始まって一時間も経たずに、俺はムムと二人(二匹?)きりで散歩へ出た。
part3 へ続く
もしかしたら年またいで新年に完結するかもしれませんが、内容的には正月までなのでお許しください




