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Cat's World  作者: りょう
第1部
3/49

第2匹 敵対する二つの王国

第2匹 敵対する二つの王国


1

あまりの光景に驚愕する俺に対して、チルは補足する。

「確かにここだけ見ると、そう思えるわ。でも、この世界にはちゃんと二つの王国に分かれてるの」

「二つの王国?」

「ええ。私達が今いるのはニャンタ王国の領土。で、その王国の敵対国がブラックキャット王国って言うの」

「無茶苦茶な名前だな。この世界の国名は…」

何だよニャンタって…。にゃんこワールドもそうだけど。まだ、ブラックキャットの方が格好いいだろう。

「てか、なんで敵対してるんだよ。同じ世界に住む者同士、仲良くしろよ」

「それは人間の世界でも同じでしょ?」

「そりゃあそうだけど・・」

それは正論だ。同じ世界に住んでいるもの同士が、必ずしも仲良くなれるわけじゃない。だからといって、わざわざ転生した先まで争いを起こさなくても・・。

「てか、お前も元は人間なのか?」

「いいえ。私はこの世界で生まれたれっきとしたネコよ」

「じゃあ何でそんなに・・」

「人間に詳しいのかって?それは私にも分からないのよね」

「それはおかしいだろう。何で分からねえんだよ」

「だから知らないって言ってるでしょ!! 私の両親に関係あるんじゃないかしら!!」

急に声を張り上げるチル。な、何だ?

「な、何だよいきなり」

突然態度が変わった彼女に驚く俺。

「っ! ご、ごめんなさい…。怒るつもりはなかったんだけど…」

「あ、謝るなよ。俺が失礼な事言っただけなんだから」

そしてすぐに冷静になるチル。感情の変化が激しいんだな…。でもそれにしたって…。

「本当に…ごめんなさい」

あの怒りよう、彼女は何か両親とあったのだろうか?

(この世界で生まれたって事は、恐らくこいつの両親もこの世界に居るんだろうな…)

でも家には彼女以外誰もいなかった。どこかへ出かけたのだろうか?

(でもそんなんじゃ、あんなに怒らない…か)

まあ、そんな事は関係なさそうだな。

2

その日の晩、俺はチルから与えられた部屋(意外に綺麗な部屋)で、眠りにつこうとするが…。

(どうやって寝るんだ…)

布団などは ある訳がなく、地面で寝るのだがどう考えても寝る方法が思いつかない。さっきから何パターンも試しているのだが、何一ついい眠り方が思いつかない。

十分後

(体を横に倒して寝るのが一番いいか…)

何とかまともな寝方を見つけ、それを試しに行ってみる。お、中々いいかも…。

(これなら…眠れそうだな…)

目を閉じ、何も考えずひたすら寝る事に専念する。

(おやすみ…チル…)

こうして俺の一日は終わろうと…。

………

「って、こんな状態で普通に眠れるかーー!」

する訳がなく、俺はすぐに目を覚ます。

どうやらしばらくは、不眠症になりそうだ…。

第3匹 人間だったあの頃 へ続く

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