第16匹 絶対絶命の中で
第16匹 絶対絶命の中で
1
とりあえず危険なので中に入る。てか、
「ここも危なくねえか」
この家の位置はほぼ大群のど真ん中。でも奴らは何かに乗っているわけではなかったから、無理矢理潰される事ない。つまり、俺がこの家を守れれば…。
「戦うしかないか」
とりあえずいざという時の為に、戦闘用の為の武器(と言ってもまともな物じゃない)はこの家のある場所に隠しているから、直ぐに戦える準備は出来ている。
「やるしかない」
この家を守る為に俺は立ち上が…
バーン
「ブラックキャット王国の者だ。ここに住んでいるものが居るなら、連行してやるから素直に出てこい。でなければ、この家ごと燃やすぞ」
る前に俺は絶対絶命のピンチを迎える事になった。
2
現在俺は自分の部屋に身を潜めている。どうやら敵は一階のリビングを散策しているようだ。
「武器は一階だし難しいな…」
非常用の武器は一階に保管してあるから、取りに行くのはほぼ不可能。部屋にも戦えそうな武器は一つもない。完全な手詰まりだ。
「くそっ、どうすればいいんだ」
思わず壁を殴ってしまう。その音に気がついたのか、階段を登ってくる音が聞こえた。
(しまった!)
もう終わりなのか。ちくしょう…。
そして俺の部屋の扉が開かれて…。
「ミケさーん」
それとほぼタイミングでムムが窓を突き破って突入。その勢いのまま、ブラックキャット王国の兵士に衝突した。
「ムム!」
グッドタイミングでの出現に俺は感動のあまり、声を出してしまう。
「痛てて、大丈夫ですかミケさん」
ぶつかった頭を抑えながら立ち上がりながら、聞いてくるムム。
「俺は大丈夫だけど、お前は?」
「わ、私は何とか大丈夫でふぅ…」
と思ったら、ムムはまた倒れてしまった。
「っておい! 大丈夫か!」
「は、はひぃ」
どうやら頭を強く打った為、意識が朦朧としていたらしく、そのままムムは気絶してしまった(ちなみにムムの強烈な頭突きを食らった兵士は気絶している)。
「全く…、羽があるからって無茶しやがって。でも…」
ありがとな。
3
ムムのお陰で危機回避した俺は、気絶している兵士を適当な所に捨て、ムムを部屋で寝かせ、一階にある武器を手に取り外に出た。
「とりあえずチルが心配だな」
あいつは確か王都に出かけているはず。だったら、戦いに巻き込まれてるはずだ。助けにいかなければ。
「まあ武器が竹刀ってのが、気がかりだけど」
俺が現在持っているのは竹刀一本。こんなんで戦えるのだろうか?
「何とかなるか…」
若干不安を覚えながらも、俺は王都へ向かうのであった。
第17匹 中央広場の惨劇 へ続く




