表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/90

道は――作る

 キールが黒煙の縁に停まると、

 お嬢様はすぐに外へ飛び出した。

 煙の匂いに、焦げた鉄の味が混じる。


「結界、展開――魔力流、安定化」

 お嬢様が片手を掲げると、

 暴走していた熱と魔力の波がたちまち鎮まり、

 火柱の勢いが抑え込まれていく。


「全員、落ち着いて避難してください!

 こちらへ!!」

 しらゆきが避難者を誘導しながら、

 瞬時に負傷者の状態をスキャン。


 一方、夜姫は影の中を駆ける。

 焦げと煙の向こう、

 視界の白さに紛れた揺れがあった。


「……生体反応。火の中にまだ人が!」

 夜姫は奥へと踏み出そうとするが――


「通路が崩落しています! 

 安全なルートは――存在しません!」

 しらゆきの報告。


 夜姫は歯噛みした。


 そこへキールが前へ滑り出る。


「私に乗ってください。

 道は――作ります」


「頼む!」

 夜姫が飛び乗った瞬間、

 キールの車体が青白く輝き浮上する。


 金属壁が迫る。


「突破します」

 キールの声は揺るがない。


 衝撃――

 しかし、キールは正確無比な角度で力を逃がし、壁だけを破砕し、

 火の中へ自立運転で突入した。


「目標、目前!」

 炎と煙の奥で男性が倒れていた。


 夜姫が抱え上げる。


「意識あり! 火傷は軽度!」

「すぐに搬送します」


 キールが再び炎の回廊を駆け抜ける。


 脱出。

 外気に触れた瞬間、男の息が深くなった。


「大丈夫。もう安全です」

 しらゆきがすぐに治療魔術を施す。


 救助は間に合った――

 しかし。


 お嬢様は奥の燻った炎を見つめる。


「……まだ終わってない」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ