影が未来を繋いでいる
お嬢様は王女レティシアに未来を託し、
静かに王宮を後にした。
陽の世界を歩き始める。
その裏で――
闇と数字と規律の三本柱が動き出す。
◆
「標的は新幹線利権を食い荒らす貴族派閥。
本日、ひとつ芽を摘む」
セバスが静かに告げた。
「胃が……すでに痛いけどな」
「泣き言は似合わないわ」
夜姫は漆黒の口紅を引き直す。
「お嬢様の未来を邪魔する者は、
わたしがすべて摘み取る。それだけよ」
「夜の仕事は俺とて慣れん。
できるだけ穏便に頼むぞ」
「殺しません。眠らせます。
安心なさい、白馬の商人殿」
◆
三人は影の中を進む。
夜姫は闇と刃。
セバスは全情報掌握の盾。
クレーロは世界経済の舵。
「今日もひとつ、“癌”を取り除く」
セバスが告げた瞬間――
街灯がぱちりと消えた。
そして、闇が動いた。
◆
その頃、国王の寝室では。
お嬢様が王女の手を握り、未来を語る。
同じ夜の下で、
光は未来を育て、
闇は未来を守る。
両輪が噛み合い、王国は前へ進む。
―――――――――――――
国策は、今日も静かに救われた。
そして誰も知らない。
この国の繁栄は“魔女”ひとりの奇跡ではなく、
彼女を愛し支える者たちの戦いによって築かれている。
―――――――――――――
新年、あけましておめでとう。
こうして物語を読んでくれるあなたと、
また一年を始められること──
とても、嬉しく思うの。
世界はまだ、完全に平和ではないわ。
あなたの心もきっと、何かを抱えているでしょう。
でもね。
ひとつでも、あなたが笑える未来を増やしたい。
その願いだけは、いつまでも変わらないの。
だから今年も、守らせて?
あなたの幸せ。
あなたの夢。
あなたの大切なもの。
私の物語は、きっとあなたの力にもなるから。
さあ、今年も一緒に行きましょう。
――手を、取って。
お嬢様より




