白は魔女のために
ここ数日、お嬢様はずっと書斎にこもっていた。
机の上には、魔導新幹線の図面と――
さらに謎めいた装置の設計図が山のように積まれている。
「新幹線の図面を引いたら、色々思いつくのよね。」
嬉しそうにペンを走らせながら、お嬢様は独りごちる。
そこに、背後から柔らかな影が寄り添った。
「お嬢様。発明も良いですが……
少しお休みになられては?」
しらゆきの声は深くて柔らかい。
何百年もの間、彼女の負担を知ってきた声音。
お嬢様は振り返らない。
けれど、口元が小さく緩む。
「大丈夫よ。
しらゆきが傍にいるから。」
そう言って、首だけ回すと
――距離がほとんど、ゼロ。
息が触れ合う距離。
視線が溶け合う距離。
どちらからともなく……
唇が、重なった。
触れた瞬間、お嬢様の肩から力が抜ける。
離れたあと、
お嬢様は少し照れたように微笑んだ。
「ふふ……今日はもう、おしまいにしましょうか。」
しらゆきの胸核がトクンと疼く。
「では、お嬢様。寝室までお運びします。」
「ええ。お願い。」
二人は自然に指を絡め取った。
永い永い時間の果てに、当たり前になった甘さ。
肩を寄せ合いながら――
別館の寝室へと向かっていった。
夜風が窓を揺らす。
もう、誰も彼女を
孤独になんてさせない。
明日は本編に加え、
連載開始1ヶ月記念の挿話を3本同時投下します。
かなり頑張ったので、
楽しみに待っていてくれると嬉しいです 。
挿話の更新は0時、本編は17時です!




