表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/128

アンの就職(?)面談

 あれから一か月。

 アンは悪夢を見ることもなくなり、

 すっかり元の明るさを取り戻していた。


 本館執務室。

 今日のお嬢様は珍しく、政務に一区切りついたところ。


「お嬢様!

 私、お嬢様のお役に立ちたいです!」


 アンはまっすぐに言った。

 小さな拳まで握って。


 お嬢様はペンを置き、少しだけ悩むような仕草を見せる――

 ……が。


「じゃあ、私のペットね♪」


 にっこり、満面の笑み。


「ぺ、ぺペペペット!?!?」


 アンは全身で後ずさる。

 その隣で、しらゆきは完璧な笑顔を保ちながら思った。


(始まりました……お嬢様の女好きが)


 一方、影の中では――

 夜姫がカッと目を開き、影がひとつ震える。


(ペット……?

 私の場所を取るつもり?)


「そうよ。

 私の一番近くで——可愛がられなさい?」


「ヒィッ!?

 カ、カワ……が、がら……れ……」


 アンは完全に処理落ちしていた。


 ついに、しらゆきが静かに口を挟む。


「お嬢様。

 少々お戯れが過ぎます」


「あら? じゃあ――」


 お嬢様は、ちょっとだけ考えた素振りをして、


「メイド兼ペットでどう?」


「それなら……まだ、まあ……」

 しらゆきは諦めたように頷く。


「決まりね♪」


 お嬢様はすっとアンの目の前まで歩み寄り――


 その額へ、優しくキスを落とす。


「ひゃっ……!?」


 アンは変な声を出した。


「じゃあアン。

 メイド兼ペットとしてよろしくね。

 うちのメイド業は厳しいけれど……

 無理しないのよ?」


「ひ、ひゃいっ!!」


 アンは顔を真っ赤にして直立不動。


 影の中では夜姫が静かに奥歯を噛みしめ、

 しらゆきは紅茶を手に優雅にため息をつく。


(……嵐の予感です)


(……嵐でしょうね)


 こうしてアンは――

 正式に館の仲間となった。


 “メイド兼ペット”として。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ