姉が死んだ日
夏の終わりに姉が死んだ
姉さん
きっと 姉さんは桃が好きだったから 夏が終わるのを待って死んだのだろう
姉さん姉さん
ぎりぎりと 軋む ぎりぎりと
姉さん姉さん姉さん
ころころと 笑う ころころと
好きだった
愛している
死ぬほど
「死んで死んで死んで死んで死んで死んで死んで」
姉さん姉さん姉さん姉さん
いっそ連れて行って欲しかった
「死ね」
姉さん姉さん姉さん姉さん姉さん
狂い果てたところで何が見えるというのだろう
桃を齧る 酷く味が薄い 姉さんの声が聞こえる
頭を掻きむしり叩きつけ
喉が裂けるまで叫び続ける
愛していた
「生きてね」
そんな風にして、ようやく、姉の死を受け入れた