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あの頃の噂  作者: みくた
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動物霊 前編

「・・・これはちょっと本当っぽいぞ。」

 自室で新たな噂を調べていた私はつぶやいた。

 その噂とは近所にある比較的広い公園には動物霊が出るというものだ。

 詳細は動物の断末魔のような絶叫を聞いた。実体のない何かが身体に触れた。など多数の話がネットに上がっている。

 さらに調べてみるとその公園は以前、食肉加工工場だったと書かれていた。

「ちゃんと供養はしてるはずなんだけどな・・・」

 公園の敷地内に建てられている慰霊碑の画像を見ながらつぶやく。

「供養が足りないのか、工場稼働時に余程のことをしてたのか・・・」

 心霊現象の原因を考えつつ、思考は調査方法についてシフトしていった。

「どうしよう・・・」

 今までは基本フェイクだったが、今回は明らかにヤバそうだ。そんな場所でわざわざ怖い目に遭いに行くような真似はしたくない。

「・・・あれを使ってみるか。」

 一つの答えに辿り着いた私は、スマホにアプリをダウンロードした。

 “ゴーストレーダー”

 なんかスマホの動作とマイクを利用して幽霊を検知するらしい。

「とりあえず、動作チェック。」

 アプリを立ち上げてみると、画面いっぱいに緑の円が表示される。

 霊を検知すると電子音とともに、円の中に赤い光点が表示される仕組みらしい。

「まあ、さすがに家の中には何もいないよな・・・」

 レーダーがなんの反応も示さないことに少し安心をした。


 私は実証のため昼間の公園を訪れていた。

 住宅地から少し外れた所にあるその公園には、カラフルな遊具と敷地の半分ほどを占める池があり、奥の方に慰霊碑が建っている。そして、平日昼間というだけあって人気はない。

「・・・よし、始めるか。」

 公園に入るなり周囲を見渡した私は、アプリを立ち上げた。

「・・・。」

 ピピッ

 ものの数秒で電子音が鳴りレーダー上に光点が現れる。

「お、反応し・・・」

 ピピピピピピピピピピピピ・・・

 連続で音が鳴り響き、物凄い勢いで光点が増殖していく。そして、レーダーが光点で埋め尽くされたところで、アプリがシャットダウンしてしまった。

「・・・。」

 その状況に私は唖然とした。

「お邪魔しました。」

 そして、そそくさと公園を後にする。

「ヤバいヤバい。噂は多分マジだ。」

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