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バラバラ殺人
私は近所のゴミ回収ボックスを見つめていた。
ここは正に噂の実証を思い立った場所だ。
家屋が密集する住宅地のど真ん中にあり、フェンスによって囲まれたそこは昔、殺人によってバラバラにされた死体が捨てられ、その被害者が夜な夜な犯人を捜し首のない姿で徘徊するというものだ。
夕暮れ時、当時の友人にその話を聞かされ子供だった私は酷く怖がり、その様子を友人は面白がっていたのだから誠に腹立たしいものである。
「・・・この話は百パー嘘だろうな。」
まず、そこ以外でそんな話を聞いたことがなく、当時の時点でその近辺に長く住む大人にそんな事件はなかったと聞いている。
「まあ、調べるだけ調べてみるか・・・」
私はその場でスマホを取り出し、検索方法を何度か変え五分ほど噂について調べてみた。
結果は事件は愚か噂の記述すら出てこなかった。
「うん、やっぱりないね。」
特にオチもないまま私はその場を後にした。