後ろを向いて前に進め
楽しんで書きました!!ぜひ読んでみてください!!感想もくれたら嬉しいです!!
僕(立花博仁)は昔から勇者になりたかった。だって、囚われたお姫様を救ったり、自分を犠牲にして仲間を守ったり、カッコ良いじゃんか。
理由はそれだけ。
でも、物語は物語。現実は現実。僕は馬鹿だけどある程度の分別はあると自覚している。だから、僕が勇者になる日は来ないと思っていた。その日まで。
でも、ある日チャンスがやってきたんだ。巡ってきたと言ってもいい。神様ありがとう。泣いて礼を言うよ。
君は悪い奴らに囚われたお姫様。
僕は君を救えるかな?
もしも、君を救えるとしたら僕は地獄に堕ちたって構わない。
その女の子は東南アジアから来た女の子。
どこの国か?なんてどうでもいいことだろ?
ユニクロのタグを見れば書いてありそうな国さ。
話はちょっと逸れるけど
フッと、空を飛んでみたいと思えば、人はタカイタカイところから飛び下りなければならない。
そして重力が、暴力的な速度で、爆風となり両耳をロックして、硬い地面に叩き付けられたあげく、悲しいかな人生を終えていく。チョー怖いジェットコースターにでも乗れば君にも分かるはずさ。
車で轢かれて潰れたカエルちゃん、もしくは地中にいれば良いのに血迷って道路まで行進して干からびたミミズちゃんには同感だね。
彼らは彼らとして素晴らしい生涯を送ったんだ。
僕らだってそんなもんさ。みんな本当は勇者なのに、自分は勇者じゃないと思い込んでいるだけなんだ。
「かわいそう」の裏側には「うらやましい」が潜んでるって気付いてる?
でもね、みんなは「みんな」であることを強く望んでいる。僕に言わせれば、これがほんとの「かわいそう」なんだけどね。
飛行機やヘリコプタのことはまあ、置いといて。
退屈なら映画を観れば良い。本を読めば良い。漫画を読めば良い。金はかかるけど風俗で女でも男でも買えば良い。現実なんてそんなもの。
みんなそう。同じ生き物。なのに小さな違いを探してばかりいる。つまらない生き物。それが僕たち。
退屈とはなんだろう。リンゴを持った死神に付きまとわれることだろうか?ナレーターでしかない僕がタイラーになる方法はあるのだろうか?
ねえ、僕の飛行機に乗らないか?幸運なことに助手席がまだ一席だけ空いてるんだ。
ねえ、僕の飛行機に乗らないか?
きっと、どこまでも、どこまでも、連れていくよ。
だって、この物語は、僕(あるいはこれを読んでる君自身が)悪い奴らに囚われたお姫様(君にとっての)を救うための物語なんだから。
なんてったって、「君の行きたいところ」が偶然にも、「僕の行きたいところ」と奇跡的に重なっていることに僕はやっと、気付いたんだ。
さぁ、とびきり可愛いお姫様を救いに行こう。
君が遠慮するってんなら、仕方ない。
僕は1人ででも行ってくるよ。
時間は無限じゃないんだ。さぁ、乗るならさっさと乗って、シートベルトを着けてくれ。
ねえ?僕の飛行機に乗らないか?