10 何故、何の為に
長くなりそうなのでぶんかつしたよ。次は明日ぐらいに投稿されんじゃね? 知らんけど
三月と雪を仲直りさせる。三月からしたら余計なお世話だろうし、雪からしたら良い迷惑だろうが、そんなの知ったことではない。エゴと思われようが、やり遂げるまでだ。そっちの方が面白いからな。
とはいえ、現在俺にやれることは少ない。三月が何故あそこまで干渉してきたのか、それが分からないからだ。彼女は忠告という形で縁を切るように言ってきた。額面通りに受け取るなら特に変なこともないが、よく考えてみて欲しい。
仮にクラスの中に嫌われ者、腫れ物扱いされている奴がいるとして、そいつと関わっている奴に忠告しに行く場合、フォローするようなことを言うだろうか?
あいつは気付いていないようだったが、雪に対しての言葉の中にどこか雪じゃない誰か……それこそ当時のクラスメイト達を責めるような雰囲気があった。まるで雪自身が悪いのではなく、それに対する皆の対応、反応が悪かったのかのような口ぶりだった。とってつけたかのような、雪に対する暴言、悪口もどこか引っかかるというか違和感のある点が多い。
まあだからこそ仲直りさせることに決めた訳だが、この少ない情報からどうにかして真実にたどり着かないといけない。
もしかしたら俺の思い違いという可能性もなくはないが、それならそれで問題はない。徒労に終わるだけだからな。しかしその思い違いのまま突っ走るのは一番危険である。仲直りさせるにしろ徒労に終わらせるにしろ、まずは真意を知らなければ意味がない。
ここで話が戻ってくるが、俺にはその方法が全然思いつかないのだ。だからやれることが少ない。寧ろここをどうにか出来れば後はどうとでもなるというのが実情だ。情報がそろえば後はそれを駆使して向こうの感情を揺さぶるだけで良いからな。
しかし、妙案は出ないのでここで思考はいったんストップする。
風谷・人の過去を知る方法を募集していまーす
一人では解決策が見つからないので例によってTKGにメッセージを送る。しかしすぐに既読はつかず返信も来ない。
それもそのはず。現在は放課後だが、俺は何の部活にも属していないため学校が終わったら速やかに帰宅することが出来る。しかしあいつらは違う。九十九は生徒会に多分顔出ししていると思うのでまだ学校に居るはずだし、理も友達と遊びに行くか部活に行くかしているはずだ。
ただ暇して待っているのも時間がもったいないので筋トレをしておく。
何故いきなり筋トレ!? と思う人も居るかも知れないが、これからは問題解決の為にかなり動き回ることになるはずだ。そこでいちいち筋肉痛とかになっていたらもったいない。だから今のうちに慣れさせて痛みを軽減させようという考えだ。
ちょうど今日の朝、雪とも話したことだしな。良い機会だろう。
◇
体が……痛い。まさか少しの筋トレでここまで体に来るとは思わなかった。腕立て伏せ
二十回、スクワット二十回、腹筋二十回。これらを一セットだけ。それが俺の記録だ。やばい、マジで体力が落ちている。元々運動する方ではなかったがそれでももっと出来ていたはずだ。高校の体育で薄々気付いてはいたがまさかここまでだとは思わなかった。
これは明日雪に謝らなければならないかも知れない。上から目線でモノを言ってすまなかったと。雪の連絡先知らないからな。直接言わなければならない。
ところで返答は来ているだろうか? 一セットだけとはいえ、それぞれの運動の間に休憩時間を挟んでやったので一時間ほど経っている。俺はストイックに自分を追い込めない人間なので、そういう所は緩いのだ。
スマホを起動してメッセージアプリを開く。返答は……帰ってきていなかった。もうそろそろ七時を回ろうという時間なのにご苦労なことだ。既読マークもついていない所を見ると本当に忙しいのだろう。もしくは……。
嫌な考えが脳裏をよぎった。しかしその考えをすぐにかき消す。まだメッセージを送ってから一時間しか経っていない。寧ろこれで返信が帰ってこないと悩む方がおかしい。
少し自分本位になりすぎていたようだ。俺だってあんまりSNSを見る方ではない。気付かないことだって多々あった。
だがもし俺の考えたことが正しいとしたなら、これは喜ぶべきことなのだろうか? ……物事には優先順位というものがある。その優先順位がもし……。
止めよう。考えても暗くなるだけだ。
いつもならこんなことを考えないが、やるべきこと考えなければいけないこと、新しい環境、もろもろが重なり少しセンチメンタルになっていたようだ。あいつらにそんなに情を移しているはずがない。気のせいである。
しかし……連絡が来ないのならどうするべきか。別に急いでいる訳でもないので特に問題がある訳でもないが、こうなってくると途端にやることがなくなってしまう。やらなければいけないこと、やった方が良いことなら沢山あるが、やる気が起きないので暇である。
今日は両親が帰ってくるのが遅い。そのためこの後ずっと一人で居ることになる。言い換えれば一人で考える時間が増えることになるが、今はそれは嬉しいことではない。あまりしたくはないが、親に聞いてみると言う選択肢もあるにはあるのだ。やってることは完全に趣味の領域なのであまり親に頼りたくはないが。
両親は共働きである。そのため両親はどちらとも家に帰ってくるのが遅い。別にそれに不満を持ったことはないが、親に何かを相談するという経験が少ない。そりゃ、志望校を選ぶ時とかは相談をしたが、それ以外では全然だ。
まあ特に相談したいこともなかったのもあるが、そんな感じでここまで生きてきたので、どうでも良いことで相談すると言うのに抵抗がある。まあ抵抗があるだけで言えないということは全くないけどな。
にしてもやることがないな。動画サイトで動画を漁るのもネットサーフィンをするのも良いが、今はそんな気分ではない。
ふと、本棚が目に入る。今までに買ったライトノベル等がぎっしりと詰まっている。よくこんなに買ったものだ。その中から適当に一冊抜き取る。内容はラブコメだった。セカイ系というのだろうか。主人公達を中心として動乱が巻き起こるが、基本的にはヒロイン達とラブコメをやっている。
世界の危機に陥ったりすることはあれどどうにかして解決してラブコメをまた再開する。そんな内容のラブコメ。リユニオンフェイタルにも見習って欲しいほど明るい内容だ。少し読んだだけで読んでいた時の記憶が蘇ってくる。
ページを捲るごとに当時の記憶が蘇ってくる。内容だけでなく、買って読んでいた頃の記憶だ。この本は幼い頃……小学生の頃に買った。その頃はただのオタクだった。ただ……本を読んで、アニメを見てゲームをして。何もが輝いて見えた。やることなすこと全てが楽しかった。
違うな。思い出が美化されているだけだ。当時も今の俺と同じように色々考えていたことだろう。十年後の俺もきっと今の俺を想ってあの頃は楽しかったなと昔の記憶を懐かしんでいることだろう。
違う。俺が生きているのは今だ。昔でも未来でもない。今だ。だから今を楽しむために、充実させるためにこうすることに決めたんだ。思考停止をしている場合ではない。考えなければならない。
いや、そうじゃないだろ。今を生きているとしても昔を懐かしんでも良い。未来に想いを馳せても良い。何をしても良いんだ。自分自身の考えに自分の行動を縛られる訳にはいかない。
何を考えているんだ俺は。ああもう面倒臭い。やることがないのも辛い。考えるのも疲れた。なんでこんなに哲学的なことまでも考えなければならないのか。あれ? 俺でこんなことを考えていたんだっけ? アレもこれも暇だから悪い。充実させるためにこうしたのに退屈に対しての耐性がなくなるとは誤算だった。
よくよく考えてみて思った。楽しみなことがあったらそれを待つまでの時間は非常に長く感じる。幼い頃はよくあったことだ。新刊が発売されるまで楽しみで、時間が十倍ぐらい遅く感じていた。
ふと思う。幼い頃子供は何をして暇な時間を潰し、そして退屈な小学校時代の勉強でたまったストレスを発散させてきたのか。
幼い頃の話を思い出していて気がついたのだ。これでも俺は小学校の低学年ぐらいまでは校庭で元気に遊んでいた。そこで思い出してみて欲しい。子供と言えばどんな遊びをするだろうか? 答えは鬼ごっこだ。そして鬼ごっこは何を使って遊ぶ遊びだろうか? 勿論足である。足を使って走って鬼から逃げる遊びである。
つまるところ俺は。
外を走ってくれば良いのだぁぁぁぁ!
※主人公君は相反する考えが脳内を支配していたため頭に負荷がかかり混乱しています。
とりあえず星五つよろ。ブクマよろ。感想よろ。誤字報告よろ




