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幼少期 囚われの王子
本日4本目です。
あの日からだった。
彼が、自分を過剰に隠し魔法を過剰に拒否し始めたのは…。
10年前
「殿下!!!お逃げください。」
あの時彼は、まだ幼かった。
そして、帝国の秘密を知るには余りにも。
「やだ!だっだって兄上たちがあの中に…お母さんだってだって…。」
涙が彼の口を止めた。
彼の眼からは大粒の涙がだらしないほど大量に零れ落ちた。
彼の眼は、赤く腫れあがり顔がくしゃくしゃになるまで泣いていた。
業火の中から彼の家族の悲鳴が聞こえてくる。
消せない炎。
大魔法『業火』。
青い炎がたちまち広がり彼の家族を一瞬にして消した。
「お母さん…あっあぁあに兄上…。」
手が震えた。
最期に聞こえた彼らの悲鳴が耳にこびりついて離れない。
「嫌……嫌いやぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっぁ。」
気づいた時には彼の意識は無くなっていた。
魔人レティファスの力に塗れ。
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