死と騎士の誓い
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「死…。」
静まった空気に響いたその声にフェルマは驚きを隠せなかった。
「死って…お前どっちを取るんだよ……迷わない…迷わないでくれよ。」
険しい顔つきで彼に必死に呼びかける。
「わからない…わからないよ…でも……最悪の事は覚悟しておいて。」
低い声が、図書室に広がった。
「メオが望む?」
願うような表情でフェルマは聞く。
「あぁ。僕は望む…死の鉄槌を……復讐を!!」
フェルマは、下を向く。
床には涙が零れ落ちている。
一粒…二粒と…。
彼は、そんなフェルマを羨ましそうに見つめた。
「泣ける…って良いな…。」
彼の顔つきがフェルマには少し切なく見えた。
「我は、主の刃となり…。」
「フェルマ?」
フェルマは、迷わず続ける。
「主の犬となり…友ともなり……一生を捧げ…共に道を歩くことを…。」
騎士契約の言葉…。
「どうか…お許しください…帝国に栄光あれ!!」
彼の眼からは、奇跡のような一粒の雫が零れ落ちる。
「ふぇるっフェルマ…許す…命がともにある事を…そして、共に生きること…死ぬ権利を!!」
その日は、夜まで彼らの泣き声が…祝福の声が帝国に響き渡った。
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