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死と復讐の狭間で
今回も読んでいただきありがとうございます!!
「ふぅ…。」
彼のため息が図書室に響く。
「殿下…いや、メオどうかした?」
周りに誰も居ないことを確認すると親しい口調で彼の事を呼んだ。
彼の隣に佇んでいるのは令嬢の兄であるフェルマである。
彼の唯一の同年齢の幼馴染であり最年少近衛騎士である。
そして、何より彼の転生の秘話を知っている唯一の人物。
「この戦いは、かなり苦戦しそうだ…。」
彼は、真剣な眼差しでそう呟く。
「そもそもの、話だが僕の半分は一応転生しているが現在実在の魔人と命が繋がっている。」
「つまり…向こうを殺せばこちらの魔人も死に君は半分…になる?」
彼は、又してもため息をつく。
「僕の半分の人格…だけだったらまだ、良い……僕の臓器や血管、脳の働きも半分のみ完全に停止する。」
「それは…つまり?」
彼の頭にはただ一つの言葉が過っていた。
「死…。」
静まった空気にその言葉が重くのしかかった。
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