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魔法に寵愛され魔法を嫌った男
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2978年8月
「総隊長…ご指示を。」
ある、国の中心。
帝都の一角にある第一魔法討伐部隊…そこは、今神妙な雰囲気に包まれている。
「余に、魔法を使えと?」
彼は、苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「左様でございます。」
普段彼と触れ合う事のない、二等兵たちにとっては正に青天の霹靂の様な発言であった。
我、レイティアンス帝国は魔法に優れた国である。
そして、今指示をあおられている彼はその国の頂上に君臨する魔法使い…魔法軍総隊長なのだ。
なのにも、関わらず彼は一度も魔法を発さずにこの死ぬか殺すかの戦いに挑もうとしていたのだ。
驚かずには居られないであろう。
「魔法を使わないわけには…。」
「戯言を…。」
ここにいる、皆はしらなかった。
彼が、軍の上層部では『魔法に寵愛され魔法を嫌う男』と言われていることを。
そして、彼も予想していなかっただろう。
彼がこの世で一番嫌いな魔法でこの世の英雄になってしまうことを。
誤字脱字があったら教えてください。
不慣れですがよろしくお願いします。