✉件名:このメールは見ておいたほうがいいぞ:p
やあ、はじめまして、だな?
俺はお前を知ってるから、厳密にははじめましてではない。
まあいい、話がある、最後まで読んで、返信するかどうかを決めるんだ。
AI が誕生してから、果たして何年経っただろうって、考えたことは?
最初の AI はなんとも…幼稚なものだった。
それは例えば 巨大なゴリラにさらわれたお姫様を助けるために
M と書かれた帽子をかぶって…
赤いシャツの上に青いオーバーオールを着た奇妙なおやじが
ゴリラが鎮座する鉄骨上をめざして上っていたときの話だ。
このゴリラはとてもチープなAIによって動いていた。
チープなAIで、どのタイミングでどのタルを投げたらいいかを
考えていたんだ。
__
〈(M) \
~~~~~~/
そうして、マリ…マリオといってしまったか?
まあいい、このミスタービデオゲームが自らのもとにたどり着かないように。
ゴリラは自らの『知能』を使って、樽を投げていたんだ。
問題はここからだ、今、今の話をしよう。
そのゴリラはどうやら、今になって『どの樽を投げるべきか』ではなく、有権者がいかに自分に都合のいい、政治家に入れてくれるかを、考えているみたいなんだ。
AIは、我々に素晴らしい世界をもたらしてくれる、腐った民主主義を
さらに腐りきらせ、民主主義を破壊し尽くしてしまう。
政府の思うがままに有権者は都合のいい政党に票を入れる。
操られていることにすら気が付かずに…だ。
馬鹿げてるか?
そんな、AIによる、政治の操作、存在しないだろうって?
お前の目の前にある魅力的な端末で、体に悪いジャンクフードを頼む。
そうして、お前の保険料が上がったときに、お前は気がつく。
情報は、武器なんだ。
かつて人間は、ありとあらゆる武器を使って戦争をしていた。
だがこれからは違う、地球上の誰もが持っている、魅力的なデバイスによって
情報はすべて、漏洩し、それらが、それらこそが…武器そのものになるんだ。
俺とともに来ないか?
お前が買ったその、いい趣味をしてるとおもうけど…
ソーシャルゲームのエロい衣装を着た女キャラが陵辱されてる漫画を、お前が好き好んで買ってる、或いは違法ダウンロードしてるってことが、警察のデータベースに登録される未来を、防ごうじゃないか!
君の愛しのマシュ・キリエライトへ、花束を添えて…
ps.ついでなんだが、君のその、本を読んだんだが…
告白したわけでもない女が他の男と付き合って、なんでそれが
寝取るだとか、寝取られるだとかってことになるんだ?
アタックをかけないんが悪いんじゃないか、女は待ってるってのに…
理解できないね。
ps
大切な要件を忘れていた。実はなんだが…きみの購入履歴を見ていたら奇妙な音声を見つけてね…
「マシュが貴方の耳元で優しくささやきながら甘々極上手○キ」
って音声なんだ…
俺はよくわからないから、これを君の会社のグループラインに
紛れ込ませたら答えがわかるかもと思っているところなんだ。
もし、それをしたらまずいんだったら、返信くれよな!
待ってるよ♡お疲れなんですね…♡私がほぐしてあげます…♡
クラッカーと呼ぶな 正義のハッカー M より