恐竜に転生した話
転生した。
何を言っているんだと言われそうであるが、紛れもない事実であるようだ。残念ながら。
一般的な日本人だったはずだ。名前は増川空也。職業は中学校の英語教師。25歳。
ホームルーム中、謎の黒い穴が床に空いて、生徒全員と共に俺はそこに吸い込まれ、意識を失った。そこまでは記憶している。
で、寝ていた感覚があって、起きたら木々に囲まれ、空は綺麗な青空で天井も無い。空気も澄んでいるような感じがするし、川のせせらぎが聞こえる。
眠るならば自室の布団に寝ていたはずなのに、寝ているところは明らかに土の上だった。そもそも朝のホームルーム中だったはずで、寝ていたはずがない。なのに身体を丸めて、あろうことか首を背中の方に回し、顔を背中に埋めて寝ていたのである。目を覚ました時に、は? となってしまった。
なにせ人間は首が背中まで回らない。この時点で既に人間で無いのが確定した。
背中全体の色味は全体的には薄い茶色で、ところどころに黒い模様が走り、全体としてはトラに似ている感じを受ける。背中には無数の糸くずのような繊維が付着している。これは体毛か? 俺は毛深くなかったはずだし、どちらかというと鳥の羽毛に似た感じがする。それよりは脆そうだが。
何よりもおかしいのは尾の存在だ。尻の上、存在のみは知っている尾てい骨を動かせる感覚がある。試しに上下に動かしてみる。ペシペシと地面をたたき、土煙が上がる。うん、間違いなく自分の身体になっている。
立ち上がる。幸いに視界は良好で、人間だった時と変わらない。足腰も変わらないようだ。首を回して足元を見れば、ごつごつしたうろこに覆われているのが見えた。ニワトリのようだ。
足は不自由ないのだが、手が問題だ。腕が短い。指も二本しかない。これでは物を掴んだり出来ないだろう。そして指先には鉤爪が生えている。振り回せば、樹皮に傷をつけるくらい訳ないだろう。
ここまで自分の身体を分析して、俺はもしかして、という閃きを確かめるために、せせらぎのする方へ向かった。心なしか、聴覚と嗅覚が鋭敏になっている気がする。獣の匂いがするのだ。それもはるか遠くから。正確な方向までわかる。人間だった時、こんなほのかな香りを探知できただろうか。
やあやって川に着いた。水面は鏡になる。前後に奥行きのある顔、口を開けると太く鋭い歯が上下の顎に並んでいる。背中と同様に、細かい繊維で覆われているようだ。
俺は確信した。
どうやら俺は恐竜になっていると。
恐竜、といっても色々ある。
俺は子どものころ見ていた図鑑の知識や、映画の知識をフル動員した。
恐竜の中でも、この身体はティラノサウルス、いわゆるティーレックスというやつに近いように思えた。角も生えていないし、首も長くない。鎧に覆われてもいないし、翼で飛べもしなさそうだ。
水面に頭を近づけ、水を飲みながら俺はため息をついた。ため息をついたら唸り声のような低い声になっていて、自分のことながら体が跳ねる。動物園なんかとは違う野生の感覚に、恐怖しか感じない。
取り敢えず寝床に戻ろう。
頭を軽く振って来た道を引き返した。
寝床と言っても、岩陰に土を盛り上げているだけで、人間の感覚で言えばこれは寝床ではない。
岩に爪を立てる。思いのほかあっさりと岩肌が削れて、俺は拍子抜けした。そのまま指で文字を刻む。慣れ親しんだ日本語で、自分の名前を刻む。
増川空也。自分自身が人間であったことを忘れないように願いながら。
転生は事実、直感は告げるが、一方で転生なんて非現実的なこと、どうせこれは夢だ、そういう思いもある。
きっと夢であってくれ、そう念じながら、俺は眠りについた。
体感で二日経っただろうか、夢が覚める気配はない。
そればかりかお腹がすいてきた。
空腹になるほど、この身体は残酷なもので獣の匂いに敏感に、そしてそれに食欲を感じるようになっていた。おそらく今なら腐肉でさえ喜んで喰らってしまうだろう。
現代日本人としては、腐肉を食えば食中毒だ。それだけは避けたい。
俺はゆるゆると立ち上がると匂いにつられて木立の中に突入していった。
自分で言うのもなんだが、足が速くなったような気がする。体力全盛期の学生時代、短距離走を走った時と同じくらいか。それを足元が不安定な林の中で出しているのだから、走行性はかなりのものだろう。
とはいえ現実的な速さに収まっているあたり、転生は事実だとしても、もしかしたら古代の地球ではないか。そういう仮説があった。まだここがファンタジーな世界だという気はしていなかった。
この時点では…………。
獣の匂いを漂わせていたのはイノシシだった。俺と同じくらいの大きさだ。
イノシシは俺に気付いた様子で、一目散に逃げだした。
逃すか!
俺は地面を蹴った。全力疾走でイノシシを追う。車で走行しているような速さだ。速度としてはイーブン、いや俺の方が若干速い。
徐々に距離が縮まる。
もう少し……。
もう少しだ……。
……追いついた! 今だ!
そのまま大口を開けて、イノシシの尻に噛みつく。骨まで一気にかみ砕いたようで、口の中に柔らかな肉と硬い骨の感触が広がる。
イノシシはと言えば、肉と内臓がむき出しになった状態で横向きに倒れてしまっている。絶命してしまったらしい。
俺はイノシシを噛むと、自分の寝床まで持ち運んだ。なんとなく、食事は自分の家でするべきだと思ったのだ。
しかし生肉か……。
初撃で噛みちぎった肉と骨はバリバリかみ砕いてしまったので、腹が少し膨れ、冷静さを取り戻していた。そして、口の中に広がる血の匂いに辟易した。生肉とはこんなにひどい味だったのか。火を通すという行為はなんと偉大だったのだろうか。
火、噴けないか?
俺はふと思った。実は身体の中、胃の上のあたりに違和感があり、ずっとそこが高熱を持っているような気がしていたのだ。
というわけで寝床の周り、木が開けて、広場のようになっている部分で実験してみた。意識を集中して……。
結果はというと……。
ボッ
地面が陥没し、土や砂が吹き上がる。
肉で実験しなくてよかった。
火というより爆発に近い。熱い。熱い。
自分のせいなのに、ちょっと耐えられないほど、熱い。
痰を吐き出すように、まるでマグマの塊のような火球を吐き出すことになるとは。見た目の印象からこの技を『マグマブレス』と命名しよう。
俺は戦慄した。
火力を調整して……。いや、今は飛び散った炎に肉を当てることが優先だ。
なんとかしてこんがりと焼けた肉を手に入れた俺は、久しぶりに食べる食事に舌鼓を打ちながら、火を噴ける恐竜なんてファンタジーでしかないと気付いていた。
気になる点はまだある。
イノシシは現代の生き物。恐竜のいた時代、哺乳類はまだネズミくらいの大きさだったはずだ。
そしてイノシシの身体の奥にあった虹色に輝く石だ。宝石か、ファンタジーの世界であるなら貴重なアイテムかもしれない。魔法に関わるアイテムとか。
いずれにせよ、認めざるを得ないだろう。
俺はファンタジー世界で、恐竜的な生物に転生してしまったらしい。
イノシシを喰らった俺は、火を適切な火力に吐き出す特訓に打ち込んだ。ちなみに採れた虹色の石は寝床に穴を掘って、そこに埋めておいた。短い鉤爪でも、それくらいはできたのだ。
特訓の結果、頑張って家庭用ガスコンロの強火くらいに火力を抑える事に成功する。それよりも弱火は不可能だった。強火ということで、中華鍋と鶏卵と米と油があれば美味しいチャーハンが作れただろう。
チャーハンのことを考えていたら腹が減った。
よく考えれば二日分の空腹をイノシシ程度で賄えるはずがない。俺はのそりと立ち上がると、獲物を探しにまた林の中に繰り出した。
あ、シカがいる。
イノシシを発見。
黒い、あれはウシか。角に刺されたら痛そうだな。
等々。
見つけたイノシシやらシカやらウシやら、目につく食べられそうなものを片っ端から仕留めては、その場で焼いていく。逐一寝床に戻って食っていると、どうしても食事量は減ってしまう。せっかく弱火を覚えたことだし、山火事を起こす心配もないだろうから、俺はその場で焼いてその場で食う、を繰り返していた。
狩りのコツは風下に立つことだ。そうすれば匂いで接近がばれる危険性が少なくなる。
それから遠距離から火をぶつけてみるのも有効だった。ウシに近づきたくなくて遠距離から俺命名のマグマブレスを噴きかけたのだが、ウシの身体がたちまち炎で包まれ、一瞬で絶命してしまったときはよし、と思ったものだ。黒焦げになってしまい、可食部が少なくなってしまったのが失敗だったが。
やがて、林を抜けて平原に出た。眼下に広大な黄金の下草が広がる。
微かに潮の匂いがする。海が近いようだ。そして広大な大河が流れている。日本にいた時はあれほどの幅をもつ河にお目にかかったことがない。海外に行けばあるのだろうか。
スケールの違いに眩暈がする思いだが、見たところ河を挟んで向こう側には集落があるようで、石でできた城壁が河沿いに建築されていた。
壁が高すぎて中が覗けないが、もしかしたら人間がいるかもしれない。そう思うと俺のテンションは高くなった。
高く?
よく考えたら今の俺は恐竜の見た目なのだ。のこのこ近づいたところで、痛い目にあうのがオチではないだろうか。最悪の場合殺されるかもしれない。
それにあの城壁自体が、俺のような恐竜の対策である可能性もある。いや、そうに違いない。となると、近づくなど愚の骨頂といったものだろう。
よし、引き返そう。
そう思って寝床に引き返そうとした時、俺はふと奇妙な匂いを嗅いだ。獲物の匂いではない。むしろ危険な存在の接近を知らせるような……。
慌てて目を凝らすと、木々の合間を縫って接近してくる巨大な影が見えた。俺と同じくらいの大きさ。俺と同じような薄茶色に縞模様の身体。鋭い歯を備えた大きな頭にシューシューという荒い呼吸音。
俺と同種、ティラノサウルス的な生物がこちらに接近していた。
もの凄く近い。プレッシャーを感じる。匂いで気付けなかったのか、と疑念が噴き出す。
そうか、風上に立っていたのか。だから……。俺は自分の迂闊さを呪った。
ふと、俺は同種だから言葉が通じるのではないか、と思いついた。
(ちょっと怖いので近づかないで貰いたいのですが……)
喉の構造の違いで、実際にはガウバウグルォみたいな感じの音になった。果たして返事は……。
眼の前のティラノサウルスが大きく咆哮した。びりびり鼓膜が震える。ああ、これは通じていない奴ですね分かりました。
敵意がない、逃げたい。俺はじりじりと後ずさる。確かクマに遭遇した時、こうするのがいいと聞いたことが……。
と、足元に不安定を感じた。そうだ、俺は崖の上に立っていたのだった。
あんまり高くは無いしなぁ、落ちても死なない気がするけどなぁ、と考えていたが、どうやら眼の前のティラノさんは俺を逃がす気は無いらしい。その目がはっきりと語っていた。この餌を食ってやると。
だがちょっと待ってほしい。俺は誰に語るでもないのにそう心の中で呼びかけた。
生物が、同種を喰らうのは珍しくないという。しかしそれは大抵の場合、衰弱しているかあるいは死んだ個体だ。同種は自分と同等の力を持っているのだから、下手をすれば自身の生存に関わる。
どうしてこいつは俺に敵意を向ける?
理由はいくつか考えられる。
この世界の生き物が、もう少し主語を狭めるなら眼前のティラノサウルスが俺の知る生物の常識を持ち合わせていないということ。これは確かめようがない。
あるいは、見境なく襲わざるを得ないほど飢えている可能性。これは疑わしい。なぜなら奴の出てきた林にはそれなりに餌となる草食獣が生息していた。そちらを食えばいい。
あるいは、誰かの指示で俺を追い詰めている場合だ。猟犬のように──。
どれを採択するにしても、追い詰められ、崖を背負った俺の採れる選択肢はひとつだけだ。
俺は痰を吐くように、自慢のマグマブレスをティラノサウルスに吐きかけた。
直撃はしない。しかし地面にあたったマグマが俺と奴との間に熱の緩衝地帯を作ってくれた。
自分でも熱いと感じたブレスだ。奴もまたそう感じるはず。そしてそこからどう動くか。
俺は、逃げる。
突っ切らせてもらうぜ!
俺がダッシュするのと、ティラノサウルスが焦熱地帯を超えてくるのとは同時だった。ただ、奴はこわごわゆっくりとした足取りで、俺は全力疾走だったが。
俺は駈けだした勢いのままティラノサウルスに正面から体当たりをした。
勢いに負けて、ティラノサウルスが倒れ込む。体当たりをした俺の身体もじんじん痛むが、そんなことよりも、だ。
俺は急いで木立の中に逃げ込むと、ティラノサウルスに振り返った。
体当たりの衝撃で横倒しに倒れている。俺はそのうろこで覆われた腹部を中心にマグマブレスを吐きかけた。みるみるうちに火だるまになっていく。背中と顔の羽毛に延焼したらよりよく燃えるだろう。
想像を絶する痛みと熱さが奴を襲っているに違いない。地面が震えるような咆哮があがる。だがそれは断末魔の悲鳴だ。やがて力なく倒れ込んでしまった。
よし、後で食べよう。取り敢えず寝床に──。と思ったところで、俺はふと疑問を覚えた。
(あれ? さっきまで俺が風上にいて、今は位置が逆転したから俺が風下のはず。でもずっと俺が風上にいるように風向が変化している?)
そこまで考えたところで、突然上空から網が降って来た。拘束されてしまう。
もがくが、もがくほどに網は絡みつく。
(つかまったのか? ん、煙が……)
俺の足元で破裂する爆弾らしきボール。そこから出た煙を吸い込むなり、俺は眠りに落ちるように、急激に意識を失っていった。
目を覚ますと、俺は檻の中だった。
どのくらい眠っていたのだろうか。
動こうにも、どうやら両脚を拘束されているようで、動けない。無理やり引きちぎろうにも、拘束具も檻そのものも頑丈そうで、到底破壊できる代物ではなさそうだ。
であれば、俺としては動かずじっとしていることが一番だろう、という結論に達する。マグマブレスも一瞬頭によぎったが、鉄格子に阻まれて殆どが檻の中にとどまり、熱で火だるまにされるのがオチだと考え、見送った。
それでも、人間たちはマグマブレスの射程外からこちらに何かをしようとしていた。
そう、人間なのだ。人間がいたのだ。
ぱっと見てすぐに日本人では無いと分かる顔立ちの皆様だ。茶や黒やブロンドやその他色々な髪色で、こちらを遠巻きに見つめていらっしゃる。
何か言葉を話しておられるようなのだが、残念ながら日本語では無い。というか英語とか中国語とか、他のどの言語とも似ていない。異世界だけの言語かと思われた。
コミュニケーションは無理でも、せめて情報だけでも得たいと考えていた俺は絶望感に襲われた。
なにせ俺は中学校の英語教師なのだ。日本語が通じない場所でも生きていけるという自負があった。そう自負があったのだ、これまでは。
俺は言語情報を諦め、他の感覚器官で情報を得ようと試みた。
鉄格子越しに景色を観察する。広場のようなだだっ広い空間になっていて、地面は運動場のような砂混じりの土。傾斜は無く、平坦な地形だ。木が遠くに、広場を囲むようにして整然と並んでいる。人間たちは俺から3メートルほど離れたところに立っていて、何やらブツブツ呟いている。人数はざっと4〜5人というところだろう。俺の死角から何人かが来ては入れ替わり立ち替わりしているので、俺はどうやら見世物にでもされているようだ。
見世物なら、ぼんやり檻の中に縮こまっているだけではいけないだろう。サービス精神溢れる俺は、取り敢えず何か喋ってみようとした。口を開く。
グルォ……。
ダメだ。どうしても言葉にならない。唸り声になってしまう。
そればかりか、俺の声に反応してか、人間たちが騒ぎ出した。ずっとこちらを睨んでブツブツ言っておられる派手な格好のおばさん──失礼な言葉遣いだったので訂正。中年女性──がイライラした様子で周りの人間に怒鳴っている。
よく観察すると、女性以外の声はごく小さいのか聞こえない。どうやらあの派手な女性がこの場にいる人間の中で一番偉いようだ。
何か思うところがあったのか、女性がズンズンとこちらに向かって距離を詰めてきた。近付くにつれて、小皺の目立つ顔に少し横に太い体型、ドレスのような華美な格好、そして何より強い香水の匂いが主張を始めた。
一番最後の匂いは一際我慢できないものだ。俺は「来ないでくれ」の念を込めて吠える。
従者っぽい人間なんかは怯んで、目に見えて顔を青くしてくれたが、匂いのきついマダムには効き目無しだったようだ。
キャンキャン騒ぎに騒ぎ、女性はこれまた派手な装飾のついた緑の杖を手に持つと、鉄格子の隙間から俺を杖で叩いた。
痛くは……無いな。
杖の先が何やら青白く光っているし、ただ怒鳴っているのとは違う、節をつけたリズミカルな音声が聞こえて来る。なんらかの魔法をかけられているようだ。
なんの?
俺はキョトンとして、しばらく為されるがままにしておくことにした。
どれほどの時間が経ったのだろうか。すっかり夜の帳が降り、星空が綺麗に出てきた。
夜までかかってようやく諦めたのか、派手なおばさんがこちらを睨みつけたまま立ち去っていった。従者と思われる数人に何やら喚きながら。
煩かったな……。
俺はゴフッと欠伸を一つすると、眠る姿勢をとった。枕が変わると眠れない人がいるというが、この身体はもはや、首を曲げて頭を背中につける体勢でないと熟睡できなくなっていた。
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お師匠様が苛ついておられる。
原因ははっきりしている。恐竜のテイムが上手くいかなかったことだ。
私は首を引っ込め、周りの兄弟子姉弟子の方々がお師匠様を宥めておられるのを見ていた。
お師匠様の名前はデボラ・タナスタシア。ドーリヤ国で一番の従魔遣いだ。
ただ、性格は良くない。弟子の分際で、しかもどちらかというと若い弟子の分際で言うのも不敬かとは思うが、性格が良くない。
なにせ弟子を十数人抱えているのも、国王からのお願い、否、お願いという名の命令のためだ。「王様に言われなかったら、あんたたちなんて採らなかったし」と言って憚らない。
その癖王様にお願いされたことを誇りにも思っているようで、「仕方ないし」と口にしつつもニマニマを隠せていない。年相応の見た目の中年女性がニマニマ笑っていても、私としてはああいう女性にはなりたく無い、と反面教師にするしか無い。
弟子にしても、貴族の子しか抱え込まないという徹底ぶりだ。侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵。ドーリヤ国では準男爵が一代のみの貴族位で、子に功績があれば男爵以上に叙せられる。他に辺境伯という、侯爵相当の実権を持つ貴族家もいるが、これは少ない。
お師匠様は準男爵だが、認知こそしていないものの父親が伯爵位のご落胤で、自分では伯爵相当に思っておられるようだ。兄弟子や姉弟子は皆、子爵か男爵の家の出身だ。
私はセプタスケーレ子爵家の長女で、名前をアイラ・ド・ラ・セプタスケーレと言う。もっとも、これは「私」にとっては本名ではない。鈴木双葉というのが私の本名だ。最も、これは前世の記憶である。
私は恐らく、いや、確実に転生者であり、アイラが本来物心ついた時からずっと、意識の中で共存してきた。アイラと記憶もすべて共有し、そして前世の記憶もある。
前世では中学三年生だった。今のアイラと同じ年齢だ。ある日、教室の床に大きなひずみができて飲み込まれるように意識を失い、気付いたら3歳のアイラの中にいた。
そして先日、アイラが15歳を迎えた日、つまり私と同じ年になった日に、なぜかアイラとしての意識は消え失せ、鈴木双葉の人格が表層に出てきたのだ。
セプタスケーレ子爵家は貴族だ。ましてこの世界は地球ではない。地図を見てそれを理解していた私は、カーテシーのやり方やら食事の作法やら、諸々の貴族の所作を私はアイラの中から学び、そしてアイラへの教育を通じてこの世界の常識や教養を知っていった。
ところでアイラの実家、セプタスケーレ子爵家は今、少し面倒な状況にある。
セプタスケーレ子爵家は歴史だけはドーリヤ建国時まで遡れる名家だと言うが、当代のマノス・ド・ラ・セプタスケーレはまだ8歳なのだ。両親は2ヶ月前に不慮の事故で亡くなった。貴族は男系だから、弟のマノスが継ぐのは確定で、親戚筋や侍従たちが手分けして弟に貴族教育を施していると言う。
この弟、実は養子で、由緒だけ立派なセプタスケーレ家を途絶えさせない為に迎え入れたものだ。
アイラに婿をとらせるという選択肢もあったと思うのだが、両親はなぜかそれを嫌った。むしろお前がいると家督争いの芽が残るから邪魔だ、といった態度であったのだ。
私は3年前、弟が来てすぐ追い出されるように実家を飛び出し、貴族の子を受け入れていたお師匠様に雇ってもらっている。
年端もいかない弟を皆でサポートし盛り立てる。
聞こえはいいが、つまり傀儡だ。弟はますます聡明になったと聞いている。しかし、それだけで貴族が務まるものだろうか。
アイラの両親の墓にもまだ手を合わせていない。
一度帰郷するのが筋だと思うし、アイラの待遇を考えればなおさら帰郷すべきだ。それは山々なのだが、お師匠様が帰郷を許してくれない。
理由は単なる嫌がらせだ。貴族が妾に生ませた子であるお師匠様は、貴族家に対して憧れと憎しみが入り混じった複雑な感情を抱いておられるらしい。そのコンプレックスが、私の帰郷の邪魔をされる理由なのだと、ある日こっそり姉弟子のリリアさんが教えてくれた。
リリア・クーネハウカムさんはクーネハウカム男爵家の三女でありながら、貴族位を気にせず、子爵家の私にもフレンドリーに接してくださる良い方だ。私はリリアさん以外の方とお話しする機会が少ない。
単純に、私の家柄と由緒正しさが無駄に高すぎるのだ。同じ子爵家の中でも、その古さのせいでうちは別格、というか住む世界が違うらしい。関わってくれる方が少ない。男爵家の方は尚更だ。自分より家柄が高い貴族の、もしかすると婿をとってトップにつく立ち位置の方と関わりたい方は少ない。
お師匠様に弟子入りされる方は、大体が実家から「用済み」判定を受けた方々だ。野心なんて微塵も感じられない。積極的に貴族に関わりたいとも思わないのだろう。
さて、そんなお師匠様は今朝、テイムしていた恐竜を使って狩りをなさっていた。
ところが、そんな折に同じ恐竜を見つけたらしい。恐竜は通常、もっと寒冷な土地に生息する魔獣で、おかしい、とは感じられたそうだが……。結局とうとう、お師匠様はもう一体テイムしたいと思われたそうである。
従魔遣いの能力次第で、同時に従えることができる魔獣の数は増える。私なんかは未熟らしく、弟弟子や妹弟子が数匹テイムしているのを尻目にまだ一匹もテイムさせてもらっていない。
で、恐竜を従えようと自分の恐竜をけしかけたが、あろうことかお師匠様のは簡単に殺されてしまう。なんと火を吐いたというのだ。恐竜は火では無く冷気を吐く生き物だし、それ以前に恐竜そのものが貴重な魔獣だ。
お師匠様はこの希少個体を自分のものにしようと、自分の恐竜の葬いもそこそこに捕まえた恐竜をテイムしようとひたすら契約呪文を唱えておられた。
この契約呪文、知恵なき魔獣を無理やり従わせるために、まず本能レベルに干渉し、その後魔獣を従魔遣い自身の魔力に従わせるという二段構えでなりたっている。
お師匠様曰く、私は一番目が下手くそであるらしい。アイラであっても双葉であっても同じだった。術式は教えてもらったが、未だに下級の魔獣すらテイムさせてもらっていない。
苛立って酒を飲むうちに、何がプッツンと切れてしまったのだろう。
お師匠様はとうとう、「私じゃなくて誰でもいいからとっととあの恐竜をテイムしてしまえ!」と仰った。仮に弟子の方が成功しても、「弟子に手柄を譲った」だの誤魔化せるし、後で主従契約を変更してもよい。他人の従魔を自分のものに変えてもらうことは、野生の魔獣を従魔にするよりも簡単なのだ。
弟子の方々が何人か部屋を出て行っては、一時間もしないうちに肩を下げて帰ってくる。
代わる代わる弟子の方々が挑んではスゴスゴと帰ってくるのはなんだか変な光景だ。
「なんだい。アイラのバカよりは優秀な弟子だと思っていたのに」
自分もテイムできなかったのにそれを棚に上げてお師匠様は当てこすりを言う。アイラに対する悪口は日常だ。双葉の人格が中にいたころからずっと。
今は酔っているが、素面だろうが衆目の中だろうがはばからない。
私から見てもアイラは相当頭がよく、また努力家だった。だからこそ私はお師匠様の発言に何度もイライラしたものだった。
しかし当のアイラは素直で、それらの悪口を受け入れ、真摯に向き合おうとして、結果再びお師匠様の癇に障っていた。
次第につらくなっていって、「もう弟子をやめたい」とこっそり呟いた独り言を聞いている人がいたとは、アイラには思いもよらないだろう。
最初はお師匠様の癇癪の命ずるままにのはずだったのだが、何人も行くと「次は私も」という気になってくるらしい。
当のお師匠様は、酒に潰れて寝息を立ててしまっていた。
「アイラ、私は行くけど、あなたはどうする?」
東の空が白んできた頃、リリアさんがそっと耳打ちをしてきた。手には杖。従魔遣いの証たる緑色の杖だ。
「行きます」
私も杖を持ち、そっと部屋を抜け出した。
檻の前には先客のお弟子さんが二人いた。恐竜は眠っている。
「どう?」
「いや、駄目ですね」
「寝ているってのにすっかり反応なしですよ……。あ、起きやがった」
リリアさんの問いかけにお二人は首を振った。
魔獣は寝ているときのほうがテイムしやすいとされている。
「ふうん。試してみましょうか」
リリアさんは朗々とした声で呪文を唱えると杖をかざした。しかし杖は光るだけで何も起こらない。
「……駄目ね」
リリアさんは早々と諦めてしまった。恐竜はぼんやりトロンとした目を私たちに向けている。なんだか人間の寝起きみたいだ。
「ほらアイラ、あなたもやってみなさい」
「え? あ、はい」
二人の弟子の方が「え? どうせできないでしょ」という驚きと蔑みのごちゃ混ぜになった表情を浮かべる。私はそれを尻目に呪文を唱えた。
杖が光る。手応えはない。恐竜は目の前で大欠伸をかました。短い手を伸ばし、顔を曲げるようにしながら目の下をポリポリと掻く。私は少しイラっとした。
この人間臭い恐竜は本能で生きている魔獣とは違う。私はなんとなくそう思った。
(ああ、まだなんか変なことやってるよ)
突然、声が聞こえた気がした。弟子お二人の声とは違う声だ。渋くて落ち着いた声色が安心感を与える。
「え?」
私はあたりを見回した。リリアさんと他二人、誰も周りにいない。
「リリアさん、今『まだなんか変なことやってる』って聞きました?」
「アイラ、何変なこと言っているの?」
尋ねるも、リリアさんは訝しげな顔を向けるだけだ。
だとしたらまさか……。
従魔とのコミュニケーションは魔獣の種類にもよると聞く。あるいは心の中で会話をするという魔獣もいるのかもしれない。
そう思ったのは私だけじゃなかったのだろう。リリアさんも「もしかして……!?」と気付いた顔だ。
(あの、私の声が聞こえていますか?)
心の中で、眼前の恐竜に呼びかける。
恐竜は大きく反応した。
目をカッと見開き、檻を壊さんばかりの勢いで身を乗り出してくる。
(……! こいつ直接脳内に……! やっと会話ができる!?)
何かおかしい。私はそう思った。
だからもしかして……と思いつつなおも問いかける。
(あなたは、誰? なんていう名前なの?)
返事はすぐだった。
(俺の名前は増川空也です。あなたは?)
言い終わらないうちに私は心の声で叫んだ。
(え!? 先生!?)
(!? 待て。その反応は、あの時教室にいた誰かか? 見た目は明らかに洋風美人だ。こんな生徒は学校中探してもいない。ならば俺みたいに違う身体に魂だけ入ったパターンか……?)
(多分そうです、先生。私は鈴木双葉です。学級委員をやっていた。今の名前はアイラ・ド・ラ・セプタスケーレといいます)
(……鈴木か。いや驚いたな……)
先生も私も、驚愕のあまりしばらく沈黙してしまった。
考えてみたらあの時教室にいた同級生たちがみなこの世界に来ていると考えるのはなんら不自然なことではない。
でもまさか先生が、しかも人ですらないなんて思いもよらないじゃない!
と、いったようなことが頭の中を渦巻いているうちに、「ちょっといいか?」と先生が心内通信の口火を切った。
(俺はまだこの身体になって数日しか経っていない。分からないことだらけなんだ。なんでもいい。少しだけでもいい。知っていること、この世界について、いろいろと教えてくれないか)
私はまだ混乱に支配されていたけれども、その言葉に幾分かの冷静さと少しの喜びを覚えた。そして少し得意げな気持ちになって、知っている限りの知識を伝えることにした。
(長くなりますが……)
話し終えると、先生は唸った。
本当に唸ったものだから、恐竜の喉から低くグルォみたいに聞こえた。
リリアさんが弟子のお二人を連れて帰って行ったので今この場には私と先生しかいない。残っていたら私と同じようにビクッとしただろうか。無駄に威圧感のある声で怯えさせないでほしい、と私は思った。
(……たいへんだったな。話してくれて、ありがとう)
やあやって言葉を絞り出した先生に、私は軽く礼をする。
「いえ、中学校の人に会えたというだけで満足ですから」
(いい子だ……)
「……独り言も筒抜けですよ、先生」
私は「いい子だ」と言われたことで頬が紅潮したのを感じた。
ところでどうやら、日本語で直接話せば心内でなくても良いことが分かり、私はさきほどから日本語を直接、声帯を震わせ発していた。こちらの言葉で話すとダメらしい。意味を成さない音になっていると。言語体系に則っていることは分かる云々と先生は仰っていた。
(おっとすまない……。さて、ティラノサウルスが本来炎を噴けないとか、転生した時期のずれとか、そもそも俺がどうして人ではなく恐竜なのかといった謎はあるが、まずは鈴木の今の境遇だな)
「と、いいますと?」
(ああ、一言で言えばクソだ。あのおばさんは一応指導者なのだろう? 指導者なら指導者にあるべき姿、というものがあるはず。仮にも俺は教師の端くれだから、自分の教え子を不当に扱い、馬鹿にして笑いものにする行為は許せない)
「しかし実際私は従魔遣いの才能がないようですし……」
(才能がないからなんなんだ? だったら他の道に進ませればいい。それを怠っているのは明らかに不当な扱いだと思うぞ?)
私が薄々感じていたことをズバリと口にされ、私も次第に怒りが込み上げてきた。
「確かにそうですね。一度言ってみます。弟子をやめさせてくださいって」
(弟子をやめます、って言った方がいいな。それも他の弟子たちもいる前で)
「分かりました」
(……ちょうど来たみたいだぞ?)
先生の視線の先を見やれば、確かに移動してくる影が見えた。しかしよく見えない。恐竜の視力は優れているな、と私は感心した。
「じゃあ話してみます。会話の内容、なるべく心の中で繰り返しますね」
(すまない)
「あと檻も開錠しておきます」
(え、そんなことできたの?)
「私、中二の時ピッキングに嵌まっていたんですよ。なんか格好いいと思ってたんですよね」
(……そっか。そういう年頃か)
「現代日本の鍵と比べると鍵をかけてないようなものです。すぐに開けます」
そうして私が檻の鍵と先生の足枷を外し終えるころ、ようやくお師匠様と弟子の方々の姿がはっきりとなった。あと10メートルくらいか。リリアさんもその中にいるようだ。
「出来損ないのくせにやるじゃないか」
私を囲うようにして広がった弟子の方々。真正面にお師匠様が立って、憎々しいといった感じを隠しもせず言葉を発する。
「そのことですがお師匠様」
私は居住まいをただした。お師匠様がうん? と言って続きを促す。
私は唇をなめた。
「お師匠様、いままでお世話になりました。弟子をやめさせていただきます」
「……いまなんて?」
「ですから、私はあなたの弟子をやめる、と申し上げたのです」
お師匠様は大きく目と口を開き、いかにも唖然とした態度。しかし私の言葉が浸透するに伴って、顔を般若のごとく引きつらせていった。杖の柄で地面をガンガンと叩く。怒りの表現か。地面に穴があき始めている。
「誰の許可を得てそんなことを?」
「誰の許可もいりません。私の扱いはこの世界の常識の上でも明らかに変だ。あなたの奴隷として過ごしていくなんて真っ平です」
「そうかいそうかい。出来損ないの癖にねえ」
お師匠様が目を細めた。そして杖を掲げる。嫌な予感がする。
「お前たち! 久しぶりの肉をやろう!!! 若い女の柔らかい肉一体分、取り合わずに分け合うんだよ!」
従魔遣いは杖の中に契約した魔獣を蓄え、自由に出し入れし、指示を出せる。師匠が持てる全ての従魔を解放した結果、何十体ものオオカミやクマや巨大なカタツムリやらサソリやらが私を取り囲んだ。
ここまで多くの魔獣を従えていたのか、と私は改めてお師匠様の実力を痛感した。痛感はしても、褒める気にはなれないし尊敬もできない。人に従魔を向けるのは基本的にはダメで、従魔遣いが犯罪者を捕まえるときなどに限定される。もちろん、この場にいる全員、それに該当しない。
「師匠! さすがにそれは……!」
「も、問題になりますよ!?」
弟子の方々も恐れおののきながら必死に制止する。しかしお師匠様は聞かない。
「黙れ! お前たちも餌になりたいのかい!?」
逆に黙らせてしまう有様だ。
「そう。それでいいんだよ。無能な癖に貴族ってだけで偉そうに! 無能は無能らしくあたしに黙って従ってりゃいいんだよ!!!」
(──無能は無能らしく黙って従っていればいい)
(ひどいな。よし、俺の出番だな)
「え?」
同時通訳のように心の声で先生にも伝えていた私の背後からガシャンと大きな物音がする。そして地響き。
振り返ると、恐竜が私やお師匠様の従魔たちを見下ろしていた。黄色い目がトカゲか伝説のドラゴンのようで、根源的な恐怖を抱かせる。
「先生?」
(すまない。ちょっとだけ我慢してくれ)
先生は私の後ろ襟のあたりをつかむと、ひょいと持ち上げて口の中に丸呑みした。
(な、なにを!?)
(この状態で逃げる。どっちに行けばいい?)
(え? あっ……ひ、東門が開いていれば……)
(東だな。なんとかバランスを取っててくれよ)
言うや否や先生は駆け出したようだ。身体にどしどしと振動が伝わる。漏れ聞こえる師匠の金切り声からは、弟子や従魔たちに「あの恐竜を追え!!!」と言っているのが分かった。
(先生、追いかけてきます!)
(……なるべく頑張る!)
(先生、ちょっと口を開けたままにして! そう! そうです! 道案内します!)
(分かった、頼む! 振り落とされるなよ!)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(……ここまでくればなんとか?)
(いったんは安心できますね)
俺の寝床、つまり森に逃げ込んだところで俺は鈴木を解放した。
鈴木がケホケホしているので申し訳なく思う。
(……すまなかったな。驚いたし怖かっただろう)
「……そうですね」
鈴木は心なしか涙目で、わなわなと震えている。緊急時とはいえ唾液でベトベトにもなり、口臭もしたであろう我が口内に入れて運ぶのは悪手であったか。俺はごめん、と謝った。
「いえ、気にしないでください」
やはり鈴木は健気ないい子だと思う。
「……これからどうするんですか?」
(取り敢えずセプタスケーレ子爵家……だったか? アイラの実家に行こう。落ち着ける場所が欲しい)
「あそこも落ち着ける場所かは分かりませんけど」
(それでも望みがあるならそこだろう)
俺はとにかく身を落ち着けないと、ということで頭がいっぱいだった。
そして、もう一つ、見出した希望がある。
(あと、俺や鈴木みたいに、クラスのみんな転生しているかもしれない。俺は彼ら残り34人を探したい。鈴木にもできれば、申し訳ないが協力してほしいんだ)
「……なるほど」
鈴木は呟いて思案顔だったが、やがて顔をあげて良い笑顔で頷いた。
「とにかくアイラの実家ですね。まずはそこまで」
(そうだな)
「また、口の中ですか?」
(いや、今度はちゃんと歩こう……。俺の背中に乗ってみるか?)
「……振り落とされそうですね」
軽口をたたきあいながら、俺たちはまだ見ぬクラスメイトを探しに、この謎が多い世界を旅し始めるのだった。
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