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闇の眷属、俺。-進化の階梯を駆けあがれ-  作者: 山口遊子


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第83話 『大迷宮』14階層、オーガ?戦


 階段の前にいたのは赤ら顔の鬼だった。そいつが胡坐あぐらをかいて座っている。


 俺たちの気配を感じたのか、ゆっくりと立ち上がったそいつの背丈は3メートルほど。右手に2メートルほどの長さのあるいぼいぼのついた真っ黒い金棒バットを持っていた。


 そいつは俺たちを一瞥しただけで、また座り込んでしまった。


『こいつは、オーガとかいうヤツなのかな? 何でもいいが、俺たちを確認した後で偉そうに座り込んでしまったところを見ると、こいつは俺たちをバカにしてるってことか?』


「オーガを見たことがないのではっきりはしませんが、やたら大きいので、こいつもオーガの上位種か変異種かもしれません。おそらく、わたしたち三人を見て相手にならないと思ったんでしょう。こいつがいるせいで、例のSランク相当のパーティーが15階層に下りていけなかったのかもしれませんね」


『こいつも大概(たいがい)だが、Sランクの連中も大概だな。下を目指さず、いま連中は何をしてるんだ?』


「さあ、適当にその辺で狩りでもしているんじゃないでしょうか」


『SランクもSランクだし、ギルドのランクもこれじゃああんまり意味なさそうだな。ところで、あいつも討伐(とうばつ)すると素材か何かが有益で高く売れるかな?』


『オーガの革はめったに手に入らない高級素材らしいです。革の鎧をオーガの革で作れば一線を画す鎧になるとか』


『それじゃあ、切り刻むわけにはいかないか。たまには俺が相手をしてやろう。二人はそこで見ててくれるか?』


『はい』『はい』


 ここは、久しぶりに、リフレクターの出番だな。


 俺は、右手で構えていたエクスキューショナーを鞘に仕舞い、右腰に下げたリフレクターを両手で構えて、ゆっくりオーガ?に近づいて行った。


 このオーガ?、なめたことに俺を片目でチラ見してまた眼を閉じてしまった。俺ではダメージが入らないとでも思っているようだ。


 座っているとはいえ、こいつの間合いの方が俺より広い。座ったままだからといって安易(あんい)に近づいていいものではない。


 俺は、まだ自分の間合いではないが、少しだけオーガの間合いに入り、リフレクターを振り上げた。


 案の定(あんのじょう)、オーガはそれを待っていたらしく右腕を横合いから振り回してきた。


 ゴー!


 風を裂く音を発して、オーガの(こぶし)が俺をめがけて迫ってくる。


 もちろん予想通りの展開なので、迫ってくる拳に簡単にリフレクターを合わすことができた。


 グシャ!


 俺にとってはいい音。オーガにとっては嫌な音が響き。オーガの拳が(つぶ)れた。


 グガガガガー!


 今さら両目を見開き大声でわめき始めるオーガ。


 慌ててオーガが立ち上がるところに一歩近づき、リフレクターをオーガの右(ひざ)にたたきつけてやった。


 グシャ!


 こんども痛そうな音が響き、オーガの右膝にリフレクターがめり込んだ。


 グガガガガー!


 痛いのはわかるが、うるさいんだよ! 少し黙ってろ。


 すぐに、リフレクターを引き離しオーガの膝を蹴っ飛ばそうとしたら、オーガの力の抜けた左フックが俺のヘルメットに命中してしまった。


 ゴーン!


 大きな音がしただけで、俺は何ともなかったが、今の一撃でオーガは、左の拳も傷めたようだ。そのまま壊れた右ひざから変な音を出しながら斜めに倒れていった。ちょうどいい高さに頭の位置が下がったところで、両手で持ち直したリフレクターでオーガのこめかみ辺りを思い切り殴りつけてやったら、リフレクターがオーガの顔の半分くらいまでめり込み、ソフトボール大の眼球(がんきゅう)が後ろにリボンのような紐をくっつけて二つと飛び出して床の上に落っこちていった。


 それで、オーガは動かなくなった。


 オーガの顔にはまってしまったリフレクターを抜いたところで、


 ドー、とオーガが床に倒れこんだ。


「ダークンさん。豪快(ごうかい)な勝ちっぷり、お見事でした」


『なんだか、弱いくせに妙に一丁前(いっちょまえ)のヤツだったな』


「いままで、弱い敵しか相手にしてなかったんでしょうね。例えばSランクの連中とか」


『そんな気がするな。それじゃあ、トルシェ、あいつを仕舞(しま)ってくれるか。そしたらとっとと下にりようぜ』


「ダークンさん、ヤツが座っていたところに、箱があります。いつそこに出て来たのかわかりませんが、きっと宝箱ですよ」


 奥行き30センチ横幅50センチ高さ30センチほどの、かど部分や持ち手など要所が金色の金具でできた箱が、床の上にぽつんと置いてあった。材質は銅で出来ているように見える。表面が錆びていない銅なので、ピカピカだ。


『ほんとだ。いつの間に。宝箱といったら、罠はかかっていることはないのかな?』


「可能性はあります。それじゃあどうします?」


『一番怖い罠は、テレポーターだ。石の中に飛ばされたらシャレにならんからな』


「テレポーター?」


『罠が作動すると、でたらめなところに飛ばされるんだ。運が悪いと、ダンジョンの壁の中に飛ばされることもあるらしい』


「そんな罠のことは聞いたことはありませんが、もしそうなら怖いですね」


『トルシェ、魔法で罠があるかどうかわかるとか、罠があったら解除できるとか便利な魔法はないのか?』


「あるかもしれませんが、わたしは聞いたことがありません」


『そうか。それなら「鑑定石」で鑑定してから宝箱は開けた方がいいな。こいつは一応俺が収納しておこう』


 宝箱一つ、GETだぜ!


『ようし、とっとと階段を下りて、『新階層チェック球』で15階層にたどりついた証拠にしよう』


「はーい」「はい」




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