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闇の眷属、俺。-進化の階梯を駆けあがれ-  作者: 山口遊子


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第67話 進化鑑定


 俺は進化できたようなのだが、外見的にも内面的にも違いが分からなかった。アズランははっきり進化したのだが、何に進化したのか確かめる必要があるので、旧拠点の鑑定石に行くことにした。


『アズラン、そこは落とし穴だから気を付けろよ』


「何だか他とは感じが違うことが分かります」


『いいじゃないか。きっと知覚力(ちかくりょく)が上がってるぞ』


 今回も、落とし穴の位置をはっきりさせておくため、リフレクターで落とし穴の蓋になっている床をたたいて、落とし穴が見えるようにしてやった。俺の目で見ても蓋が落ちていった下の方は真っ暗なうえ、蓋が下に落っこちた音もしないのでどれだけ深いのかは見当もつかない。


 落とし穴を過ぎて、しばらく進むと懐かしのわが旧拠点。


『ここの奥にも鑑定石があるんだ』




 石室の奥の小部屋に入り、


『最初は俺な』


 さっそく鑑定石に手を置いて、鑑定結果を二人に聞かせるように読み上げる。


<鑑定石>

『鑑定結果:

種族:オブシディアン・スケルトン・ナイト

種族特性:非常に強靭(きょうじん)。力、素早さ、巧みさが圧倒的(あっとうてき)。スケルトン種のなかの最上位種オブシディアン・スケルトンの変異種(へんいしゅ)。職業ダーク・ナイトの力で鎧と一体化した結果、鎧を体内に収納することも、収納した鎧を装着することもできる。その際付属の武器も体内から出し入れされる。「収納」、「装着」と言うことで、鎧の収納、装備ができる。装着時の鎧の防御力も圧倒的で、ほとんどの物理攻撃・魔法攻撃から装着者を守る。

次の進化先:()()、次の進化先はない。

職業:ダーク・ナイト:全身鎧と一体化する』


 おお! すごいぞ!


「ダークンさん、やりましたね。試しにいま着てる鎧を収納して見てくださいよ」


『そうだな。「収納カタカタカッタ!」。あれ? だめだ』


「もしかしたら、ちゃんと言葉にしなければだめなんじゃ?」


『えっ?』もしそうならダメじゃん。俺喋れないもの。というか、スケルトンは誰もしゃべれないじゃないか! ま、いいか。いつも最大防御力だもんな。


『俺は、この格好が気に入ってるから、鎧を脱がなくてもいいや』別に悔しくなんてないんだからね。


『それじゃあ、次はアズランな』


「はい」


 アズランがおずおずと鑑定石の上に片手をおいて、反対の手で、刻まれた文字を触った。


「それじゃあ、言いますね」


<鑑定石>

「鑑定結果:

種族:ダーク・ハーフリング

種族特性:闇に()()()()ハーフリング。身のこなし、素早さが圧倒的。魔法耐性がある。

次の進化先:@¥$%△##」


 アズランはやはり思った通りのダーク・ハーフリングに順当進化したようだ。


 トルシェの時は、確か()()()したエルフとか鑑定されてなかったか?


 そのせいで、トルシェはイッちゃったのかな?


「あれ、アズランは闇に愛されてる? なんだか、わたし差別されてる?」


 俺がわざとそれを言わなかったのに自分で言ったらダメでしょう。


『トルシェ、気にするな。それじゃあ何だっけ? なんとかウルフ?』


「シルバー・ファングです」


『そうそう、そいつをチャッチャとたおしに行こうぜ』


「そうしましょう、そうしましょう」「はい」


『ちょっと待ってくれるか。うっかり忘れるところだったけど、俺のコロちゃんを鑑定しておこう』



 鉄箱の中からコロちゃんを取り出し、鑑定石の上に置いて文字に手をやった。


<鑑定石>

「鑑定結果:

種族:ピッチブラック・スライム☆

種族特性:ブラック・スライムの変異種。ブラック・スライムと比べ、個体の大きさが小さめでより黒い色をしている。

捕食力(ほしょくりょく)が非常に高い。

死ぬと猛毒の黒い液体になる。

黒い瘴気(しょうき)をまき散らす。その瘴気は触れたものに幻覚、催眠、毒症状、麻痺などの状態異常を引き起こす。

次の進化先:不定(進化までの行動に左右される)」


 やっぱりコロちゃんは俺が見込んだ通り、ただのブラック・スライムじゃなかったようだ。瘴気を街中でまき散らしたらマズそうだが、俺のコロちゃんはそんなことしないハズだからいいだろ。しかも種族の最後に☆まで付いてる。何のことだか今のところは分からないが、特別って意味だと思っておこう。


「へー、ダークンさんのスライム、特別だったんだ。いいなー」


『いいだろ? トルシェもスライムの良さが分かって来たようだな』


「わたしも、今度鉄箱買ってこようかな」


『トルシェ、この箱はおまえでも、結構重いかもしれないぞ』


「まさか?」


『持ってみるか?』


 トルシェに肩から掛けていた革紐をとって鉄箱を渡してやった。


「あれ、ほんとに重い。なんでこんなに重たいんですか?」


『名前を付けたら急に重たくなったかな』


「そんなこともあるんだ」


『ダンジョンの天地(てんち)複雑怪奇(ふくざつかいき)だからな』


 とりあえず、よくわからない言葉を並べて話をまとめた。


 俺とトルシェの会話を、アズランはほほえましいと思っているのだろう。複雑な表情を浮かべて、俺とトルシェの顔を交互に見ていた。照れるな。




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