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闇の眷属、俺。-進化の階梯を駆けあがれ-  作者: 山口遊子


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第52話 宝物庫5、神滅機械リンガレング


 トルシェが食事を終え、最後にコップに入れた水を飲んだところ、


「ダークンさん、この水はそこの台所から出て来た水ですよね」


『そうだな。それがどうした?』


「いえ。やっぱり『暗黒の聖水』は神殿まで行ってそこで()まなけりゃダメなんだなって」


『それはそうだろ。面倒でも『闇の神殿』で汲むという行為にも意味があるんだ。そろそろ探索(たんさく)の続きをするか』


「はい。次はここの隣のドアですよね。ダークンさん、まさか私が寝てる間に一人で勝手にこの先をのぞいたりしてませんよね?」


『のぞいちゃいないヨ。だけどなんでのぞいちゃいけないんだ?』


「それは、一緒に感動を味わいたいからです」


 まずいねー。これはまずい。びっくりするまねだけでなく、感動までしなければいけなくなった。



 そろって二人で、モダンルームを出て隣の部屋の探策だ。気が重いが、


『それじゃあ、開けるぞ』


「はい」


『……』俺ももう一度息をのんでしまった。


「す、すごい!」


 先ほど見た時と違って、いまは夕焼け空の下の田園(でんえん)風景だった。ゴーレムはどこかに帰って行ったようで見当たらない。これなら俺も驚くことができるし感動もできる。


『すごいな』


「どうなっているのか見て回りましょう。行きますよ」


『いやいや。この広さだ。この先何が出るかわからないんし、これだけ見ればもう十分だろ?』


「ええっ? 十分って。ダークンさん、どうしちゃったんですか?」


 どうしたかって、この先に行って、ゴーレムなんかに出会いたくはないだろ。いくらウマール・ハルジットが作った可能性が高いといってもゴーレムはゴーレムだ。


『こんなに広い場所だ、時間もかかるし何が出てくるかわからない。つぎの部屋を先に確認してしまおう』


「そう言われれば、そうですね。つぎ行きましょう、次!」




 なんとかトルシェを言いくるめ、隣の部屋を調べることにした。


『それじゃあ、開けるぞ』


「はい」


 今度は、普通の部屋だ。普通というのはさっきの田園と比較してだが。


 今度の部屋はそうとう天井の高い部屋で、部屋の中には、何だかわからないが大きな機械のようなものが何台も並べられていた。今はどれも動いていない。


 少し先、部屋の真ん中あたりに、一段高くなった場所があり天井からスポットライトで照らされている。


 スポットライトで照らされていたのは、機械でできた蜘蛛クモだ。全体的には銀色で、足の先がやや青みを帯びている。


 結構大きな蜘蛛で胴体(どうたい)だけで1メートルほど、8本ある足の長さはどれも2メートルはある。


 蜘蛛はわれわれが近づいてもピクリとも動かないので、今はもう動かないのか、もともと動けないのか。


 もともと動けないのならただの置物だが、置物にしては立派すぎる。ここは時間が止まっていたとメモにあったから、時間が経って動けなくなったということはないはずだ。となると、


『蜘蛛、俺の言葉が分かるか?』試しに呼びかけた。


『指輪の所有者交代を確認しました。これより起動シーケンスを開始します……』


 頭の中に声がした。


『トルシェ、今の言葉が聞こえたか?』


「え? 何ですか?」


 俺だけ聞こえたのか。この右手の指輪が関係してるな。


『そこの蜘蛛(くも)が俺に話しかけてきたんだ』


「そうだったんですか。なんて言ってたんです?」


『今から動き出すから、その準備を始めるそうだ。おっ』


 蜘蛛の頭の部分に4個ずつ左右に並んだ目が赤く光り始めた。


『起動シーケンス正常終了、リンガレング起動しました。神滅(しんめつ)回路実装(じっそう)完了。神滅機械(しんめつきかい)リンガレング爆誕(ばくたん)! 戦闘力100%発揮(はっき)可能』


 この蜘蛛がリンガレングだったのか。それにしても、神滅機械? 自分で爆誕というところが、機械のくせにトルシェと同じC2-ポジティブみたいで俺は好きだぞ。


 あのガラクタの山はこいつの部品だったようだ。で、こいつをどうすればいいんだ? 見た目は強そうだがこんなのを連れて歩くのか?


『リンガレング、こっちに来い』


 8本の足を巧みに動かし、アッとゆう間に俺の横にリンガレングがやってきた。重そうなずうたいだったが、何も音がしなかった。こいつデキるぞ。


「ぎゃ!」いきなりリンガレングが近づいて来たものだからトルシェがビックリして尻餅をついてしまった。


『トルシェ、怖がるな。こいつはリンガレング、俺たちの仲間だ』


「うわー、びっくりしたー。ダークンさん脅かさないでくださいよ。リンガレング、わたしは、トルシェ、よろしくね」


『個体名トルシェをマスターの……』


『眷属だ』俺のことはマスターと呼んでくれるらしい。


『マスターの眷属と登録しました』


『リンガレング、トルシェにもおまえの言葉が聞こえるようにできないか?』


『個体名トルシェはすでにマスターの眷属として登録済みのため私との会話も可能です』


「ダークンさん、本当です。さっきからリンガレングの言葉が聞こえるようになりました」


『わかった。それじゃあ、最後の部屋の探索に行くとするか』


 しかしリンガレングを連れ歩くにしても、この大きさだと扉から出せないな。まさか扉を壊して出入りしてたわけじゃないだろうし。


『リンガレング、そこの扉から外に出られるか?』


『問題ありません』


 そう一言いって、リンガレングはカシャカシャと足を折りたたみ、頭の部分と一緒に胴体の中に収納してしまい、直径1メートルほどの丸いボールになってしまった。それが扉の前まで転がっていった。


 これなら、どこでも行けそうだ。階段の上り下りは元の姿に戻れば楽々だろう。


 この部屋はもういいな。


 後残った部屋は1つ。さて中に何があるかな?


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