彼は彼女達出会う
銃撃戦の音が響く・・・・・
昼なお肌寒い世界・・・・
「こっちか」
高度な念術文明が滅び・・・・・
既に幾星霜未だ滅びの中である・・・・
荒地の中を突き進む・・・・・
彼の身は怪物と人の混ざりあい・・・・・
怪物は残す・・・
其の一心で強い・・・・
相手のことなど知った事かと・・・・
まあエゴイズムの塊だろう・・・・
右手を走りながら突き出す・・・・
光が・・・・
光は赤いライフルに・・・・
薄汚れたマント・・・・・
補強された皮の服ブーツ・・・・・
皮服は強化され補強され・・・・
バトルスーツのような雰囲気・・・・・
肌以外は黒く・・・・
髪は長い・・・・・
荒地を走り丘より眺める・・・・・
視線の先には・・・・
「バス?」
彼は知識でしか見たことの無い・・・・・
乗り物名を呼ぶ・・・・・
荒地に光で護られる・・・・・
大きい怪物に二階建てバス・・・・・・
バスを壊そうと・・・・
光に触れ圧を加える・・・・・
バスを越える大きい焔の巨人・・・・・
「女だらけ」
手足は甲冑・・・・
胴部は薄い布地に護られている・・・・
そんな衣服は10人程が武器を手に・・・・
人サイズの立っている赤い蟹達相手に戦っている・・・・
堅く早く・・・・・
腹ビームが恐ろしい相手・・・・
多くの手を腹に・・・・
其れを一斉に放つ・・・・・
逆にマシンガンのように・・・・
数が多く・・・・
個体も強い・・・・・
ああして他種族とも連携し・・・・
襲う・・・・・・
兎に角襲う・・・・・
植物だろうと襲う・・・・
もう荒地だらけなのコイツらの所為じゃと疑いたくなる程・・・
彼は状況を走りながら知覚・・・・・
「蟹から」
走りつつ・・・・・
距離を縮め銃撃を始める・・・・
銃も球も念術の賜物である・・・・
服もであるが・・・・
バババババと銃撃が・・・・
彼の念弾は兎に角・・・・
早く多い・・・・・
甲羅を削り穿ち貫く・・・・
「一つ」
あっという間に一体かたずけ・・・・
次のに移る・・・・・
蟹は戸惑い・・・・
其の隙を突き・・・・
半数の女達は焔の巨人に攻撃を・・・・
と見せかけ・・・・・
追おうとし・・・・
防御の念を緩めた・・・・・
蟹達にバズーカーの極太ビームを浴びせる・・・・
一瞬で形勢はひっくり返る・・・・
焔は素早く影のように・・・・
身勝手にも滑り脱げる・・・・・
蟹は逃げ出そうと・・・・・
狩られる・・・・・・
彼はライフルを仕舞・・・・
ライフルは光と成り消える・・・・・
殺された蟹は波紋に吸い込まれていく・・・・
先はバスの錬金施設の保管庫・・・・
彼は離れ女達を見守る・・・・
飴を取り出そうと止める・・・・
強気な黒髪ポニテ美女が此方に来るのが気が付いたからだ・・・・
「クールなやつだな」
「お褒めどうも」
お互い見つめる・・・・・
金と黒の瞳が・・・・・
「カニーサジー」
「悪いが半分は頂いた」
「全部持って行っていい」
「・・・・・・」
強きポニテは沈黙し・・・・・
「変わりの要求は?」
「俺をいれてくれ」
「バスにね」
強気ポニテは一瞬で強く伝える・・・・
「断る」
彼はそう言われると分っていたため・・・・
落ち着き払い伝える・・・・
「そうか」
「じゃあ四分の一残してくれ」
「俺はそれだけあれば良い」
強気ポニテは無言で振り返り・・・・
「感謝する」
声色にはすこそほんの少しの信が・・・・・
「ありがとな」
「クールフロイライン」
彼は後姿に声をかけ・・・・・
此れで良いと・・・・・
思いつつ飴を舐める・・・・・
此れが彼の食事だ・・・・
「さて今度こそうまくいきますようにと」
クールフロイラインの後姿に願いを・・・・
お読み頂き有難う御座います。