第二話 いろいろ理解しました。
ヘーーイ!!
ということで、勢いよくスベってからの登場、赤ちゃんです。まだ名前はわかりません。あるのかないのかすらもわかりません。
赤ちゃんというものは非常に不便で、さっき目開けてみようって思って頑張ったら目は開けることができたけれど、それ以外はどう頑張っても無理だった。
うーん、先は長いぜ。
「お嬢様、おめめは旦那様に似て真っ赤でいらっしゃるのね〜!」
私が目を開けて大興奮しているのは、乳母らしき女の人。ミルクっぽい美味しい液体もこの人が飲ませてくれたらしい。ありがとう、美味しかったぜ。
というか私、お母さんはいないのかしら。
まあ、まだ話せないしわかるすべがないんだけど。
「お嬢様は本当に旦那様に似ておられる。こんなに綺麗な黒髪、お嬢様と旦那様以外いらっしゃらないわ!」
あ、私黒髪で赤い目なのね。乳母さんがお喋りでよかった。
乳母さんは、さらさらでながーい金髪に水色の目。まるでお人形さんみたいね。
コンコン
誰だろ?
「エミリー、私よ、マリアよ。お嬢様の下着を交換しにきたわ」
来訪者が気になり目だけをゆっくり右側の扉にむけると、エミリーより若干幼く見える少女が立っていた。メイド服のような服装はエミリーと同じなので、おそらく仕事仲間なのだろう。
おー、こりゃまたべっぴんさんだこと。
乳母さんはエミリーって名前なのね、ふむふむ。そしてこの赤茶色のポニーテールでオレンジの目の女の人がマリアさん、と。
優しそうで大人っぽい雰囲気のエミリーに対し、マリアは幼さが抜けておらず、それでいて少し目尻が上がっているのできつい雰囲気がある。
「あらマリア、早いのね。奥様が亡くなられて、その後の手配も全て任せっきりでごめんなさい。助かっているわ」
「いいのよ、旦那様は奥様が亡くなったことについてなにも話さないし興味もないご様子だったから、葬儀のの準備も無しでただ処理の者に頼むだけだったもの。で、お嬢様のご様子は?」
おっ目が合った。
かわい子ちゃん、今の話を聞くに私のマミーは死んでしまったのだね?しかも、私のパピーはそれになんの興味もないのだね??
こりゃまた難しい家に生まれてきちゃったもんだ。
「お嬢様はとても元気よ。さっき初めて目を開けられたわ。見て、綺麗な赤色よ」
「ほんとね。私、旦那様の瞳を見ても恐怖しか湧かないけれど、お嬢様の瞳はとっても好きだわ」
エミリーは、
いやん、そんなに見つめられたら照れるぅ
てか私のお父さんってそんな恐れられてんの?いや何者??
「口を慎みなさいマリア、死にたいの?旦那様のことをそのように言うのはここではご法度よ?マリアがどう思っていようとここの主は旦那様で、旦那様には絶対に逆らってはならない、メイド長にこっぴどく言われたでしょう」
「わかってるわよ、そんなこと。でも言わずにはいられないもの。今は周辺の国全てを支配下に置いて何もしてないとはいえ、去年まで戦争の最前線にいた方なのよ?魔王の名に恥じず、多くの血を浴び続けた方なのよ?恐怖以外の何だというの」
えーめっちゃ言うやんこの子、てか私のお父さん魔王なん?いや、君たち見た時からコスプレイヤーかな?とか思ってたけど、私のお父さん魔王?え、なになに、頭おかしくなった??
ちょいまって、これまさかアレ?異世界転生てきなアレ?
えーー全然嬉しくなぁぁい!!
読みづらい文章ですみません。なぜか空白が これだけしか空きません。