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俺がふざけて作った育成モンスターが異世界に落ちた  作者: 夜逃げ丸
第1章〜ふざけた魔物〜
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テイムされました

「やった・・・やったわ!!テイム成功よ!!」


光が止むと先ほどまでと違い、ちゃんと意味のわかる言葉が聞こえました。そして、僕の目の前で喜び、飛び跳ねている少女。一体、何が起こったのでしょうか?


「あの・・・僕に一体何をしたですか?」

「しゃ、喋ったっ!?」


女の子に話しかけると僕を見て驚きの声を上げたです・・・邪神様もそうでしたが、失礼ですね!地味に傷つくですよ!!


「あ、そうか。契約するとモンスターと心がある程度繋がるんだっけ?だからかな、言葉がわかるのは・・・」


・・・ 聞こえてますよ。どうやら、言葉がわかるのはこの子が原因で間違い無いようですね。


『モツ。お前、この子の言葉が分かるのか?俺にはまだ訳の分から無い言葉にしか聞こえないんだが・・・』

「邪神様は聞こえ無いですか?光が止んだら意味のわかる言葉になりましたですよ?」


邪神様には彼女の言っている事が分から無いみたいです。その説明を邪神様にしたです。


「うわ・・・何か、一人でブツブツ言ってる。気持ち悪い・・・」

「失礼なっ!!今、邪神様と会話しているですっ!!」

「じゃ、邪神っ!?・・・可哀想に、もう手遅れね」


そして、彼女には邪神様の声が聞こえて無いのでしょう。何か可哀想な人(?)を見る目を向けて来たです・・・殴りてぇです。


「いいえ!諦めちゃ駄目よ私!!こんなでも、ブルーベアを追い払えるほどのモンスターよ!ちゃんと主人と従魔の関係を築かないとっ!!」

「こんなって言うなです!!」

『ぶひゃひゃひゃひゃひゃっ!!』

「そっちもうるさいですよっ!!」


何を言われたか察したのか、邪神様は爆笑しているです。もう!何なんですかっ、こいつらは!!邪神様は無視です。今は、この女の子と話す事にするです。


「邪神様はしばらく黙っていて下さいです!さあ、さっきの話の続きです!僕に何をしたですか!!」


先ほどよりも強い口調で女の子に尋ねたです。すると女の子は口を開けました。


「【従魔契約】よ、モンスターさん。【テイム】って言い方もあるけど、人と魔物の間で主従の契約をするの。そして、私はあなたの主人になったのよ」

「ええ〜〜!?【従魔契約】!?僕に選択権無しとか、違法契約じゃ無いですか〜〜!?」


何たる事か・・・いつの間にか主従契約を強制的にさせられていたです。邪神様といい、この子といい・・・もっと魔物に対する権利を考えて欲しいですねっ!!


「それで、君の名前は?」


僕の内心を無視して、女の子は話しかけてきたです。まぁ、名前くらいは言ってもいいですが。


「僕の名前はモツです」

「モツ?変な名前ね。まぁ、いいわ。私の名前はブラレット・B・モンブラント。ブラン様って呼んでいいわよ」


・・・この子も態度がデカイですね。何で会う人会う人、こんなのばっかり何でしょうか。


「お願いしますです!僕を開放して下さいです!!隷属なんて嫌ですよっ!!」

「嫌よっ!せっかく、テイムが成功したのに。それに、私にはどうしてもあなたが必要なの・・・さあ、行くわよ」

「行くって何処にですか?それと僕は納得していないですって!!」

『これはチャンスかもな。これでこの世界の事がわかるかも知れん』

「いやいやいや、だから僕の意見は!?」


そして、強制的に僕は女の子・・・ブランさんに連れてかれたです。さん付け?僕は礼儀正しいんですよ。


邪神様は、情報を得るチャンスだと言って助けてくれません。くそう・・・何て奴らですか。


それから、ブランさんの後についてしばらく行くと大きな建物が見えて来たです。


「ここよ!ここが私の通うレッドランド冒険者学園よ!!」

「ぼ・・・冒険者学園っ!?」


【冒険者学園】と言う単語を聞いて、邪神様は『テンプレ来たーー!!』と叫んでいるです。どうでもいいですけど、耳が・・・この場合は頭が痛いですか。静かにして欲しいです。


「次は私達の家に案内するわ。着いてきなさい」


・・・家ですか?まぁ、住む所があるのは嬉しい限りです。野宿なんて嫌ですし。それと美味しい物が食べられるならば文句は無いですけどね。


・・・はっ!?いつの間にか、隷属に納得しているです!ちゃんと自分を保たなければっ!!


「早く来なさい!!」

「はいです!!」


そして、素直に着いて行く僕・・・ああ、僕の優しい心が今は重荷になっているですよ〜〜。


ブランさんに着いて行く途中に、学園の様子を見ましたです。お城の様な建築の校舎に、コロッセオみたいな闘技場などが目に入りました。これが全て学生用ならば随分、豪勢な設備ですね〜。これなら住居にも期待出来るかも知れないです。


「・・・ここよ」

「・・・ここが、ですか?」


・・・しかし、僕の期待は裏切らました。


着いたと言われて見てみると。目の前にはボロい洋館が建っていたのです。一体、築何十年ですか?住めなくはなさそうですが、校舎とかと比べると差があり過ぎます。まるで、お化け屋敷みたいです。


「何処見てるのよ。あんたの家はあっちよ」

「そ、そうですか!よ、良かったです〜〜!!」


この建物では無いと聞きホッとしたです。そして、改めて指定された場所を見ると・・・。


『・・・馬小屋だな』


ボソリと邪神様の声が聞こえました。


そう、新たに指名された場所は『馬小屋』。そして、ブランさんは馬小屋の扉を開けて中に入っていきます。


「ここがあなたの部屋よ。じゃあ、もう少ししたらまた来るから。ここで待っててね」


そう言うとブランさんは馬小屋を出て行きました。僕の部屋と言われた場所は畳3畳程のスペースがあるだけでした。それを見て、僕はあまりの事態に思考が停止して着いていけませんでした。


『ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ〜〜〜〜っ!!』


そして、頭に響く邪神様の声。ああ、今ほど思ったことはありません。憎しみで人(?)が殺せたら・・・と。


・・・それから、僕はしばらくそこに佇んでいました。

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