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Unlock  作者: 蝶ノ助
第一章 天地開闢《てんちかいびゃく》
1/15

プロローグ

 


 コト。

 綺麗な真っ白い羽根が付いたペンを机の上に置く音。大きな――けれども誰もいないこの部屋に、その音はよく響いた。


「さぁ、どうしようか……」


 静寂が埋め尽くす部屋に、心地のよいアルトがはずむ。

 どうやら機嫌がいいようだ。声色が自分の思っていたよりも明るいことに気づいた部屋の主は、ふふっと笑った。



 もう誰も何も、覚えてなくていいから――。


 それでも紡ごうか、物語を。


 開こうか、この檻を。




 プラチナ色の髪が、揺れた。



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