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光影  作者: 牡丹一華
1/6

記憶とは

長い間お休みしていましたが、新連載です。


 僕はこの光景をどこかで見たことがある気がする。

頭の中で警鐘が鳴る。

ここに居てはならない。


 僕の目の前では旦那様が奥様を抱きしめている。

奥様は目を閉じて旦那様の腕の中にいる。

二人は周りなんて見えていない。

たった二人の世界なのだ。


 旦那様は大旦那様の会社を引き継ぎ成功を収めた。

人々は旦那様をうらやましがった。

けれど、僕はそうは思わなかった。

きっと、苦しむことも多いだろうと思うからだ。


 いや、苦しんでいた。

いや・・・。

苦しんでいたような喜んでいたような。

僕の記憶は曖昧だ。だからこそ、僕は旦那様に雇われた。


読んでいただきありがとうございます。

ぜひ、コメントください。

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