凄い迷宮都市と天才()魔導師の関係
読み専だったけど何となく頭に浮かんだので書いてみた。
後悔? 山ほどあるよwww 何故投稿したしwwww
迷宮魔道都市マビリンス
世界にただ一つある超大陸グランデの中央部に存在する世界最大のその都市は、まさしく世界の中心と呼べる栄華を誇る一大地である。
数多とある超弩級の『迷宮』。そこから発見されるオーバーテクノロジーの品々。時折追加される謎の設備による娯楽の提供。迷宮奥地で見つかる未知の食材。
そのどれもが人を惹きつけ離さない都市。
魔王が討たれ平和となった世で仕事にあぶれた冒険者達。何も無い荒野に店を出した一世一代の博打を打った商人達。行き場を失い流浪の民となっていた亜人。再起を目論見小さなプライドもかなぐり捨てた滅んだ国の王族。
その全てが誰隔てなく活き活きと暮らす都市。
真逆の思考。初耳の言語。驚愕の風習。
禁忌の学問。狂気の研究。異端の宗教。
あらゆる価値感が流れ込み、融合され、混沌の地となった都市。
数多の争いと試練が有った。その度にこの荒野の都市は揺れ、滅亡の危機を迎えた。
だが、その都度彼らは襲いかかる逆境を跳ね返してきたのだ。
そんな血と涙と汗、夢と喧騒と、成功と失敗と、希望に絶望が降り混ざり、全てを飲み込み大きくなっていった世界最大の都市――それがマビリンスであった。
◇ ◇ ◇
「……おかしい、まーた地上の奴らの数が増えている気がするぞ。せっかく大闘技場という衆人観衆の前でモンスターと闘わせる罠を創ったのに……。見せしめにボコられて泣いて逃げる奴ら続出! ってワクテカしてたんだがなぁ。」
「そりゃそうですよボス。我々のマイホーム――つまり迷宮の『設定』と一緒で、倒れたら殺さずに身包み剥いでポイってだけじゃねぇ。やっぱ今からでも遅くないですからホームへの不法侵入者は殺しましょうよ?」
「嫌だよアホかお前。俺様が『ぶっ殺した相手の寿命を吸っちゃう呪い』に掛かってるのは知ってるだろうが。あれって俺の影響下にあるモノがやっても作動するんだよ。畜生、あのクソ魔王め。遊び半分でミンチにされたからって最後にこんな呪い掛けやがって。おかげで俺は後5万年は健康体だぞ!」
「生きるのに飽きたら自殺すればいいでしょ?」
「やだ、怖い! まったく……普通冒険者ってのはリスクを避けるものだろう? だってのにホイホイ突撃してきやがって。不法侵入の強盗犯共め。無様に転がされる様子を地上にリアルタイムで放送してるってのに……。面の皮厚過ぎぃ!」
「装備全ロストしてでもリターンの方が遥かに大きいからですよ。ボスが冒険者から剥ぎ取った道具とか魔改造してそこらに放置してるから……。あれ、地上では凄い価値が出てるんですよ。しかもあの放送、あれで外では『あいどる』とかいう存在も生まれてきてるとか。」
「えっ! あんな出来そこないを!? プギャー! 笑えるぅううう!! しかもアイドルって…… 鏡見ろよ! あ~、やっぱ地上の馬鹿どもは駄目駄目だな。よーし、お情けにちょっくらオリハルコンの鉱脈でも創って適当に配置しといてやろう。あぁ、馬鹿どもが群がって争い合う姿が目に浮かぶぜぇ。」
「今度の大規模イベントですね、解ります。あー忙しくなりそうだ。最近私のいる深部までやってくるのが居るんですよね。この前なんか別荘に住まわせてる魔王の孫娘の所に冒険者が迷い込んで大変だったんですよ。」
「知るか。100年前にいきなり我が家に軍隊連れて突撃かましてきた馬鹿娘一行なんぞ放っておけ。住処提供してやってるだけ有難く思っとけっての。」
「まぁ実際、すごく恩を感じてますけどね、彼女。なにせ当時、魔族滅びかけてましたし。」
「あーもーやめやめ。あの時期の頃の事は思い出したくないんだよ。戦争に巻き込まれたり龍が喧嘩売ってきたり世界樹拾って育てたり、精霊王に関節極めたり……。うん、もういいや。今月の報告会は終わり。俺様は自室に帰って寝る。」
「そうですか。では、いつも通り家の管理と地上の監視は私が……。」
「おう、よろしくなー。ちゃんと地上の馬鹿どもを追い散らしとくんだぞー。」
「……ええ、やれるだけやっておきますとも。――無理でしょうけど。……まぁ、私的にはそれでいいんですがね。いつか、ボスが表舞台に返り咲く時のためにも……。」
――迷宮魔道都市マビリンス
そこは超常の力を振るう大天才魔導師が、何も無い荒野に気まぐれで創った引き籠り用の家だったモノの成れの果ての場所。
適当に生きている魔導師とその従者の暮らすそのほら穴型住まいを、職無し冒険者が迷宮と勘違いして侵入したのが全ての始まりとなった場所。
追い返すために気紛れで創った数々の妨害装置――否、アトラクションが人を惹きつけてしまった場所。
手慰みに弄りまわしては飽きて捨てた道具が、あらゆる存在に驚きをもたらす事になった場所。
自分以外に興味を持たないが故に、他者の価値観に鈍感で、それ故に何でも受け入れてしまい多くの存在が喜びに討ち震えた場所。
適当な性分と勘違いの連鎖。従者の野望と勘能力の高さ。偶然と必然が降り混ざり、全てが連鎖し大きくなっていった世界最大の都市――それがマビリンスの真の姿であった。
ここまで暇つぶしに付き合ってくれて乙です。
もしも連載とかしたら、魔導師と従者が抵当に『家』を拡張しては外の人々がやんや騒ぐ、って流れになるかもね。
しないけどw