表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/56

49異母兄デイヴィ・キング

 翌朝、レオンは、ハイブリッドであるナミの血を、再度実感するはめになった。

 体中からエネルギーが溢れ出して、力の制御が出来ず。

 あわや自分の寝室の壁を、ぶち抜きそうになったのだ。

 なんとか、戦いの時のように、神経を集中して、それを回避したが、非常に危うかった。


 その後、何とか起き上がって、マーティンと一緒に、朝食を済ませた。

 すぐに、それから二人は、連れだって、赤の国の王都を目指した。


「どうしたんですか、レオン異母兄さん?」

 レオンが、あまりにも静かだったので、マーティンから声がかかった。


「いや、何でもない。」

 レオンは額に汗していた。

 力の制御が追いつかないのだ。

 ちょっと気を緩めると、エネルギーが体からあふれ出て、しまいそうだ。


 その度に、ナミの制御する力の強さに、驚愕しっぱなしだ。

 この力の何十倍ものエネルギーを、ナミは毎日、自然に制御していることになるのだから。

 あいつは、ホントに規格外だ。


 レオンが感心しながら、飛んでいると、前方に王都が見えてきた。


 きれいに整備された古い街並みが続き、その中心に王宮が見える。

 大きさは、レオンの城より一回り以上は大きいが、建物が華美なだけで、攻略しようとすれば、すぐにできてしまう点が、いつも気に入らない。


 レオンとマーテインは、結界が張られているため、直接行かずに、王宮の門の前に、降り立った。

 すぐに、門の脇にいた若い兵士が、レオンとマーティンに駆け寄って来た。


 レオンは、ここで揉めるようなら、それを理由に、城に戻ろうと思っていたのだが、若い兵士が口を開く前に、王宮から迎えの執事が現れた。

「お持ちいたしておりました。レオン様。」

 執事は、すぐ傍にいたマーティンを無視して、レオンにだけ挨拶した。


 長兄の純血種好きは、相変わらずか。

 レオンは、心の中で溜息をついた。


 執事は知ってか知らずか、そのまま二人を、王宮の中に案内してくれた。

 執事は王宮に入ると、東に位置するキラキラした部屋に、レオンとマーティンを通した。

 そして、礼をすると、そこから下がっていった。


 マーティンは、すかさず、棚にあったワインを勝手に開けると、瓶に直接口を付けて、飲み始めた。

「うめぇー。さっすが、バカ異母兄さんとこにある、ワインだなぁー。」

 マーティンが瓶からラッパ飲みしているところに、先程退出して行った執事が戻ったきた。


 開いたドアには、レオンの異母兄である真っ白な髪を肩まで伸ばした男=デイヴィ・キングが現れた。

「御主人様、こちらでございます。」

 デイヴィが、執事に案内されて、部屋に現れた。

 彼は、一言も発せず、部屋に入って来た。


 まっ、ここは、デイヴィの王宮なんで、それはかまわないが、待たせておいて、一言もないとは、相変わらずだな。

 レオンは何も言わないデイヴィを、軽く睨みながら、向こうが口を開くのを待った。


「俺は、魔国と青の国に宣戦布告する。」

 二人は気が狂ったとしか思えない、発言をする長兄デイヴィを見た。

「なんだ。何か言いたいことがあるのか?」


「俺は協力出来ないよ。」

 マーテインがワインを、ごくごく飲みながら答えた。


「お前には、かけらも期待していない。」

 デイヴィは、異母弟のレオンを見た。


 レオンは、目線を長兄デイヴィに向けると、顔色も変えずに断言した。

「私の領地を超えられるのは困ります。なので、お断りします。」

「どういう意味だ。」

 デイヴィが、異母弟のレオンを睨む。


「領地に、長兄の軍を立ち入らせるのを、許可する気はありません。」

「なんだと!」


 レオンは、それだけ言うと、ソファーから立ち上がった。


 デイヴィは、いきなり帰ろうとしているレオンに、後ろから掴み掛ろうとして、魔力で跳ね返された。


 ボワァー

 バターン


 すごい魔力が、部屋から廊下に溢れ出し、王宮の一角を破壊した。


 デイヴィが真っ青な顔で、レオンを見ている。

「なんだ、その力は?」


 レオンは、顔だけデイヴィに向けると、ニヤリと笑うと、そのままスタスタと、廊下を歩いて行った。


 門を出ようとした所で、先程の執事が、後ろから、近づいて来るのに気がついた。

「お待ちください、レオン様。」

 さっきとは、打って変わって、今度は必至の形相だ。


 レオンは、追ってくる執事を振り向いた。

 執事は、肩で息をしながら、レオンの前まで来ると地面に膝をついた。


 レオンの目が見開かれる。


「お願いでございます。今のお力をどこで手に入れたか、お教え下さい。」


「何のことだ?」

「その力をお持ちの方に、お会いしたいのです。」

 執事は今にも、地面に土下座せんばかりだった。


「お前は、デイヴィの執事だ。」

 レオンはそう言い放つと、背を向けた。


「では、私がデイヴィ様の進軍を止め、さらにレオン様の味方だと、証明できれば、教えていただけるのですね!」

 執事はレオンの背に、そう問いかけたが、彼はその声を無視すると、そのまま赤の国を後にした。


 だいぶ遅れて、マーテインが飛んで来た。

「レオン異母兄さんも酷いなぁ。あの状態で、普通、置いていく?」


「ワインを堪能したかったんじゃ、ないのか?」


 マーテインは、目を大きく見開いて、笑い出した。

「そうだね、確かに堪能出来たよ。」

 マーテインはそう言うと、レオンの城の手前で、さっさと別れた。


 先程の執事と言い、今回はなんだか、よくわからない会談だったな。


 もっとも長兄のデイヴィは、いつもとブレないことを、言っていたが・・・。

 レオンは、そこまで考えると、一端、自分の城に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ