表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/56

48長兄のたくらみ

 レオンは、異母弟のマーティンを連れて、小屋を出ると、そのまま自分の城に向かった。


 体が少しフラつくが、飛べない程ではない。

 後からは、異母弟のマーティンが、ついて来ていた。


 二人は短時間で、レオンの城に辿りついた。


 二人が到着してしばらくしてからやっと、レオンの召使いたちが、城の中から現れた。


「あれ、クロウはいないの?」

 いつも主人が帰ってくると、真っ先に駆けつける執事長の姿が見当たらず、マーティンが首を傾げた。


 さすがに長兄も、クロウが、今、どこにいるかは、知らないようだ。

「今は、まだ魔国にいる。」

「えっ、クロウが魔国って、珍しいね。」


 レオンは、それには答えず、メイドを一人伴って、まっすぐ食堂に向かった。

 マーティンは黙って、ついて来た。


 食堂はブルがいないので、レオンに、付き従って来たメイドが、棚からグラスを取ると、傍に置いてあった樽から、ワインを注ぎ、二人に差し出した。


 レオンは、それを受け取るとメイドに下がるように合図した。

 隣では、マーティンがレオンが飲み始めるとやっとそれに口を付けた。


「それで、長兄は、お前になんて言って、ここに来させたんだ。」

「なんの話? 何が聞いたいの、レオン異母兄さん。」

「お前に提示した報酬は、何だったんだと聞いているんだ。」


「別に報酬なんて、何も貰ってないよ。」

 レオンの質問に、マーティンは、両手を上げると、首を傾げた。


「青の国が持っている穀物地帯、もしくはブドウ畑というところか?」

 レオンは、マーティンを、さらに睨みつけながら、言いきった。


「やだなぁ、レオン異母兄さん。何言ってるの?」

「長兄から、本当にそれを、貰えると、思っているのか?」


 レオンの断定的な問いかけに、マーティンは肩を竦めた。

「バカ兄貴がくれるとは思っていないけど、今なら奪い取るのは、簡単だと思っているよ。」

 マーティンは、諦めて話し始めた。


「奪ったとして、維持できると思うのか?」

 赤の国の人間は、とにかく、何かを育てるのに、向いていない。


 それを上手にやれるのは、今の所、人間と獣人だけだ。

 レオンのそんな問いかけに、マーティンは答えた。

「俺は維持できないと思ってるけど、周りは取れればそれでいいと、思ってるヤツばかりだよ。」

 なるほど、マーティン自身は、そう思っていなくても、彼の側近や仲間がそう言うなら、無視もできないか。

 レオンは、少し考えてから、マーティンに提案した。

「俺は、戦いが好きだが、面倒なことはしたくない。側近や周囲を納得させられるなら、レオン異母兄さんの案に、のってもいい。」

「そうか、わかった。」

 レオンとマーティンは、明日の出発時間だけを確認した。


 レオンは、通路でメイドを捕まえて、マーティンを客室に案内させると、自分も寝室に引き上げた。


 流石に、ナミの血を貰ったとはいえ、精神的な疲労までは、回復できない。

 レオンは、早々とベッドに入ると、体を横たえた。


 頭の片隅には長兄との対談をどうすべき、全く考えつかなかったが、結局疲労には勝てなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ