45青の国
グレイは、城内で倒れていたものを助けた後、レオンから念話を受け取った。
ナミとレオン様のおかげで、今後、人間側からの大規模侵攻や先程のような巨大なエネルギー変換術式が展開されるようなことは、なさそうだ。
少しホッとする。
グレイはこちらの状況を説明して、念話をきった。
「どうでしたか、向こう?」
部下の一人が心配でグレイに問いかけてきた。
「ああ、ナミとレオン様が、人間の国にある兵器を壊してくれたようなので、さっきみたいに、巨大なエネルギー変換術式が展開される心配はなさそうだ。」
全員が、グレイのこの一言に、ホッと肩の力を抜いた。
しかし、青の国の状況は、最悪だ。
主だった王族と貴族は、ほぼ王都にいたので、全滅。
メリーの話だと、療養に行っていた数人の王族がいるらしいので、連絡が取れ次第、こちらに戻ってもらえそうだが、すぐにとはいかないだろう。
まったく、なんて状態なんだ。
本当だったら、戦闘が落ちついたら、すぐにでも、赤の国に戻ろうと思っていたのだが、この状況ではそうもいかない。
ある意味、青の国の防衛機能は、壊滅状態だ。
さすがに、この状態では、国に帰れない。
「メリー伯爵令嬢、この件はどうするれば・・・?」
メリーがグレイを見た。
グレイが頷く。
「こっちは、後回しにして、とにかく周囲にいる負傷者の手当てと、食料の炊き出しを優先して頂戴。」
「畏まりました。」
彼女は、王族と貴族が全滅してしまったため、一番身分が高いものになってしまった。
この状態の彼女を見捨てて、さすがに帰れない。
それに、部下たちも、応急処置の手伝いと、先程、森に逃がした獣人の子供たちを保護するために、森に行ったりと、なんやかやとやることが山積みだ。
結局、グレイは、療養に行っていた王族が城に戻って来るまで、青の国を一歩も動けなかった。




